リンク先のような檻が、近所に設置されたメモです。
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クマの出没情報が珍しくない田舎なので、そこまでの驚きはないけれど、ここまで近い場所に設置されたのは初めてだと思う。
あまりに近所なので、ちょっと歩いて見に行きました。
檻は、山道にドーンと設置。
草で一部を隠されることもなく、そのままの姿で。
で、近くにはワナ設置中の立て看板。
舗装された道路の傍に、無造作に置かれたそれを見て「本当に入るの?」と思った人が複数。
でも、数日後には入っていました……。
エサは、おがくずみたいな何か。
糠かな?
それが、檻の前や周辺に山になっていただけ。
こんなんでも入るもんなんですね、見るからに怪しいのに。
まぁ、ワナという概念が人間にあるから怪しいと思うわけで、初めて見るクマには餌の近くに鉄の棒があるくらいの感覚なんでしょう。
クマが檻に入っているのを確認したら、あとは役場なりに連絡してハンターの到着を待つわけです。
連絡時に注意されるのは、不用意に近づいたり、刺激したりしないこと。
暴れて抜けでも厄介ですし、何より捕まったクマを気にかけ、他のクマが来るケースも想定されますしね。例えば、捕まった子を親が探しに……とか。
なもんで、「入ったぞ」と言いふらすより、黙って回収してもらった方が、噂好きの田舎民対策にはいいかもね。
ちなみに、連絡した翌日の早朝にハンターが到着。
銃声が響いたのは覚えていますが、眠いので寝ました。
起きていた人が言うには、複数の車が来ていたようです。
仕留めたクマは運ばれ、檻は再設置。
今も、新たなクマが入るのを待っています。
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山の木を切っている話を書いた後なので、「人間の活動が、クマを~」みたいな論調の人を思い浮かべました。
山の木は杉なので、その山は興味ないです。クマは。
食い物ないので……。
担当したハンターの人も、裏の杉林を見て「山とは逆方向から来た」と断言するくらい、奴らは食い物の無い杉に興味がない。
となると、問題は何を求めていたのか。
この時期の畑で食えるもの……。
芋って食うのかな? 葉物野菜を食うイメージないけど。
春はフキ、タケノコ、木の新芽などの山菜。夏は、植物のほかに、アリやハチ、その幼虫などの昆虫類。秋は、ブナ、ドングリなどの木の実などをたくさん食べて、栄養をつけ、冬ごもりに備えます。動物の死体なども食べますから、森の掃除屋のような仕事もしています。
スギやヒノキなどが植林された人工林には、食べ物がないので理想的なすみ場所とはいえません。
しかし、動物って不思議ですよね。
人間のように言語を用いなくても、親と同じようものを食べるし、また食べられると理解できるのだから。
祖先が食に対して行ったトライ&エラーが、遺伝として伝わってるんでしょうか?
それとも、親を含めた他の個体の行動を見て、一匹一匹が学習しているんでしょうか?
だとしたら、カラスの行動に地域差があってもいいはず……。
でも、どこに行ってもゴミ袋を開け、中身を散らかしている。
ゴミ袋が無かった時代にはない変化。環境適応。
成長は人間だけの特権じゃないので、他の動物も環境の変化に合わせ、新しいアクションを始めたとしても不思議はない。
山よりもゴミ捨て場に食い物がある時代になれば、そりゃゴミ捨て場に行くよね。
その学習をしてしまった個体が、山で暮らす個体に影響を与えることで、「祖先が食に対して行ったトライ&エラー」が継承されたとすれば、彼らの住処も変わるかもしれない。