メモ書き

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バカに歴史を教えてはいけない

物事にはメリットとデメリットがある。

例えば、情報を得ることのメリットは、単純に知識が増えること。
デメリットは、その知識が正しいとは限らないこと、そして発信者のバイアスがかかっていること。

その流れで歴史を学ぶことについて書くと、メリットは知識くらいしかない。
時の権力者の日記をみたいなものを史実として学んだとして、そこには権力者による発信者バイアスがかかる。
過去の出来事を参考に、後世の生活を優位になるなんてことが少ないのは、歴史家が世の中を動かしてないのを見ればわかる。

そう、だから知識が増えるだけ。

その少ないメリットのわりに、最悪なデメリットが存在する。
それが争いの火種だ。

過去に自国が侵略を受けた事実を知り、まるで自分が被害を受けた感覚になって、やり返さないと気が済まないとなったら、無意味な動機付けになっていまう。

この際、攻撃する側は「ただの加害者」であり、攻撃を受ける側は「ただの被害者」である。
その国の誰かが自分の遠い祖先を攻撃したとして、その攻撃を加えた当事者は生きていない。この時点で復讐は成立しえない。
なのに、問題とした攻撃の復讐として、その国に生まれただけの人を攻撃する……。

「お前の遠い祖先が、俺の遠い祖先を傷つけた」

そう言ったところで、向かい合っているのは無関係の二人だ。
ただ、そこに生まれと者同士の意味不明な衝突なのに、このぶつかり合いが次の「問題となる攻撃」となり、連鎖が続いていく。

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なので、大きな戦いがあって悲惨だったので、これ以降は今ある領土を区切りとして、どこも拡張も縮小もしないルールとしましょう。

ってな具合に、区切りを決めて前に進まないとダメなわけだ。

「我が国の黄金期、お前らの国は我が領土だった。だから、侵攻する」

そう言って都合のいい時代で区切って領土拡大するのは、バカが歴史を教わったせいだ。
区切り方次第じゃ、お前の国はモンゴル帝国の一部じゃないかとなる国でも。

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ということで、一部の研究者以外は過去なんか忘れて生きたほうがいいでしょってね。
まぁ、一斉に歴史授業の放棄をしないと、どこぞの独裁政権が都合の良い自国の歴史を教え、普通の歴史を教えてる国に「間違っている」と言い出すかもしれないけど。

自国の政治への不満を逸らすため、悪い世の中は「隣国のせい」と教える感じの……。
反日教育リスクって、そういう意味での厄介なんだけど、内政不干渉で終わるんだろうな。文句も言わずに。

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ああ、あと、かつて植民地支配をしていた西欧は、彼らの逆襲にあわないために、そこで何を教えているのかチェックしておいた方がいいかもね。
統治していた頃は、宗主国マンセー教育していたでしょうけど。