メモ書き

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アダニ・ショックとモディ外し

アダニショック、市場揺らす
不正指摘で公募増資撤回 投資家、インド株離れも

www.nikkei.com


新興財閥の不正会計疑惑で、株価急落。
そのニュースを今になって振り返るメモ。

雑にチェックしています。

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7日のインド株式市場で、新興財閥アダニ・グループ傘下の上場企業10社のうち、8銘柄が上昇。
<中略>
7日にはアダニ・ポーツ・アンド・スペシャル・エコノミック・ゾーンとアダニ・グリーン・エナジー、アムブジャ・セメント、ニューデリー・テレビジョンの4社が決算を発表する。
<中略>
グループ中核企業のアダニ・エンタープライゼスの株価は7日、一時20%高と、2020年8月以来の上昇率となった。
アダニ銘柄の大半上昇、エンタープライゼス株は一時20%高-決算控え

www.bloomberg.co.jp


日系の記事は2月3日、上の記事は2月7日。

どんな銘柄があるのかと思い、チラッと見てみた感じでも多ジャンルなのがわかる。

日本で確認しやすいインド関連銘柄としては、「1678 NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信」があるので、そのもとになっている「Nifty 50 (NSEI)」をチェック。

Adani Enterprises
Adani Ports & SEZ

jp.investing.com

取り敢えず、2銘柄は確認できました。リストの上にあったので。

「1678」の値動きは、この半年では11月8日の295円が最高値。
2月3日の248円が最安値。2月21日は261円。
5年単位で見ると、上昇して踊り場にいる感じ。

調査の開始が7日なので、「大きな動き」にならずに「様子見」が多いのかな?

moneyworld.jp

なんか、買い場を作った気がしないでもない……。
これから大きくなる市場を安く買い占めるための。

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「新しい市場」として受け入れられるには、それ相応の透明性が必要になります。
コペンハーゲン基準みたいな感じに。

コペンハーゲン基準は、(i)民主主義、法治、人権、少数者の尊重及び保護を保証する制度の安定性、(ii)EU内の競争圧力と市場力に対応する能力と同時に、機能する市場経済の存在、(iii)経済金融連合(EMU)と政治的統一化の支持を含む加盟国の義務を果たす能力、を要求している。

www.e-stat.go.jp

「世界の工場」を中国からインドに引っ越すにしても、ウイグル問題と似たようなことをやっていたり、適当な会計状況で投資を呼び掛けていたりすれば、後々になって問題は大きくなっていく……。

脱中国する理由があり、インドを代替え地とする理由があっても。
人口ボーナスと人口オーナスの巡り合わせの中で、安い人件費と土地を得る。

結局、西欧のそれは安い人件費を他人種に求める植民地的発想から抜け切れていないのかもしれない……って書くとアレだけど、どこかで大量生産しないと人類は「安い工業製品」という恩恵は受けられないのでしょう。
もっとオートメーション化が進まない限り。

おそらく、その安い人件費を求める最後の機会が、このインド投資。
その先はマシーンという労働力に代わるので、大きな工場と多くの人という構図はラストかなと。

そういう意味では、似たような人口ボーナスによる「アフリカの時代」は来ない。
世界の工場の移転が、順調に進めばね。


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一方で、モディ首相にとって“好ましくない報道”もされ始めた。

ドキュメンタリーは、2002年に西部グジャラート州で発生した宗教暴動とモディ首相の関係を取り上げたもの。イスラム教徒を中心に計1000人以上が死亡した暴動が起きた当時、モディ氏がグジャラートの州首相だった。

www.bbc.com

どうして、このタイミングなのかわからないけど、勘ぐりたくなるよね。

アダニ・グループ創設者のゴータム・アダニ会長は、ナレンドラ・モディ首相と同じ西部グジャラート州の出身で、モディ氏がグジャラート州首相だったころから20年以上にわたって、密接な関係を築いているとされている。今回の同グループの不正疑惑を受け、インド野党からはモディ首相への非難が強まっている。

www.jetro.go.jp

政治的な動きとしての「モディ外し」というか「モディ降ろし」的な?

こういうとき、マハトマ・ガンディーの「塩の行進」みたいなエピソードがあれば、聖人的なイメージ作りもしやすいんでしょうけど。
第一次世界大戦中のイギリスに協力するために徴兵募集活動をしていたことなんか、報じられなくなるくらいに。

ガーンディーの身体とチャウリー・チャウラーの暴動
―第一次非協力運動停止の背後にあった性欲統制の失敗―

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ぶっちゃけね、クリーンな投資とか、人権がどうのとか言ってると、負けるんだよね。
一部の地域じゃ。

賄賂文化が根強い地域だと、袖の下がすべて……。
例えば、酒を飲んじゃいけない国に酒を持っていっても、賄賂次第でスルー。貰えると思っていた賄賂が来ないと、嫌がらせのように勾留。そんなもんじゃないの。

そういう相手との交渉は、中国の方が“相性”が良いでしょう。