メモ書き

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「地球温暖化はウソ? 世論動かす“プロ”の暗躍」の感想

BS世界のドキュメンタリーの感想です。
制作は、デンマーク
「DR」とあったので、おそらくはデンマーク放送協会。

www.nhk.jp

大筋は、温暖化の話が持ち上がったら、石油会社が否定論を広めて潰したといった感じ。

「温暖化の話」は、ジェームス・ハンセン氏が言ったもの。
この話を受け、対策に動こうとしたところで、否定的な言論が大きくなっていったという流れ。
これは、ブッシュとかサッチャーの時代のこと。

否定的な言論を大きくするため、否定派はテレビの司会者を名指しで指名し、そういった意見を言わせたという資料が出て……みたいなことも。

で、討論番組では口下手な感じの研究者を、口達者な人が追い込んだとか……。
ただ、その番組の収録後に「君が否定したのはハンセンがシミュレーションしたうちの1パターンで、現状は2パターン目に近いんだが、それを知ってて批判しているのか」と言われ、調べてみたら2パターン目があったと。
でもって、その口達者な人は身内の科学者の意見を参考に話していたけど、その科学者は2パターン目のことなんか一度も説明しなかった……。

みたいなことがあったのが、リバタリアン系のシンクタンク「ケイトー研究所(CATO)」だったかな?

あとは、石油業界から大学に寄付が云々と……。

展開としては、たばこの健康被害を訴えたら、関係団体から圧力がかかったのと同じ流れ。
実際、たばこのときと同じ人物が動いていて、そこには業界との繋がりがあったと。

そういった圧力は、温暖化を発表した人、オゾンホールの存在を見つけた人、温暖化に否定的な論文で査読済みが無かったと発表した人にもあったそうな。

少し見返したら、マーク・モラノ、マイロン・エベルといった名前も見ましたが、その辺までメモすると時間がかかりそうなので、覚えている範囲でサラッと書きました。

* * *

感想としては、ドキュメンタリー映画不都合な真実』より見やすかったけど、石油業界にとって“どの辺が不都合だったのか”が抜けてると、ちょっと物足りないかも。

シェルとかに問い合わせたら、回答がもらえなかったようだけど。

ほかに気になった点としては、当時の情勢下で「石油の代わりになる存在」というか、石油業界が怯えるほどの消費ダウンはあり得たのか……。
今ほど、ほかのエネルギーへの転換が容易でなかったのであれば、別の不都合がそこにあったんじゃないか。

真実はどうあれ、人は自分の生活にとって都合の良いものを是とし、不都合なものを非とするのであれば……とか、あれこれ考えたくなります。

なりますが、どうしてデンマークが制作したのかに比べれば、気になる度合いは低い。

番組的には、ずっとアメリカのターンなので、アメリカの番組かと思ったのに。
というか、一国の業界が世界に与える影響としては、デカ過ぎの気もするんだけど……。

他国も彼らと歩調を合わせ、一緒に広めていきましょうってなったのか。
その辺が気になったという感じですかね。

* * *

大学の研究と企業に関しては、別に珍しくもないですよね。


例えば……

チョコレートの摂取により「精神的にも、肉体的にも活動的になる」
引用元

www.meiji.co.jp

という研究結果が出たところで、実験しているのが愛知県蒲郡市愛知学院大学、株式会社明治の産官学の共同であれば、「あぁ、株式会社明治……」となるでしょう。

自社商品の優位性を高めるための研究と言えなくもないですが、営利目的集団である会社なんだから、当然といえば当然……。
ボランティアで大学に研究費を寄付し、それで会社にとって不都合な研究結果を出された日には、なかなか素直には受け入れられないでしょう。
「社員を食わせていかなくてはいけない」と、他人の人生を背負っている人であれば猶更……。

一方で、学問自体で見れば、科学を歪める行為につながりやすい。
とはいえ、誰かが研究費を出してくれないと、研究すらままならない……。

この辺が、ジレンマになってることも ありそうですよね。
だからまぁ、そういった企業にとって不都合な分野には、国による投入がいるんでしょう。役に立つ・立たないを素人が判断できるわけもないので、数を打てば当たる精神によるバラマキで。

理系は。