「中国恒大がデフォルトだ」
「額がデカい。コイツは、リーマンショック級だ」
そんな意見を目にする機会が増えたので、ちょっとチェックしてみたというメモです。
中国絡みのデフォルト話は珍しくないので、「起こってみないと、影響規模ってわからないしなぁ~」ってのがチェック前の考え。
チェック後に思ったのは、「恒大の理財商品を購入した投資家って、大半が従業員じゃね?」でしょうか。
ちなみに、下記はデフォルトに関する過去のメモ。
* * *
理財商品のうち400億元(約6830億円)程度が満期を迎えている。
<中略>
恒大は最大で年率約13%の高金利をうたって理財商品を販売し、獲得した資金を運転資本に回していたという。杜総経理の説明によれば、投資家に返金するため同社が推計する約800億元相当の資産を売却する計画だと、同関係者は述べた。
<中略>
恒大の理財商品を購入した投資家の多くは従業員だ。同社も従業員に購入を奨励していたという。安徽省だけでも従業員の70-80%が同社の理財商品を購入し、他の地域の支社でも恐らく似たような状況だと、地元テレビ局が従業員1人を引用して伝えた。
1つの省の話とはいえ、従業員の70~80%が理財商品を買っていた……。
で、その儲けが返ってこないと言って、本社ビルに押し掛けたのが先日。
投資家の一人、王さんは「会社側は返済に2年かかると言っているが、保証はない。年末までに経営破綻するのではないかと私は心配している」と語った。王さんは恒大に勤務し、同社にこれまで10万元(1万5497ドル)を投資し、親戚らも約100万元を投資したという。
jp.reuters.com
一族が一致団結して、恒大集団に全賭けしていたんでしょうね。
いやぁ~、リスク分散はした方がいいですよ?
ちなみに、理財商品というのは、中国で販売されている金融商品のこと。
理財商品
中国語の「理財」は資産運用を意味します。大半が短期間で償還を迎える高利回りの商品ですが、元本割れすることもあります。中国では通常の銀行融資を受けられない借り手に高金利で貸し付け、その債権を基に理財商品などを販売する「シャドーバンキング」が問題となり、景気悪化でデフォルト(債務不履行)が相次いで発生すれば、中国経済の混乱につながりかねないと懸念されていたことがあります。
このシャドーバンキングに対する懸念が、今回もあるわけです。
近年、中国では金融リスク抑制と住宅取得促進の一環として、不動産開発会社に借り入れや土地購入を制限し、その他に何百種類もの新しい規制が導入されている。
<中略>
恒大集団には、数多くの銀行が融資を行っている。昨年明らかになった文書によると、同社は128行超の銀行と、121社を超えるノンバンクから借金がある。
こちらはノンバンクと書かれていますが、意味的には同じ。
シャドーバンキング
ヘッジファンドやノンバンク、証券化のための特別目的事業体など銀行を介さない金融取引の総称。影の銀行とも呼ばれる。中国では高利回りの金融商品「理財商品」を筆頭にシャドーバンキングが急拡大していることが問題視されている。シャドーバンキングは金融当局の直接的な監視・監督を受けていないため実態がつかみにくいが、世界的に監視を強化する動きが強まっている。
監視・監督できないものを、トップに立つ者が好ましく思わけがない。
経営陣に身内がいるなら、もっと優しい方法を取るかもしれないけど、潰したい側の勢力関係者だったら、それはもう……。
まぁ、前からデフォルトしても助ける雰囲気は、無かったよね。
で、タイトルの日にち。
下記の期限からですね。
金融情報会社のREDDは、中国恒大が21日満期の2つの銀行からの融資に対する利子返済を止めるだろうと報告した。これにより、21日が中国恒大の破産を決定する「重大な岐路」となりそうだ。
他では「20日」になっていますが、報道地域による時差?
* * *
問題は、どんな影響が起こるのかと言うこと。
直近に限って言えば、「今月20日が期限の利払いを同社が行わない見込み」らしい。
非公開情報だとして関係者が匿名を条件に述べたところによると、中国住宅都市農村建設省が今週、銀行と会議を持ち、中国恒大は20日の支払いを履行できないと通知した。同社はまだ、返済期限延長や一部ローンの借り換えについて銀行と協議していると関係者は述べた。
また、来週は少なくとも1件のローンで元本の返済ができない見込みだと関係者の1人が語った。約8400万ドル(約92億円)のドル建て債のクーポンを期日の23日に支払うかどうかも不透明だ。
企業として、売り上げ、収益率、資本を見ると、悪くないらしい。
問題は、キャッシュ。
払うべきお金が手元にないけど、支払期限が迫っている……。そんな状態。
でも、銀行は貸してくれないし、銀行に嫌われることもしてきたような……。
作ったマンションを売りまくれば手元にキャッシュは入るけど、住宅の安売りバーゲンを始めたら、不動産の暴落は待ったなし。他の不動産業も巻き添えにして……。
だから、他業種にも手を出してみたけど、余計に酷くなってしまった。
というのを誰かの動画で見たような。
でもって、元々が「うちに投資すれば、儲かりまっせ」と金を集め、ガンガンにマンションを建ててきた手前、勢いを失った後の失速も早い。
高利で集めた資金のデメリットだけが残り、地獄みたいな状態に……。
という解説を誰かから聞いたような気がします。
まぁ、十数年後には「あの頃の中国バブリスト特集」とか、やっているのかもね。
問題は、自分たちへの影響……。
恒大が無秩序に破綻すれば、金融システムへの脅威となる恐れがある。中国当局は明らな前例がないため、3000億ドル(約33兆円)以上の負債を抱える恒大のような債務問題を解決するメカニズムを今後試していく必要がある。
規模がデカ過ぎて、よくわからない状態。
とはいえ、中国の国内で金を集めて、中国で高騰して、それが下落するだけなら、影響は限定的に思えてきます。
海外に波及しそうなのは、建築資材とか、海外から投資していた人とか……。
下請けとして、海外の建設業者が加わっているなら、それもですかね。
ドミノ倒し的に影響が拡大するとしても、じわじわ行くんじゃ……。
なんか、調べた感じでは、長期戦の予感がしますけど。
いずれにせよ、冬の感染拡大で隔離村が要るかもしれないので、工事が止まっているのは作らせた方が無難かも。
冬の北京に人を集めるのであれば……。
今までの対策で、これから数ヵ月の間に変異したものを防ぐのは、大変かもしれないもの。
中国のワクチンは、シンガポールじゃノーカウントにされるものだし。
あ、ジェノサイドだから開催しませんは勘弁。
代替地で札幌になる危険性があるもの。
中止された冬季大会: 1940年の第5回札幌大会が日中戦争の影響で返上。当時、スキーのアマチュア問題をめぐり、IOCとスキーが盛んなヨーロッパの国々は対立していた。(札幌大会では、スキーはデモンストレーションで行ってもオリンピックでは行わない予定であった) しかし札幌の代替地として決定していたサンモリッツが、IOCの了解のないままスキーをオリンピックに加えようとしたため、開催地をガルミッシュ・パルテンキルヘンに変更し、その際、1944年の第5回大会の開催地をコルチナ・ダンペッツォに決めたが、第二次世界大戦のため両大会とも中止となった。