メモ書き

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もはや「落としどころ」は要らないし、食糧危機も起きない

先に、食糧危機の話。

食糧危機が起きない理由、それは食べる人が減るから。
……という理由の前に、備蓄と出荷の話。

オランダの農業金融大手ラボバンクのステファン・ニコルソン氏は「ロシアの侵攻が始まる前にウクライナはトウモロコシの50%、小麦の25%の出荷を既に終えている」

www.nikkei.com

 

ロシアの主要な小麦輸出先は中東・北アフリカ地域(エジプト、トルコ、イランなど)であり、2013/14年度には総輸出量の63%を占めた。この地域への小麦輸出はその後も絶対量としては増加しているが、総輸出量が大きく増加する中で輸出先の多角化も進んでいる。2017/18年度には、中東・北アフリカ地域のシェアが52%に低下する一方で、アジア地域(バングラデシュベトナムインドネシアなど)が19%、サブサハラ・アフリカ地域(ナイジェリアなど)が16%を占めるようになっている。

www.alic.go.jp


ここで、日本の牛乳の話を。

www3.nhk.or.jp

豊作過ぎて野菜を畑で潰す映像があるように、行き場のない食糧というのは悲惨です。
流通すれば商品価格が下がるし、かといって在庫として残すとコストがかさむ。
どっちにしろ、生産者の利益にはならない。

さて、農産物の輸出国が経済制裁を受け、それらが出荷できなくなったら、どうなるでしょう?
余った小麦がサイロに貯められ、行き場を失って途方に暮れる?

いや、そんなフツーの反応はしないはず。
経済制裁を受けるような国なので、産地偽装を考えるのは朝飯前。

イラクのバスラを出港するタンカーにイラン産原油を混合し、イラク原油として積荷目録を偽装するということも行われているようだ。

wedge.ismedia.jp

こんな具合に。
同じようなことをするなら、小麦の産地と仲良くしたいでしょう。
原油を売りたいなら、原油の産地と仲良くしたいでしょう。
その仲良くした相手が“商談”で有利に立ち、経済制裁されている側は足元を見られながらも、ろくでなしの繋がりは深くなっていく……。

どっちも“ろくでなし”なので、ちょっとしたキッカケでケンカし始めるかも。

それはそれとして、そんな混ぜられた食糧が、かつての輸出先には届くでしょう。
品質的な問題から、日本には来ないかもしれないけれど。

それでも、仮に量が足りなくなって揉め事に発展したとします。
すると、奪い合いのケンカの末に相手をXXしてしまうので、その地域で必要とする食糧の総数が減る。
人口が減れば、必要な食料も減る。
だから、食糧危機と呼ぶ状態に至らず、“争いによる死者”としてカウントされるかもしれないというメモです。

奪い合いのケンカに発展しないような国は、より高い金を出して食糧を確保する余裕があるので、そこでは食糧不足は起こらない。もとから困ってる人を除けば。


まぁ、その……。
感染症の影響で、出産が控えられ、死者が増え、食べる量が減った国もあるでしょうが。

肥料が手に入らない話は、いいか。

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次に「落としどころ」の話。

ロシア軍高官は25日、ウクライナ東部ドンバス地方の解放が軍事作戦の「主要目標」だと述べた。ウクライナへの全面侵攻開始からこれまでの1カ月を「第1段階」と呼び、ウクライナ軍を大幅に無力化したと評価したが、実際には首都キエフ近郊で後退を迫られるなど苦戦している。

www.nikkei.com

 

一方、ロシア軍は現状について「元々キーウ侵攻はドンバス地方のための陽動だった。これからは東部に集中する」と説明しています。

news.tv-asahi.co.jp

お漏らししたアレを見るに、まったくもって「第1段階」じゃないだろうし、あんだけの犠牲を出して「陽動」もないだろう……。

ロシアの国営メディアがウクライナでの軍事作戦でロシア軍が勝利したとする記事を配信していたことが1日までにわかった。「ウクライナはロシアに戻ってきた」と強調し、ロシアが旧ソ連時代の勢力圏を復活させて西側諸国と対峙していくといった内容だ。

www.nikkei.com


結局、自分たちのダメさを認められないから、都合の良い解釈に換えていく。
失敗したと認められないから、失敗成分を含む交渉の余地もない。

そんな思考回路の人間を相手に、「落としどころ」に導く気遣いは要らないかもって話。

追い詰めれば、勝手に「落としどころ」を作って、有耶無耶にするでしょう。

で、最後の言い訳は「懲らしめた」になる。
中越戦争のように?

