メモ書き

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インドが経済成長しないと、世界的にマズい理由

14億人の雇用不安とか、最悪でしょって話。

いやね、人口ボーナス云々の成長論が叫ばれると、逆張り的な論拠で注目をあびようとする人が出るんだけど、それが現実のものになったら悲惨だぞって思うわけですよ。

人口ボーナスによる経済成長は、子供と高齢者に比べて労働力人口が多いから起こるものだけど、肝心の働き先がないと無職が増えるだけなので、数の分だけオーナスになってしまう。
職があっても、働く気持ちがないと同様に……。

高齢化していなくて、労働力人口が多くても、思ったように経済成長していない国は、稼げる職か働く意欲がない。
そう言い換えることができる。

億単位の労働力人口を活かすことを考える場合、その数の特殊技能者を用意するのは困難。
誰でも出来そうな仕事を大勢でやる。行きつく先は、これだ。
なもんで、世界の工場と化すのが最初のステップ。

問題は、意識レベルが国によって違うので、こちらの普通が通用しないこと。
時間を守らない、質が悪い、身分制度の名残、価値観の違い、衛生観念の違い……。

www.afpbb.com

上のようなニュースを見かけると、国名を伏せても“だろうな”という予想をしてしまう。
私らからすれば「インド」で一括りになるが、インドの人からすれば「特定の地域のインド」あるいは「特定の人たち」という見方をしているのかもしれない。

日本人がイメージするインドのカレーと、例えばベンガル地方の魚が入ったカレーくらいに、同じニュースでも受け取り方が違うんじゃないかって……。

それはそれとして、増えすぎた人口をカバーできるだけの仕事が用意できない場合、国内には金がなくて暇な人が増えるだけだ。
暇な人が、どんな時間の使い方をするかで、街の治安は大きく変わる……。
モノがないから盗めば犯罪都市になるし、政治活動に繋がれば別の方向に進む。宗教に走れば特定の人物が権力を得、海外に活路を求めれば難民が増える。
なので、先進国の企業はインドに進出し、現地の雇用を創出した方が良いんじゃないか説。

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一方で、世界の工場が移転することになった中国では、不動産、赤字の鉄道、給与の不払い等々から、人余りになる可能性が高まる。
不景気で人を雇わない、雇っても金を払わない、地方政府は市民からの罰金で金集め……。

需要があるうちは高く売れていた物でも、需要がなくなれば安くてもさばきたくなる。
足元を見た消費者が安さを追い求め始めると、値下げ競争が始まって「うちなら、もっと安くできますよ」が口癖になり、そのしわ寄せが労働者に向き、給与が下がっていく。
そのうち、儲からなくなって会社が消え、そこの労働者も消える。
労働者が消えれば、お金を使う人も消えるので、その人の購買を期待していた企業も消えていく。

ここにいたらダメだと思うと、他の国に活路を見出そうとする。
密入国ブローカーを利用してメキシコ国境からアメリカへ?

いや、むしろ世界の工場になっていくインドに逃げ、前と同じことをするという手もあるわけだ。
この人口流出は、どんな未来を見せてくれるだろうか。

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中国の場合、農村戸籍都市戸籍がある。
農業で稼げなくなり、都市へと出稼ぎに行っていた場合、海外に渡るだけの費用もなさそうなので、都市部で暇な人になるかしかない。
これは治安悪化要因になりえるね……。

でもって、人口流出で農村部が荒廃して作物が作れなくなったら、億単位の食糧輸入国になるわけだけど、今さら戻って畑をやれと言っても、一人っ子政策の跡取りがやれるのかって。

そういう視点で見ても、他国を潰すには安い食料をバラまき、その国の生産者を食えなくするのが手っ取り早いよね。
ほら、農業従事者が食えなくなったら、都市部に働きに出るしかない。
その都市部で仕事にありつけないと、暇な人が……。