経済効果は、儲けじゃない。経費を引く前の売り上げでもない。
誰かが計算した「それによって動くお金」に過ぎない。
億単位の建築物を建てたら、そりゃ億単位の経済効果になるでしょう。
問題は、あくまで動く額なのでマイナス面が計算されていないこと。毎年の維持費もなければ、老朽化後の解体費用も当然ない。
藤代: ほぼ全ての経済効果について言えるのは、マイナスの影響が考慮されていないということです。
なのに、何かを実行に移すための理由にされている。
これって、「経済効果=純利益」だと勘違いされているのではないか?
あるいは、そんな風に誘導することによって、特定の方向に流れを作りたい人がいるのではないか……。
まぁ、普通っちゃ普通の話だけど、改めて書くとこんな感じ。
でもって、下記のような経済効果話には反論を言うくせに……
スタジアム新設の経済効果を調べた研究によると、仮にスタジアムが新設されてスポーツイベントが開催されたとしても観光産業が発展することはなく、多くの場合スタジアムが存在する自治体の中でのみお金が回ることになり、実質的な純利益を自治体にもたらすことはないとのこと。これに加えてルーカス氏は「スタジアムへの予算の大部分が選手やコーチの給料に回る」とし、施設維持のために働くパートタイム従業員が低賃金となりがちで、従業員を集めにくいと指摘しています。
下記のような経済効果話だと、真逆のことを言い出したりする。
経済効果は1兆6,300億円程度か
日本自動販売システム機械工業会の試算によれば、新紙幣・硬貨を見分けるため、紙幣のデザイン刷新への対応で約7,700億円、500円硬貨の素材・細かな形状変更への対応で約4,900億円、合計で1兆2,600億円のコストがかかる見込みという。
<中略>
新札発行への対応コストは約1兆6,300億円となる。
何というか、主婦の年収論争みたいだよね。
自分が“どっち側”かで主張が変わる感じの。
その額で雇用されないのなら、その価値はない。取引があって初めて、価格は成立する。これが圧倒的な現実。
誰も見に来ないからと、タダ券を配って客数を増やしているうちは、その価値しかない。ずっとのその調子なら、マネタイズが下手なのか、コンテンツに魅力がないのかになる。どっちにしろ、早く損切りしたほうがいい。
なのに、穴を掘って埋める公共事業でもGDPに加算されるみたいな……というのは少し違うか、どっちかと言ったら営利企業の営利目的事業に税金を投入するのをダメ出ししたら、公益性のある事業に投入するのを比較対象に持ってきたくらいに、何をダメ出しされているのかわからない感じが、「経済効果=純利益」みたいなノリにはある。
シンプルに書くと、需要で判断しろよ……になるのか。
税金を投入するなら、需要がある場所に。でもって、供給が足りない場所に。
将来、金を生みそうな場所に。