メモ書き

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朝ドラ「なつぞら」から、解放される

NHK 連続テレビ小説なつぞら」を途中から見ました。
で、9月28日で最終回。

見終わって感じたのは、解放感です。
これで、もう見なくていいという……。

だったら、途中で視聴をやめればいいのですが、そういう気持ちにも なれなかったんですよ。

何というか、「アニメの歴史」という人質を捕られ、その人質の生存確認がたまにできる。そんな心境でした。

見始めた頃に ここに書きましたが、視聴理由は「業界への興味」です。

att3200.hatenablog.com

なもんで、日本アニメの歴史を描くという珍しいドラマに……というか その一点にしか興味がなかった。
そして、それは今でも変わらない。

たぶん、主人公が頑張って、徐々に認められていくとか、他にも凄い存在がいて、自分との差に葛藤する。そんな展開だったら、もっと楽しめた気がします。
主人公が仕上げにいて、動画への興味を捨てきれない。その辺から見たので、余計に そういう期待があったのかも。

でも、実際にはメアリー・スー
「ぼくのかんがえたりそうのオリジナルキャラクター」でした。

色んな人たちが生み出した功績を一人で担う。
それをドラマだから仕方ないと割り切ろうにも、最後の方では旦那のキャラ性まで奪っている。
キャラクターの「なぜ?」を突き詰めるのが持ち味の旦那だったのに、ソラのアニメでは役回りが逆に……。
おいおい、作画崩壊からぬ、キャラ崩壊かよ。そんな気分に……。

作画崩壊と言えば、日々屋外作業をしているはずの人たちの顔の綺麗さに、ずっと違和感を……。
ついでに、NHKドラマでよくあるセットにも。
何というか、いかにもな作られたセットで、どこから日が当たっているのか不明な感じが、前からダメなんですよ。

前からと言っても、朝ドラ自体、まともに見たことがないですけどね。
たまにチラッと見た際に、「何、これ?」みたいな感じでした。

そういう人間なので、朝ドラを見続けているメイン・ターゲット層の人は、私の感想なんか気にする必要も無いし、「楽しめてない奴が悪い」くらいでいいです。

視聴率は良かったそうですし、ツイッターでも「天陽くん」とか、「天陽くん」とか、「天陽くん」とか、なつぞらに関するワードが飛び交っていましたからね。

きっと今は、登場人物が誰とくっつくのか、出演陣の他のドラマとの関係性、自分の推しの活躍ぶり、そういった点を楽しむのが主流(?)なんでしょう。

あとは、歴代ヒロインの出番、ナックスの出番、どのお菓子メーカーがモデルか、といった点でしょうか。
「どのお菓子メーカーがモデルか」は、「アニメの歴史」を見たい自分にも、わかる気がします。
というか、似ていますしね。

歴史的な事実があり、その事実は どう描かれるのか。
その興味で見ている感じでしょうか。

漫画で言うなら、「アオイホノオ」を読むような感覚。あの有名監督の若かりし日は、こんな感じだったのか、みたいな。
いや、この青年が「ああなるのか」といった方が正確でしょうか。

大槻ケンヂさんのグミ・チョコレート・パインを読んだときも、似たような期待がありました。
バンドを始めた主人公たちを見て、彼らが“筋肉少女帯的な存在”になるのか、みたいな。
実際にはXXなので、読んで「えぇ~」っとなってください。


話がそれました。
なつぞら」の感想に戻します。
でも、不満点が続きそうなので、それは箇条書きでサラッと流します。

・彼女の仕事の領分じゃないところにも、その無双っぷりが及ぶ
・子供を預ける際に報酬額を出すなら、当時の物価を知らせないと……
・頻繁に北海道と東京を行き来してるけど、その費用って……
・「ネットでは××ロス」「何とかで号泣」というスポーツ紙の用意された記事
・雁首を揃えて、順に喋っていく不自然さ 大勢だとガヤガヤしてるものでは?

特に、北海道と東京の行き来の多さには、「週に一度はメインの役者を出して、喋らせないとダメな契約」でもあるんじゃないかと勘ぐる始末。

そう思うと、つまらない、面白い以前に、どんな状態で脚本を書いているのか。
この人は、実力を出せる環境にあるのだろうか。
そういう見方になり、脚本家を調べるように……。

過去作を見て、どれも見たことはないけど、見聞きする情報から「あぁ……」という気持ちになって苦笑。


個人的には、スーパーウルトラどーでもいい展開が続いたので、「#なちゅぞら」というアンチっぽいタグと、「#なつぞら」タグの比較に興味が移りました。

誰かを下げて、笑いを取る。
誰かを持ち上げるため、誰かを下げる。
その描写に関する批判を繰り返す人がいたり、「なつが嫌い」を繰り返す人がいたりする一方で、スポーツ紙が「登場人物の死に号泣」と書きやすそうな感想を書く人がいたり、一部の役者への称賛があったりしました。

見ていて楽しかったのは、当時の業界を知る写真や資料を載せているツイートですね。
何せ、ドラマでワクワクした箇所が、タップの登場、ライトボックスの点灯、トレスマシーンの登場ですからね……。

机の上に置かれたキャラ模型がどうとか、そういう箇所が語られているのを耳にすると、小道具の人の頑張りみたいなものを感じました。
気付かれない作業かもしれませんが。

こういった「アニメの歴史」的な人質の生存確認に釣られ、最後まで見たが故の「解放」が最後にあったと。それだけの話です。


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余談ですが、朝ドラって主婦層が見るイメージでした。
女性主人公の活躍を描くもので、主婦向け「なろう小説」みたいな……。