・レアアースの大半が中国産
・レアアースを含む鉱石は、放射性元素を含んでいることが多い
・採掘は環境汚染を伴い、健康被害につながる
・その害ゆえに先進国では規制が厳しいが、中国は緩い
・人民の犠牲に目をつむり、安い費用で採掘し続ければ、他国は価格で勝てない
レアアースが希土類と呼ばれるのは土や泥にわずかに含まれているからで、もともと世界中に広く分布している。しかし生産国は限られていて、2005年の統計では中国が世界産出量の93%を占め、2位のインド(3%)、3位のタイ(2%)を大きく引き離しているんだよ。
<中略>
レアアースを含む鉱石は放射性元素を一緒に含んでいることが多く、先進国では鉱山開発により環境が破壊されるとして規制が厳しくなった。一方、中国は規制が緩いうえに労働力も安い。採掘コストの安さを武器に、ここ10年ほどで生産量を大きく伸ばしたんだ。
引用元:
こうしてまぁ、鉱物資源界は一強となり、人道的な国の鉱物資源業者は消え去ったと……。
そんな鉱物資源の“汚い”側面に目を向けることなく、汚染や非人道性だけを見て批判する。
それは、ゴミの処分を他国に依頼し、自分の国はクリーンだと言うようなもの。
他国に工場を作って大気を汚しても、自分の国はクリーンだと言うようなもの。
自分の手を汚していないだけのクリーンさは、他者の手を汚させていることを気にはしない。
見せかけのクリーンさ。
これが私たちが選んできた道かもしれない。
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次なる見せかけのクリーンさは、エネルギー。
太陽電池(太陽光発電)では、現在、シリコン系が主流であるが化合物系(CIGS 等)ではインジウム、ガリウム、セレン等のレアメタルが使用される。
引用元:新エネルギー導入促進に伴うレアメタル需要
クリーンと言われているエネルギーを作るにも、鉱物資源は要る。
鉱物資源を採掘するということは、環境汚染を引き起こす。
これが、先進国が出した結論。
解決べき優先課題と、今は目をつむる課題は決められた。
鉱物資源に乏しい国としては、採掘量を減らすべく、リサイクルに励むしかない。
1トンの土砂から取れる金はわずか1gほどと言われ、そのほとんどは廃棄物として捨てられます。
引用元:採掘が引き起こす問題 | エシカルケータイキャンペーン
家電のゴミの山から探す方が、土の中から探すより早いというもの。
何より、大量の土砂を廃棄する必要性や、他の被害を防げるし……。
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こうして考えると、中国が人道的になったら、“今の世界”は終わる気がしてくる。
そんなメモです。
“今の世界”というのは、ハイテク産業の恩恵を受け、デジタルなデータで仕事をし、儲けている今のこと。
そのデータの保存・送受信には、多くの鉱物資源が使われているわけです。
なればこそ、GAFAも中国の存在を気にかけるというもの。
以前は、別の見解を示したこともあったけど、こっちの方が腑に落ちる……。
ということで、建前として「ダメ出し」しつつも、本音では他者の不幸など気にすることもなく、自分の利便性が保たれるよう、誰かに汚い作業をしてほしいというのが、先進国で生きる者の願いかもしれない……。
きっと、多くの難民を中国が受け入れ、採掘で安く使うのを望んでいる……。
中東で、このあとに増えていきそうな難民を。
「多様性」という美辞麗句を並べたところで、多種多様な集まりは、多種多様な問題に繋がるのは自明の理。
異なる思想を受け入れるのは、異なる問題も受け入れるのと同義。
なんだかんだ言って、郷に入れば郷に従えが道理。
水資源に乏しい場所に行き、大量の水を使おうとすれば、そりゃ怒られるってもの。
来訪者の信条がどうであれ、その土地に根付いたルールはあるもの。
みんなで生きるためのルールってヤツが……。
だから、厳しい気候の場所ほど一神教。
他の神を受け入れれば、その思想がルールを乱し、「みんなで生きる」ことが脅かされるもの……。
と、話がそれてきたけど、基本的には鉱物資源の話でした。
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以下は、それ絡みのメモ。
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でもって、今後の需要について。
株価は地政学を折り込まないと、誰かが言っていましたが、なかなかどうして……。
いや、これはコモディティ投資の話か。
金とかなら、ハーモニー・ゴールド・マイニングみたいな銘柄もチェックされるんでしょうけど。