映像作品の感想です。
タイトル通り、イエス・キリストの話。
その生涯を彼に関わった人の目線で描いていく、そんな流れとなっています。
各話のメインとなる関わった人物は、各話のタイトルに表記されているので、その人物を知りたいだけという人は、そこだけ見るのもアリかも。
そんな需要があるかは知りませんが……。
なお、主要関係者は次の人たちになります。
奇跡の子の養父ヨセフ
イエスの先駆け 洗礼者ヨハネ
マリア 最初の奇跡
ユダヤ教大祭司(カイアファ)との対立
ユダ 裏切りの理由
総督ピラト 死刑の宣告
目撃者 マグダラのマリア
弟子ペテロとイエス
カイアファだけタイトル入りしてないので、( )づけしました。
* * *
感想を一言で書くと、見づらい。
私には不向きな構成でした。
ドラマとして表現されているのを期待して見始めたので、途中で解説者のコメントが入るのは、集中が途切れてしまってダメでしたね。
そりゃ、「〇〇派では、こう考えられている」「ローマで受け入れやすくするため、××をこう描いた」なんて注釈があれば、理解は深まるかもしれません。
でも、物語の途中に差し込まれるので、そこで感情の流れがブチっと切れてしまうんですよ。
なので、できれば物語を通しで見せた後、解説コーナー的に「あのシーンのアレは、解釈が分かれていまして……」とか言われた方が、個人的には入っていきやすかった。
そんなところ。
まぁ、キリスト教をよく知っている人がメインターゲットなら、それでいいんでしょうね。
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見づらかったので、何度となく中断しましたが、ようやく最後まで行きました。
最後まで見ようと思ったのは、映像が良かったから。
当時の暮らし、街並みといったものが再現されている……かは知りませんが、なんか興味深いものがありました。
逆に、興味が削がれるのは解説。
理由は先にあげた挿入タイミングのほかに、内容も……。
解説に出てくる人たちはキリスト教の研究者、あるいは聖職者の類の方々なので、基本的に信者なんですよ。
信者目線で語られても、方向性としては同質。
アンチ信者と言っていいかはわかりませんが、疑ってかかる人たちの意見もあれば、より深いものになったかも。
例えば、イエスはヨハネに洗礼を受けているわけですが、このヨハネの手法をパクった説とか……。
マグダラのマリアは、イエスに逢うまで多重人格的に“自分の中に悪魔が入って云々”だったので、精神的な病気を患っていたのではないか……。
だとしたら、彼女の幻覚症状が復活の目撃という「奇跡」に繋がって……みたいなことを言いだしたら、袋叩きになりそうですね。
まぁ、何というか、そういう意見も紹介し、反論していくような展開だと、より深みが増した解説になったかもという感想です。
「当時の社会では、磔刑は珍しくない」「墓荒らしも日常茶飯事」「女性の名称の前に、マグダラといった地名がつくのは珍しい」みたいな注釈は、それはそれで良いんですけどね。
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「鶏が鳴くまでに、3度 私を否定する」
その調子で、未来で起こる宗教原因の揉め事にも、コメントしておいてほしかった。