2017年から新春恒例、異色の経済教養ドキュメント。
その感想。
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この番組の感想で書くのもなんだけど、いわゆるコロナ禍が終わったんだなと思いました。
今も感染者がって? もはや日常なので、敢えて“禍”と呼ぶこともなく……そんな意味合いで。
どの辺に終わりを感じたのかと言えば、インタビュー先。
今年は、海外の経済学者などに広くインタビューできています。
それだけ動けたんだなと思うと、変わったんだなと。
去年なんか、マルクスを学んでる学者がメインだったりして、経済番組で それはないよ……ってのがあったんだけど。
今年のメインテーマは、ある意味でインフレだから、去年とメンツが違うと言えなくもない。とはいえ、相変わらず思想色は強めでした。
気の毒なのは、世の中の変化が早いので、制作時点で「為替がぁ~!」とやれないこと。
2022年は、1月が1ドル115円台、10月に149円台、12月に131円台という揺れ動き。番組が作りづらいだろうなと思って見ていました。
インフレで物価の話をするとなると、わかりやすい解説が必要です。
需要と供給のバランスの話あたりは、ぶっちゃけ高橋洋一氏あたりを呼んだ方が わかりやすかったかもね。
制作サイドの政治思想的に、好まないのかもしれないけど。
まぁ、彼を呼ぶのが嫌なら、バーナンキ氏あたりへのインタビューを……。
いっそ、来年のメインに。
来年は「軍事と資本主義」とか、やってそうだけど。
そういや、経済番組なのに、ノーベル経済学賞関連はスルーされるよね。
なんで?
ノーベル経済学賞は、ノーベル賞じゃないから?
※正式には、アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞。他の賞はノーベル氏の遺言でスタートしていますが、こちらは後でスウェーデン国立銀行が提案。
日本では“潰された”「電波オークション」がノーベル経済学賞を受賞
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立憲民主党の小川淳也が仰天発言😨💦
— マス対コア (@MASS_VS_CORE2) 2023年1月1日
「消費税は最低でも25%以上必要」
「日本の人口減は〝最大の希望〟」
…これが立憲の考えなのね。。。(๑⁺᷄д⁺᷅๑)#朝生 #朝まで生テレビ(2023.1.1) pic.twitter.com/nWinQzVhVY
見終わって印象に残っているのは、世界の人口予測。
番組内では「フローニンゲン大学 Argus Maddison Project Database 2018」のデータをもとに、世界の総人口をグラフの縦軸に、増加の前年比を横軸にして出していて、視覚的に逆戻りを意識させるようで……まぁ、いいや
ピークを迎えた後に減少に転じるなら、世界的な人口オーナスとなり、投資は陰っていくでしょう。
が、個人的には死んだ後の話。
人口は増えているけど、それが経済に大きな影響を及ぼさない貧困層に限ったことだとしたら、想定よりも経済縮小ムーブは早まるけど。
だとすれば、今後のトレンドは金持ちのニーズを探ること。
金持ちの1%支出と、1000万人の貧困層の1%の支出。その差が大きくなるほど、ビジネス的にターゲッティングされるのは、どちらかって話。
番組内で扱った過去の「大量生産による需要調整が、インフレを抑える」とは、また違った論点があるわけですが、そういうのを論じるターンでもないか。
サッチャーが生んだ分断にもスポットが当たっていましたが、個人的には再び大英帝国をという気運に、再びソ連の領土を渇望する誰かを見ました。
過去の栄光ってヤツですね。
今がダメだと、昔は良かったを言い出す。
意識が過去に向かい、指標が過去なので、現実に合わないことをしがち。後ろ向きじゃ前は見えない。
成功体験が人を狂わせ、その成功パターンに固執し、失敗パターンを形成する感じのは、日本のオイルショックの経験がどうと語られていたかな。
なんか、違和感があったけど、この辺の頃の話を知らないからなぁ。そこまでは。
国産のミサイルも開発中だけど、国内生産設備の関係で量産が間に合わないから他国から急いで購入するという事情があるのに、経済がどうとか的外れです。兵器は必要な時に必要な数がなければ何の意味も無いんですよ。 https://t.co/3EaNJmlu5u
— JSF (@rockfish31) 2023年1月2日
適当に書いて、専門家に突っ込まれることは避けたい。
まぁ、誰も読んでない想定で書いているけど、自分が振り返り見る予定ではいるし……。
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あと、気になった単語は「イルム」と「森嶋通夫」くらい。
前者は何だろう?