相手が「交渉」を望むのは「弱い」からだと思っている人に対し、「交渉」自体が悪手じゃないかってね。
思考回路の原理原則が違えば、こちらの常識は通じない。

「先に告白した方が負け」じゃないけど、「先に話し合いを持ちかけた側が、下」なんじゃないの? DQNの思考回路からすれば。

恐れているアレの脅威にしても、きちんと管理できている保証もないでしょう。
だって、共産圏だよ?
労働に見合った対価が無いから、作業の質が落ちていく場所で、横流しも手抜きもなしに、何かが存在し続ける可能性は低いのでは?

 

www.tokyo-np.co.jp

まともなら、すぐに去ってるさ。

と書いてすぐに書くのもなんだけど、反プーチンの急先鋒ナワリヌイ氏にしても、なかなかに差別主義者だから西側も担ぎたがらない。

ナワリヌイは過去に差別主義的な発言をしている。
例えば、主に中央アジアコーカサス出身者に対して、人種に関する露骨な固定観念にもとづく言動をぶつけている。

toyokeizai.net

他の政治的有力者といっても、政党からしてアレ。
民主主義と呼べる社会で生きてきた人からすれば、狂気の集団ばかり……。

ロシア自由民主党
日本で改正北方領土問題解決促進特別措置法が成立したのを受け、「カムチャッカから北海道までの島々がロシア固有の領土」とする対抗法案を提出した。

artsandculture.google.com

民主主義VS専制主義の戦い。
そう括り、民主主義国家の一致団結を呼び、我々が築き上げた秩序への冒涜だと糾弾する以前に、これには別の側面がある。

陰謀論者VS普通の人の戦い……。
歴史という過去に囚われ、権威だの名誉だのを信仰し、ありもしない幻想にすがる人々との不毛な争い。過去より未来を気にしろよと、老人に言っても始まらない。

ここでいう陰謀論には、誤った歴史観も含まれるし、自国に不都合な情報を遮断された統制国家の常識も含まれます。不都合が排除された情報なんて、陰謀と大差ないもの。その正確さにおいて。

なんでね、まともな人は国外退避しやすいようにし、そうじゃない人は国と命運を共にしてねと。
その辺がベターじゃないかなと。

思想の矯正をしたら、彼の国と同じだもの。
おかしな連中は、相手にしない。それがベスト。

ね? JTさん。

diamond.jp

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財産の共有なんて言ってるから、所有を認めてくれる権力者に何もかも握られ、実力者と言えど権力者と命運を共にする羽目になる……。
社会システムとして、致命的な欠陥でしょうに。

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ペスコフ氏はプーチン氏が顧問から誤った情報を伝えられているとする米国の指摘に否定的な見方を示し、ロシアのやり方が米国にはっきり理解されていないのは残念だと発言。こうした「誤解」は「軽率な判断」を招き、「非常に悪い結果」をもたらすものだとしている。

www.cnn.co.jp

こうやって、アレコレつつくと、そのうちボロを出して、崩壊に拍車がかかりそうな気も……。

「お前の飼い主は、習近平か?」と訊かれたら、どう答えるんだろう。
いや、そういう言い回しはゴシップ誌でもしないか。
「中国から、軍事物資は届きましたか?」という質問がベター。中国側との意見の相違があるか否かが見どころ。


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今後の展開は不明だけど、そのうちキャスト交代して、ウクライナに縁のない人々が戦いあう地になり、まるで軍事見本市のように新しい兵器が登場する場所になっていったら……という嫌な予想も。