節分の時期(2月上旬)に高値をつけて、彼岸の時期(3月中旬)に安値をつけるという、相場の言い伝え。年初から新春相場が始まると、節分の時期まで上昇を続け、その後は3月決算などのイベントを控え調整局面になり、しだいに下落していくという相場の動きを言い表している。
アノマリーの話です。
解説は、上の通り。
で、実際にそうなっているのか……。
それを検証している動画、記事をいくつか見ましたが、当てはまる年もあれば、そうじゃない年もあるという結論。
割合で言えば、そんなに当てはまらない。
ただ、去年がモロにそれでした。
まぁ、上の解説とは違う理由からですが……。
NI225で見てみると、2/6が23,873.59。
3/19は16,552.83。
春のお彼岸は「春分の日」、秋のお彼岸は「秋分の日」を中日として前後3日間、合わせて7日間ずつが「お彼岸」の期間。
今年の春分の日は、3/20です。
昔、カレンダーのプログラムを作りましたが、春分の日と秋分の日の計算が面倒でした。
X年の春分[ms]=1205992080000+(X-2008)*31556926000
X年の秋分[ms]=1222098300000+(X-2008)*31556926000
* * *
計算はさておき、これを書いている今現在、VIX恐怖指数が爆上がり。
23くらいだったのが、37くらいになりました。
米シカゴ・オプション取引所(CBOE)が、S&P500種株価指数を対象とするオプション取引のボラティリティ(変動率)を元に算出、公表している指数。英語では「investor fear gauge」、別名Volatility Index(略称:VIX)と呼ばれる。
去年は3/16に74を記録して暴落が始まりました。
37という数字は、去年で言うと3/2くらいの数値。
とはいえ、上がったと思えば、急に下がることもある……。
あくまで変動率の数字。
ただ、今回のそれと時 同じくして騒がれているのは、GameStop の暴騰。
平たく言えば、機関投資家が「下がる」と思ってポジションを取ったら、掲示板に集まった素人投資家が集団で「買い」に走り、「上がった」という話ですかね。
下がる株は、空売りすることで利益が出せます。
借りてきた株を売る→売った代金を手に入れる→借りてきた分だけ買って返す……というサイクルを考えれば、売った時より買う時が安ければ儲かるのが想像できるでしょう。
つまり、下がるのがわかっているなら、空売りするということに。
怖いのは、上がってしまった場合。
売った額よりも高い額で買うことになるので、踏み上げられるわけです。
しかも、下落には元の株価という限度がありますが、上昇には限度がない。
なもんで、「買いは家まで売りは命まで」なんて言葉があるわけです。
10万円の株を買ったとき、最悪の結果は、倒産や上場廃止で株価が0円になること。では、空売りの場合はどうだろう。10万円の株を空売りして、9万円になれば1万円の利益。でも、株価が急騰して20万円、30万円……となっていくと、損失も10万円、20万円と、どんどん膨らんでいく。つまり、株価の下落には「底」があるけど、上昇には「天井」がない。
ということがあり、素人投資家の集団が機関投資家に勝利したと書かれるのでしょう。
たぶん。
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いろんな意見はあると思いますが、心理的な面で考えると、機関投資家側にいる&いた人にとっては、不愉快な出来事でしょう。
プロとしてのプライドがあるでしょうから……。
機関投資家といえば、動かせる額は個人の比じゃないはず。
日本だと、2割くらいが個人投資家。多いのは金融機関、外国法人。
まぁ、銘柄によっては、個人投資家ばかりってケースもあるようですが。
例えば、優待で飯が食える飲食銘柄とか、ヴィレバンとかね……。
米国の個人投資家の間では、株取引アプリ「ロビンフッド」が人気。
口座数は昨年12月に1000万件に到達。今年だけで300万件以上増加し、このうち半数は投資初心者という。
2020年7月の記事でこの数。
記事では、株のオプション取引で巨大な損失を出したと思い込み、自殺した人の話もあります。
う~ん……。
よく知らないまま、信用取引に手を出すのはNG。
あと、ネット証券の数字って、頻繁にバグっているような気も……。
そういうことを踏まえ、今年の「節分天井、彼岸底」を考えてみます。
ズバリ……
ハズレるんじゃないかな?
米国では2度目の給付金が配られたので、株に突っ込む人もいるでしょう。
機関投資家ほどの規模がなくても、ムーブメントを起こせるのは証明されてしまった。
何らかの規制によって、今 利用されているプラットフォームを失っても、新たなプラットフォームで似たようなことをする……。
そうなると、機関投資家は掲示板やSNSを警戒し始める。
心理的には、慎重にならざるを得ない。
ポジションを軽くし、勝負に打って出ない。
最初のターンは、そんなところ。
逆にデビューしたての個人投資家は、暴落を知らない。
下がれば買い場だと思って資金を突っ込む。
誰かが利確し始めるまで、延々と突っ込む……かもしれない。
相場から手を引く機関投資家。
そこに突っ込む個人投資家。
資金の差で下落していくものの、株主は入れ替わる。
よくある月末の売りには、定期的に利益を確定させる必要がある機関投資家もいるとすれば、月初に買戻した際に個人投資家がサーッと引く可能性も?
これが2月の頭に起きるとしたら、節分天井の可能性はある。
あるけど、その後の展開で彼岸が底なのかと……。
問題は、次のターン。
取引せずに利益は出せない。
なら、どの分野で勝負してくるか……。
そういった可能性の中で、多くの機関投資家は最も保守な手法をチョイスするのではないか。
一方で、個人投資家はARKKの組入れ上位銘柄を物色し、破壊的イノベーションを信仰。あるいは、決算はノーチェックで好きな企業に全振り。
みたいな妄想をすると、株主が入れ替わるだけのヨコヨコ展開が待っている気も……。
なんにせよ、売りたいときに売れないほど、辛いこともないので、出来高のない銘柄に手を出すのは得策ではないでしょう。
ただでさえ、物が売れない二八には。これは小売りの話だけど。
「二八」とは、2月と8月は商売が低調で売上げが下がるのが常だという意味の言葉です。
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素人の与太話です。
1年前、何を書いていたのかを見れば……。