知識を意味するアラビア語かな?
あまり気に留めずに見ていたせいか、単語しか覚えていない。
後者は、海外でも評価された日本の経済学者。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0B3GPBZJD
https://www.amazon.co.jp/dp/B000J74RSA
番組の構成としては、いろんな人に好きなように今後の経済を語らせ、取り敢えずのまとめを用意した感じ。
それが“日本への助言”としての「アジア諸国と仲良くね」でした。
う~ん……。
人間、勝手なもので、まとめがなければ、テーマが無いと言い。
取って付けた終わりを見せられると、いっそインタビュー特集だけにして、ご自由にお考え下さいが良かったと言いたくなる。
そんな感想を抱いた次第。
タイトルになっているトライアングルは、ペストフの三角形だったかな?
あまり記憶に残っていない……。頻度は高かったけど、ぼんやりしたイメージ。
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イギリスの産業革命は「石炭」で、からのアメリカの「石油」への転化。
動かすエネルギーに応じて、社会は変わっていく。
逆に、古いエネルギー設備が充実した国ほど、それが足かせになって次に移行しづらい。その辺を突いても良かったような……。
となると、太陽光とか風力とかの話になって、その原材料は中国が~と。
特に銅が枯渇するって話は、混迷の世紀 「2023巻頭言 世界は平和と秩序を取り戻せるか」でやってたね。
その番組を含め、最近のNHKの放送はキューバ危機や核軍縮に触れる内容が多くなった気がする。
でもさ、ゴルビーとプーチンじゃ、だいぶ違うでしょう。
いわば、戦争を始めた無敵の人、かつ陰謀論者を相手に、ヒトラーに譲歩したミュンヘン会談を繰り返せば……。
ロシアのプーチン大統領がウクライナに侵攻するに至る予兆はいつからあったのか。過去の米政権で対ロ政策を担った元高官たちに取材をすると、複数の人物が2007年のドイツ・ミュンヘンでの出来事を挙げた。
いや、ほんと、ミュンヘンは鬼門だね。
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資本主義を語る時、新しい資本主義を模索したりするけど、既にあるんじゃないの?
誰もが資本と呼んでいないけど、価値を認めているような何かは。
人によっては「いいね」至上主義だったり……。
あれこれ書いたけど、忘れちゃいけないのは、よく批判されている「大量生産・大量消費」が物価を下げていること。
あれもこれも手に入っているうちは、工夫でより素晴らしい世界とやらを実践できるように見えるけど、誰も作らなくなったら速攻で終わっていく。
物事の良い面だけを見て語り、悪い面だけを見て語り……。
ってな話をしていくと、思想強めで経済から遠ざかっていくね。
経済オンリーで語れる知識が無いと、こんなもんなんでしょう。
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【追記】
オイルショックの教訓として、輸入先の分散に触れず「気分」で話を進めたのは、マイナスポイント。
原油は中東地域に約90%依存しています。LNGや石炭は、中東地域依存度は低いもののアジアなど、海外からの輸入に頼っています。
分散と言っても、中東に集中しているけど、ロシアに極振りしている国とは違うから、インフレ度合いも違う。
2021年のドイツの1次エネルギー消費量構成のうち、石油は31.8%、天然ガスは26.7%、石炭は8.6%と化石燃料で6割を超えた(添付資料表参照)。これらは、ロシアへの依存度が高い。記事によると、ドイツは2020年に、石油34%、天然ガス55%、石炭45%がロシアからの輸入だった。特に、天然ガスは国内需要の9割以上を輸入に頼り、加えて輸入の半分以上をロシアに依存していることになる。