国力に差があるから、負けやしない。
そう思うのは、早計だという話。
「このくらいのダメージで、相手は降伏するだろう」
そういう思い込みは、非常に危険。
負けたら後が無い者は、どんなに犠牲が膨らんでも戦い続けるから……。
まして、「切り札(核)」を持っているなら、なおさら。
第二次世界大戦全体ではソ連(1939年の総人口1億8879万人)側では戦闘員866万~1140万、民間人450万~1000万、他に疫病や飢饉により800万~900万人が犠牲となった。ソ連崩壊後正確な統計が取られるようになり、現在では2700万人が失われたとされている。ドイツ(1939年総人口6930万人)では戦闘員444万~531万、民間人150万~300万人が犠牲となったと推計されている。日本(1939年の人口約7138万人)で戦闘員210万~230万、非戦闘員が55万~80万と推計されている。第二次世界大戦での犠牲者ではソ連が桁違いに多かった。
引用元:
独ソ戦は、勝った側の犠牲者が多い戦い。
それも、ソ連崩壊後になって正確な数値を知るという……。
それだけ、“まともな”データや情報が入ってこないのが共産圏。
「日本に入ってくる情報は米欧経由だから、もっと相手側の言い分も……」と公平性を保とうとしたところで、プロパガンダに染まるだけ。
「どっちが本当なんだ」じゃなく、常に両方を怪しんでみるべき。
でもって、正しい情報は逆算していくもの。
例えば、統計的に信用できない国の輸出額を知りたかったら、他の国が輸入している額を合算する。そんな感じで。
「こう思わせた方が、わが国にとって都合がいい」情報は目立ち、不都合は誤魔化すもの。
その発想を抜きに、言葉通りに受け取るのは、稚拙な学者くらい……。
彼らが馬鹿にする低学歴層の方が、もっと世の中を疑っている。
まぁ、疑いすぎてというか、逆張り発想の末に、怪しいものを信じることもあるけど。
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さらに言えば、報道の自由や選挙があるから、“お行儀よく”戦わないとダメな民主主義陣営と違い、そうじゃない国に禁じ手は無い。
国家による情報の隠蔽に対し、国民のアレルギー度も違う。
それは、殺意を持っている相手に対し、相手を死なせずに倒そうとするのに似ている。
向こうはルール無用のケンカ、こちらはルールありのスポーツで挑む感じ。
いや、逆に「民主主義陣営は、敗者に情けをかけますよ。だから、敗北を受け入れた方が正解」と言って効果があるのも、ルールが存在し、実際に守っているから。
そういう見方もできる。
ルール無用の人間に、ルールを守る人間は信じられないかもしれないけど。
だからこそ、捕虜がハッピーライフを送っている映像が効果的になることも。
反対に「捕虜になると、生きて帰ってこない」は、必死に戦うしかない理由になる。
ヒトラーは独ソ戦を世界観戦争であると規定しました。すなわち『人種的に優れたゲルマン民族が劣等人種スラヴ人を奴隷化し支配する』という世界観です。そのためソ連兵捕虜は人間として扱ってもらえなかった。
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結局、追い詰められると、人間の判断は狂いまくっていく。
「落としどころ」という逃げ道を用意し、そこへ誘導していくのがクレバーな手法。
あるいは、誰か一人の問題であれば、その原因の排除だけを考えるか……。
実行能力の排除としては、贈り物がベスト。
前線に毒入り饅頭を送り、少し休んでもらう。
あるいは、性病フルコンプの娼婦を派遣し……。
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今時、戦車って……。
兵士の数とかで、優劣が……。
ドローンを大量に投入し、地対空ミサイルの脅威をそいで、MOAB打ち込んで終わりじゃ……。
そう思えないことも、ないけどね。