メモ書き

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「しんがり ~山一證券 最後の聖戦~」の感想

ドラマ「しんがり山一證券 最後の聖戦~」の感想です。

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原作は、清武英利のノンフィクション小説。
山一證券の自主廃業をめぐる物語です。

私の中で山一と言えば、「社員は悪くありません」の会見です。
そのシーンをゴールとし、その過程を知るというスタンスでの視聴となりました。

作品としては、社内調査の話なので、事の真相が内部の人間に突き止められ、白日の下に晒される「報告書の読み上げ」がゴールなんですけどね。

あまり事件の前後を知らない私にとっては、知っているポイントに辿り着く過程を知ることに、報告書よりも興味が向いていたように思います。

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ドラマとして見た場合の注目ポイントは、

・掃き溜め感のある部署の人間の活躍
・それぞれの得意分野がある個性的な面々
・社内政治の闇
・部署ヒエラルキー
・会社に不利な情報を知った社員の葛藤
・再就職よりも潰れる会社の調査を優先する意義

突き詰めれば、誰のどんな利益を優先させるか。
そんな会社員の苦悩を描いているようにも感じますし、「この人たちが活躍するんだ」みたいなアレな見方をすれば、「七人の侍」のようにすら感じるかもしれません。

史実として見れば「身内による調査で、ここまで客観的に……」というのが、一番のポイントかもしれませんが。

どの辺に重点を置いて見るかで、印象が変わるドラマだと個人的には思います。
主人公たちの活躍を期待して見たり、山一の会長が散々な目に合うのを期待して見れば、何か物足りなく感じるかも。
いわゆるドラマ的なスッキリさを期待せず、「この事件の渦中にあった人々」を知ることに注目点を置いた方が、見やすいでしょう。

展開的に重々しいので、映像作品を見て何かを考えられる余裕があるとき向けです。
ストレス解消を期待してはいけません。

どんな人にオススメなのかと聞かれれば、やはり当時を知りたい人か、振り返りたい人でしょうね。

私的には、個人的な最大の関心事「社員は悪くありません」を発した人が、ハッキリ言って「ババを引いただけの人」なことに、何とも言えない気持ちになりました。

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証券会社の不正の話なので、「ハナ替え」「転換社債」と用語が出てきて、その解説文章が字幕として出ます。
それによって業界に詳しくない人でも見やすくなっているでしょうし、登場人物に説明台詞を言わせる必要も減るので、よかったと思います。

願わくば、「総会屋」とか、その辺の当時の事情も説明してくれた方が、当時を知らない人が見るには いいのかなと思いました。
まぁ、メインターゲット層は、当時を知る人なんでしょうけど。

そういう人には、作中のテレビの厚みや、パソコンのモニターのデカさなど、細かいところに懐かしさを感じることでしょう。

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余談ですが、主人公を演じる江口洋介さんの演技プランみたいなものが、どうにも「白い巨塔」の彼と同じに思えて……。
そんなところに、顧問弁護士として登場する先生が、白い巨塔で病理学科教授を演じた人で、なんかこうイメージが引きずられて厄介でした。