フランスのドキュメンタリー番組の感想です。
端的に言えば、WHO物語。
世界的な健康を実現するべく発足し、絶頂期を迎え、停滞期に入り、今は混迷している……。
そんな歴史的な流れを見たような気がします。
ぼんやり見ているので、多分に抜け落ちた情報はあるかもしれませんが……。
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発足から絶頂期として位置づけて良さそうなのは、天然痘の撲滅まで。
大国間の思惑とかありましたが、このころがピーク。
その後、エイズ辺りから問題点が目につくようになり、エボラ出血熱では長いことスルー……。
結局のところ、お金の問題。
番組曰はく、予算はフランスの都市病院より少ない。
少ないもんだから、巨額の寄付を行う大国が影響力をもつ。
国際協調路線であれば、アメリカも「どうぞ、どうぞ」と出してくれる。
ところが、レーガン辺りで「寄付しない」ことが交渉カードとなり、微妙な組織へとなっていく……。
でもって、お金は紐付きで渡せるので、「ポリオに使ってください」と言われて渡されたものは、ポリオ以外には使えない。
寄付上位にいる「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」がポリオといえば、他に使いたくてもポリオが優先。
まぁ、その寄付でポリオを撲滅できれば、功績としてアピールもできるので、そういうのがしやすいところに目が行くのも無理はない。
というか、寄付すらしてないのに、人に使い方に文句は言えないでしょう。
そんな状態で巻き起こったのがSARS。
そのときの事務局長ブルントラント氏にアレコレ言われた中国は、面白くなかったに違いない。
だから、自分らの息のかかった自分をトップにしようと動き始めるわけです。
2007年からは、香港のマーガレット・チャン。
そして、2017年からは医師免許を持っていないテドロス・アダノム。
インフラ整備で支援しているアフリカ諸国を味方につけ、彼らの票で国際機関で地位固め。
中国が着々と国際機関のトップに中国系を押しやっている頃、アメリカは自国ファースト主義で、国際社会からは距離を置く……。
これはWHOの問題なのか、世界のありようの問題なのか。
といった内容。
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ちなみに、テドロス氏はムガペをWHOの親善大使にしようとしたり、エチオピアで発生したコレラを下痢と言って認めなかったり……。
なんというか、最初から問題ありありの人だったわけですよ。
とはいえ、病院の数を増やしたとか、そういう功績もあるらしい。
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お金がかかる割にリターンが見込めないから、国際協調を辞めたら別の問題が発生。
これって、保険をやめたら、病気になったみたいな、そういう感じがしてくる。
感想としては、そんなところ。
でもって、票を集めやすそうな国々を札束で懐柔し、国際社会で幅を利かせていく……。
これが現代の拡大戦略なんだろうなと。
日本はODAとかしてるけど、相手からすれば「返さなくていい金が来た」くらいなんだろうな。
う~ん、頭がボーッとして、言葉が出づらい。
最近は、少し外に出ただけでも鼻水がひどいし、目もかゆくて堪らない。