メモ書き

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実験場として都合が良い中国|とあるドキュメンタリーの感想

www.nhk.jp

BS世界のドキュメンタリー」の感想みたいなものです。
番組名通り、他国のドキュメンタリーを放送する枠ですね。

上のは邦題ですが、原題は「Undercover: Inside China's Digital Gulag(イギリス 2019年)」で、2020年 国際エミー賞最優秀時事番組だとか。

主な内容は、新疆ウイグル自治区での潜入取材。
漢民族の人に協力してもらい、自治区内の様子を撮影した内容です。
街中の映像が出るので、監視カメラや交番の多さが目につきました。

例の収容施設に関しては、収容されて出てきた人の話、収容中の家族から送られてきた動画など、潜入者以外からのアプローチ。

衛星写真だか航空写真だかは忘れましたが、上空から見て、施設が大きくなっていっている様子も。

こういう状況になった経緯を含め、なかなか興味深い内容だったかなと。

それを見てから日が経ち、忘れかけた箇所もありますが、少しメモしておきたい気持ちがあるので、こうして感想を書いています。

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印象的だったのは、いわゆる「2009年ウイグル騒乱」の映像でしょうか。

鉄棒などを持った漢族の従業員100人以上が同自治区から出稼ぎに来ていたウイグル族の従業員を襲い、ウイグル族2人が死亡したほか、双方合わせて約120人が負傷した。

www.jiji.com

上記のことを受け、ウルムチで抗議デモを展開した映像です。
襲われて血を流す漢族が映っていたはず……。

字面で知るのと、映像で知るのでは、インパクトが違いますね。

番組内では、習近平が視察に来てすぐに暴動が起こったので、「自分に対する批判」と受け止め、「治安維持」に舵を切ったような流れでした。

昨今の事情を踏まえれば、収容される側に同情的になりますが、デモで暴れていた彼らは、ちょっとアレですよ?
想像以上にこう……。
まぁ、その辺は映像を見て、それぞれが感想を抱くこと。

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それはそれとして、別の感想も抱きました。

カメラによる監視社会……。
人々の動きを見て、問題行動を起こしそうな人を特定し、収容するという某SFアニメのシステムを彷彿とする状況でした。

具体的な判断基準は、万引きGメンのそれに近いかも。
いわゆる挙動不審者のチェックです。
走っているとか、表情から判断していたはず。

これって、テロに怯えるような国には、高く売れそうじゃないですか?

そう考えると、「実験場として都合が良い中国」という側面が見えるかも。

実際には、監視カメラ大手の「杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)」が、アメリカの取り引き排除対象に……。

www.jiji.com

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仮に、同様の監視システムが導入されていたら、アメリカの暴動に影響はあったのでしょうか?

いや、考えにくいですね。
そもそも、法治国家は法をもとに動くもの。
挙動不審くらいで、どこかに収容する真似はできないし、してはいけない。

でも、危険因子の絞り込みは……。
って書き始めると、スノーデンが語ったNSAのことが頭に浮かびますね。

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ゲノム編集ベビーに対し、生命倫理の問題を叫ぶ一方で、「科学的好奇心」は否定できない。
自分たちは倫理を重んじる。
でも、そうじゃない結末を見てみたい。

人道的に許されざる「if」を、他国は中国に期待している……。
そんな側面が、新疆ウイグル自治区にあるんじゃないか。

一方で中国は、自分たちが抱えた人種間の問題を他国は どう始末をつけるのか、見ようとしていないか……。
大国アメリカは、何をもって、人種間の溝を埋めるのか。
ウイグル漢民族というテーマを白人・黒人に置き換え、アメリカで展開させたのではないか……。

「君らなら、どう対処する?」

その問いに、アメリカは何を示したのか。
……と考えると、「思っていたよりも、たいしたことないな」という結論がありそうで、何とも言えない気持ちになります。

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「人権侵害なんてない。最初から、人権は無いのだから」

確か、そんなことを番組内で言っていました。
インタビューに応じた共産党の人が。

なんか、意識の土台が違いますよね。
こりゃ、他国の解決法とか、気にしちゃいないかも。

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以下は、メモ用のリンク。

在外公館、ボーイングファイザーにも? 「中国共産党の党員リスト」DB流出で波紋

www.j-cast.com

天安門事件関連のビデオ会議を検閲か、ズーム元従業員を指名手配 米FBI

www.cnn.co.jp

デジタル人民元で消費刺激?

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