メモ書き

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歴史は繰り返さない|再現性のない地政学

繰り返しているかのように見えるだけで、実際には変化している。
「同じだ」と思ってしまうのは、机上で都合の良い情報を並べて考えるからだ。

……と思ったというメモ。

歴史が繰り返しているなら、歴史家は今より地位が高いでしょう。

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レイ・ダリオ著 「変わりゆく世界秩序」

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上の動画では、覇権国の移り変わりが語られている。
オランダに始まり、イギリス、アメリカと変わってきて、次は中国だという展開。

今の中国の現状を見れば、「新しい情報に興味がないのかな」と疑ってしまうけれど、その辺は脇に置いておく……。

まぁ、その、賃金の変化に関しては、見るものはあるでしょう。
発展すると労働コストが高くなるので、より安い国で生産するようになる。
すると、その安い国が技術を得て発展し、新たな覇権国となる。
覇権国になると労働コストが上がるので、ほかの安い国に……。

覇権国の内戦要素を抜けば、こんな感じ。
ここの流れは興味深いけど、だからって過去と同じように未来も……とはならない。

過去のオランダはオランダであって、イギリスはイギリスなのだ。
今のアメリカとは、抱えている事情が違う。

コストが安い国での生産にしても、最先端の技術は自国から出さず、組み立てや枯れた技術の量産を行っている……。
その時点で、彼の根拠は微妙だ。

それに、稼げる産業は移り変わっていく。
かつては百人がかりで農業をしていたのに、今は数人で済むようになった。
余剰人数が工業に向かい、大量の人間が生産ラインに立っていたが、今は機械がメインになった。
今度は……。

そうやって変化していく中にあっては、稼げる分野を伸ばした方が勝ちやすい。
稼げない分野で頑張っても、上を目指すことは難しいけど、「もしも」に備えるなら、どの分野にも精通していた方がいいでしょう。
「あっちがダメになった」「じゃ、うちで作るか」と変えられるのは、強い。

日本は、企業ジャンル的には幅広いんだけどね。

逆に、観光産業一本足打法みたいな国だと、感染症で大きく沈み、その反発で浮上したりする。
他の産業を育てないから、公務員のほうが数が多くなったり、年金の支払いを他国に借金して……いや、何でもない。

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最近、良く見聞きするようになった地政学リスク。
学とつくけど、学問認定されたものじゃならしい。

学問と聞くと、それが科学であるなら再現性が重要となるが、歴史と地理を足して割ったようなものなら、再現性は求められない。
というか、求めようがない。

同じ状況など、二度とないからだ。
似たようなシチュエーションはあっても、まったく同じ状況は発生しない。

時が変われば、国の状態も変わっている。
そこにいる人も違えば、考え方も、欲求も違っている。

あくまで、過去のケースから何かを喋っているに過ぎない。

まぁ、覇権国は海洋国家だという視点で見ると、それはそれで楽しいかもしれないが。
大量の物資を運ぶなら、陸路より水路だからね。
同じ量の荷物を陸路で運ぶ場合と海路で運ぶ場合で、日数に差が出るだろうし。

地政学の観点で見れば、不凍港が欲しくてたまらない国や、南北に長い列島に蓋された大陸などは、海洋国家とは言えないので、その時点で覇権国候補として厳しくなるけど。

その前に、民主的な国じゃないと、発展に限界があるような話も聞くしね。

1万ドル前後で中所得国の罠に陥る国

www5.cao.go.jp

 

Swiftで交換された金融メッセージを通貨別にみると、2023年4月時点でドルが42.71%、ユーロが31.74%、ポンドが6.58%、円が3.51%、人民元が2.29%だった。

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ちなみに、Swiftでは人民元の交換割合は2.3%。円は3.5%。

CIPSは決済通貨が主に人民元であることや、送金情報の伝達手段においてSWIFTに依存している部分が少なくないことから、短期的に見るとCIPSがSWIFTを代替できる範囲は限定的である。

www.dir.co.jp

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アメリカの最大リスクは地政学ではなく、銀行かもよ。

昨年来の歴史的な長期金利の上昇は、多くの銀行で債券の含み損を拡大させた。米連邦預金保険公社FDIC)によると、米銀全体で抱える債券の含み損は2022年末時点で約6,200億ドルと1年前の約80億ドルから急拡大した。

www.nri.com

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円安だからなんだけど……。

エネルギーコスト的に見たら、ドイツを含め、ヨーロッパは大変だと思うよ。今後。

日本のGDP、今年にもドイツに抜かれ4位転落の恐れ

www.sankei.com

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