メモ書き

****

県じまい

地方に住む意義がなくなれば、「墓じまい」のように自治体としての存続を問われるのではないか。
その行きつく先は、県じまい。

……ってなことを考えたというメモです。
すぐに現実になるという話ではないですが、このまま人が減っていけばと思い、統計局のサイトをチェック。

 

総人口,日本人人口ともに9年連続の減少

外国人が7年連続の社会増加,増加幅は拡大

減少は40道府県となっており,秋田県が-1.48%と最も高く,次いで青森県が-1.31%などとなっています。

65歳以上人口及び75歳以上人口の割合が最も高いのは,いずれも秋田県(37.2%,20.0%)となっています。

www.stat.go.jp

 

減少率が高く、高齢者の割合が高い。
そういう県がある……。

ある意味、これは詰んだ状態。
増加を担う若者が少なく、遠くない将来の減少が約束された高齢者ばかり。

その高齢者の生活を支えるにも、現役世代は必要。
となれば、そういったサービスの需要が生まれる。
ただし、その需要は減り続ける……。

支えていた現役世代が引退し、そのサービスを受ける側になったとき、故郷に残り続ける若者はいるのか?

多くの「仕事」は「土地」に結びついています。
家から通える範囲に職場がある。
逆に言えば、遠くへの引っ越しは、転職もセット。
そういうケースは少なくないでしょう。

もし、地元の「仕事」を選んでしまった場合、衰退していく地元と運命を共にすることになるはず。
「仕事」と「土地」が、結びついているのなら……。

企業だって、利益が出しにくい場所になんか、進出したくないでしょう。
不採算だもの。

「どこに住んでいたって同じ。ネットがあれば」

そう言ったところで、インフラ関連の担い手が地域におらず、住宅設備関連業者もなく、物流も……となれば、住む場所として選択肢には入らない。
山にこもって自給自足するなら別ですが、健康を害しても医療にアクセスできず……ってな危険もあるでしょう。

住む場所として考えた場合、夏は暑くて、冬が寒い。
そのうえ、夏は道端の草刈り、冬は雪よせ。虫も出るし、熊とも遭遇する……。
車社会だから車が必須だけど、給与は安くて車の維持費はかかる。
接触事故でも起こせば、非がなくても相手の保険会社が負担を求め……以下略。そういう事故というリスクを背負って、日々安月給のために通勤する。
でもって、他県へのアクセスが悪い。
なんてリスキーな人生か。
そんな場所に住むメリットは、多くないでしょう。

仮に、その場所では作物が良く育つとしても、農業に携わらない人にはメリットじゃない。
貴重な鉱物が取れると言っても、海外のタダのような労働力で採掘されたそれに、勝てるとは思えない。
かといって、オフィスワーク的なそれを、僻地で行う利点もない。
土地が安い場所で大規模な工場を建設したところで、そこで働く充分な労働力がない。

より大きな観点でメリットをあげれば、リスク分散はあるでしょう。

一カ所に集まって住むのはコスパがいい。
その分、災害時にはダメージが集中する。
それを回避するには、離れて住んでダメージの分散。
そのくらい。

そう、そのくらい。

そのくらいのために、道路を整備し、水道を引き、電柱を建て、回線を伸ばし、設備の維持に努める……。
当然、公共サービスを展開するのための人を置く。
地域生活を営むのに必要なエッセンシャルワーカーもそこにいる。
そんな人々の子供が通う学校があり、保育園があり、教える人々もいる……。

ん~。

本来 考えていた「書く予定」とは、真逆のことが浮かびました。

なるほど、これは雇用の創出だ。

新たなコミュニティが生まれれば、そこに雇用も生まれる。
この側面は否定できない。
これも、メリットといえば、メリット。

「みんな、まとまって暮らせよ。その方が効率的だよ」では、生まれないメリット。

効率を求め、無駄を省いた末に、何もなくなる。
では、なくて……。
たくさん無駄なことをして、需要を生み出す……。

まぁ、そんな話。

* * *

さて、「書く予定」だったことも残っているので、そちらも。

「作物が良く育つ」というメリットを生かし、農業プラントとしての地方を考えてみます。
その場合でも、結局は そこで生活する人がいる以上、コミュニティ維持コストは発生するでしょう。

そこに人間が住んでいる限り。

そう、人間が住んでいる限り……。

じゃ、住まなきゃいい。

住まずに、どうするのか?

遠隔農業。

youtu.be

上の動画は、オムロンのもの。
映っているのは、歩行トレーニングを支援するサイバーダイン社のロボットスーツHAL
この後の展開がイメージしやすくなると思っての引用。

人が体を動かそうとすると、その運動意思に従って脳から神経を通じて筋肉に信号が伝わり、その際、微弱な「生体電位信号」が体表に漏れ出してきます。HALは、装着者の「生体電位信号」を皮膚に貼ったセンサーで検出し、意思に従った動作を実現します。

www.cyberdyne.jp


「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」な通信技術が確立されれば、「そこ」にいなくていい。
「そこ」に住むことなく、「そこ」のメリットを享受できる。

農家でも都市部に住み、自宅にいながら農作業。
遠隔操作用の器具を身に着け、遠くにある金属製のボディを生体電位信号で動かす。

やがて、その作業データが蓄積され、パターンとして学習される。
これが農家AIが誕生。

あとは、彼らが人間の代わりに耕し、収穫し、物資を輸送……。

その頃には、地方は人が住む場所ではなく、機械が働く機械の街に。

一方、都市部では地方からの物資を受け取り、動かない人間のもとへ。
働くのをやめた人類は、あらゆる労力を避け、面倒な娯楽もやめ、手足すら動かすのを億劫になり、生命維持装置の中で快楽物質を浴びる毎日。
何もせずに得られる快感を受け続け、必要な栄養素を口から流し込んでもらい、排泄物を吸引されている……。

子孫繁栄は、試験管の中。
勝手に採取される精子卵子で。
育児をするのも、人間ではなく……。