メモ書き

****

陰謀論コレクター|メディアが報じない真実が好きな人たち

例えば、『トランプ支持者は「Qアノン」を信じる陰謀論者だ』という主張があったとします。
両方を支持しているなら、間違いではない。
でも、前提は違うかもしれません。

元々、陰謀論者だから「Qアノン」も信じ、そのストーリーに沿った形で、トランプを支持している……。
であれば、彼らにとっては順番が逆。トランプが先じゃない。

トランプ支持者の中には、仕事上の都合で支持を表明し、陰謀論とは無縁の人もいるわけなので、その区別はつけておきたいところ。

これは何も「Qアノン」に限った話じゃない。

* * *

もしかしたら、陰謀論者には陰謀論の収集癖があるのかも。

でもって、好物は「メディアが報じない真実」と「権力者が隠している事実」あたり。

その結果、陰謀論者には奇妙な思想の統一が見られる……。

でないと、あんなにも似たような言説になるのは説明しづらい。

ロスチャイルド家ロートシルト)」「イルミナティ」「Qアノン」といった関連性の薄い単語が並ぶ確率を考えると、そんな風にすら思えることも。

ただ、それが「UFOで騒ぐ気分」だと言われれば、わからないでもない。

「世界の秘密」なるものが存在し、それに触れれば自分は特別な存在に近づける……。
そんな中二病設定に近い魅力で迫られれば、文字通り「中二」の頃の自分なら 食いついたでしょう。

あの頃の私なら、「ロスチャイルドが陰で世界を~」と言われた後に、そのサイトを確認したりはしない。

www.rothschildandco.com

仮にサイトを見に行ったとしても、五本の矢のマークの由来を知るまで いかなかったでしょう。
「みんなで団結すれば云々」という毛利元就みたいな由来を……。

由来を知れば、それぞれの働きや、彼らの優位性に気づいて、「今は、違うんじゃね?」とか思ったのかも。
金融の中心はアメリカなのに、ヨーロッパの……とか、その辺は書くのが面倒だから やめておこう。

* * *

そう、最初に陰謀論として“キーワード”を知ってしまった場合、どう調べるのかは決まってしまう。
陰謀論として調べれば、目に付くのは陰謀論としての情報。
そのあとに「歴史」として調べたところで、「真実」じゃない「表面」の情報と錯覚するでしょう。

ダメな研究者が、自分にとって都合の良い実験データのみを集めるように、陰謀論として都合の良い情報のみに目が行く。
その結果、陰謀論としての“キーワード”強化が行われ、陰謀論の再生産が行われる。その繰り返し。

おかげで、陰謀論@全部盛り みたいな思想の持ち主が出来上がる。
彼らにあるのは主義主張ではなく、陰謀論だから信じているという事実だけ。

なので、その主張の1つ1つを検証し、「これは、評価できる」とか、「これは、ダメだ」とか仕分けする必要もなく、「流されている人」として見るべきなのかもしれない。

たとえ、陰謀論と呼ばれる存在の中にも、見るべき価値のある情報があったとしても……。

たまたま、彼らの陰謀論コレクションに入っていただけなのだから。

* * *

Amazonにおける本の売れ筋ランキングを見ると、「なんで、こんなのに金を払うの?」というのが入っているけど、インパクトという意味で目を引くのは確か。

目を引くから売れてしまい、売れるから出版するので、変な本が溢れていってしまい、良書が埋もれて本を買う人が減る……。
そんな気もしないでもない。

Amazon.co.jp 売れ筋ランキング: 本 の中で最も人気のある商品です

上のリンクは、その売れ筋ランキング。
1時間ごとに変わってるけど、いつアクセスしてもヤバい本が1冊くらいは入っているでしょう。

そのヤバい感じの本の「著者名」を検索すると、それこそ「メディアが報じない真実」が出てくるはず。サジェストで。

報じる価値がないから、メディアも報じないんだけど、そのために「メディアが報じない真実」「権力者が隠している事実」になっているなら、なんというか……。

かといって、地上波で「Qアノン」を扱っているのを見た際には、「取り上げるの? 放置した方がいいんじゃない?」と少し思いました。
「報じる」ことで存在を知る人が増え、支持者が増えても……と思ったので。

逆に、支持者にとっては「ついに報道された。メディアも無視できなくなった」なのか、「否定している。火消しに入ったな」なのか、気になるところ。

……ってなことを思ったというメモです。

* * *

そのうち読む。

 www.gizmodo.jp