上記の一報は、ツイッターのトレンドで知りました。
ぶっちゃけ、私は日本学術会議をよく知らないので、「みんな、よく知ってるなぁ」と思った次第。
ほら、トレンド入りするのって、知名度のある単語じゃないですか。
基本、耳慣れた単語。つまりは、よく知ってること。
有名人、有名な団体、ニュース内にある文字列……。
そう、拡散されたニュース内にある文字列も、よくトレンドに入る。
ただ、トレンドを追ってみたら、日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」が出てきて、「うちのスクープだ」という感じ。
今日の「赤旗」が1面トップでスクープ。日本学術会議の新会員について、同会議が推薦した会員候補のうち、数人を菅首相が任命しなかった。安保法制や共謀罪を批判してきた人が含まれる。推薦者が任命されなかったケースは過去にない。学術会議の自主性、学問の自由への乱暴な介入は許されない。
トレンドにある意見も、この内容をなぞる感じのが多かったですね。
で、日本学術会議を知らない私は、ちょっと検索してみました。
よく使われているのが『学者の国会』という解説。
一方で、学術会議の新会員は学術会議の中で決められ、会員でない大多数の学者は全く関与できないという意見も……。
公式サイトの解説は、次の通り。
日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、昭和24年(1949年)1月、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されました。
引用元:
「内閣総理大臣の所轄」なのに、「政府から独立して」って、なんか難しくない?
そんな仕組みで独立できるのかっていう……。
内閣府の特別の機関の一つなので、ドメインを取得しているのも政府。
Whois情報では、組織名は日本学術会議事務局、組織種別は官庁、部署は学術部情報国際課、肩書は事務官で、池田 真悟となっていました。
役割は4つ。
- 政府に対する政策提言
- 国際的な活動
- 科学者間ネットワークの構築
- 科学の役割についての世論啓発
そう言われてもピンときませんね。
『第24期学術の大型研究計画に関するマスタープラン』でも見た方が、把握できるでしょうか。
でも、何をやっているかが話題になっているのではなく、誰が任命されなかったのか、なぜ任命されなかったのか……。
やっとトレンドに「日本学術会議」と「加藤陽子」が。
タグ、学会関係者のみなさんが使ってるこれ一本にまとめたほうがいいみたい。
任命されなかった人物で、最初に知ったのがトレンド入りした上の人でした。
検索してWikipediaを見たら、「日本民主青年同盟」の文字があったんですが、今は消えていますね……。
下記リンク先のようなサイトを使えば、更新履歴をさかのぼって見れますけども。
Internet Archive: Wayback Machine
「共産」の二文字に関連する団体らしいです。
まぁ、それなら「しんぶん赤旗」が最初に取り上げるのも、納得。
任命されなかった人の中には、赤旗でインタビューに答えている人も少なくないとか……。
* * *
それは、それとして。
論点となったのは、「任命しない」は法に反しているかという点。
→「日本学術会議法」
これに書いているそうです。
そのうち、気が向いたら読んでみましょうか。
* * *
もうひとつの論点が、任命しなかった理由です。
人事の理由……。
これこれこうだから、任命しなかった。
そう説明されれば、納得しやすいのは確か。
とはいえ、一度でも答えてしまえば、「あの人事の理由は答えたのだから」と、他の人事に関する理由も求められるかもしれない。
そう考えると、なかなかに厄介ですね。
最近までやってた人気ドラマの影響で、報復人事が脳裏をよぎる人も多いでしょうが、「誰にするか」って非常に面倒な話ですよね。
これでもし、任命しなかった理由が「中国との関わり」みたいなものだったら、言った瞬間に外交面での問題を抱える羽目に……。
日本学術会議が軍事研究NGを言いながら、中国からの学者を受け入れ、その学者が向こうで使う分には構わないみたいな流れを危惧する人も見かけました。
同時に、軍事研究NGにするから、海外から高い金で武器を買う羽目になり、それで「無駄金」と騒いでいるという批判も目にしました。
* * *
そんな日本学術会議なので、朝日新聞系のAERAに、下記のように書かれるとは思いませんでした。
学術会議は「左翼の集まり」という見方は政府のみならず、大学教員からもあがっていた。東京教育大、筑波大で学長を務めた三輪知雄氏はこう言い切っている。
左翼の集まり……。
産経や読売なら驚きませんが、AERAがこういう書き方をしてくるとは。
* * *
政府が明らかにおかしなことをしているとき、多くの人が声をあげれば、それを止めることができる。
私たちは既にそのことを知っています。なぜなら、言葉の上だけではなく、実際にその「共通の経験」があるからです。
政府の #日本学術会議への人事介入に抗議する。そして、これをやめさせましょう。
学問の自由に対する国家権力の介入であり、到底看過できるものではありません。学問の自由は社会の発展・人類の進歩のために不可欠です。これまでの解釈を変更した理由や任命拒否の手続きや理由を説明すべきです。強く抗議をします。
いつの間にか、トレンドの言葉は「日本学術会議への人事介入に抗議する」に統一されていました。
北朝鮮のマスゲームのように、一気にサッと。
* * *
と、初動は組織だった動きみたいなものがありました。
その後、そういう組織だってない意見も見始めたので、ぼんやりと眺めていました。
「自分と同じ意見の人だけで固めると、選択肢を狭めることになる」
「まるで中国だ」
「トランプみたい」
「総理大臣の任命権は形式的なものに過ぎない、という政府の鉄板の国会答弁と明確に矛盾するのではないか」
色々と見ていると、中国に対抗するためには、同じようにするしかないのかなと。
民主主義の限界のようなものすら、感じてしまいそうに……。
様々な意見がある強みって、本当にあるんだろうか?
それって、「なかなか決められない」を強め、「何も変わらない」に繋がってはいないか?
だからといって、どちらかを徹底的に排除するというのは違う気がする。
考えているのは、一方向に進むときには、もう片方には「お休みいただく」というもの。
人は、前に進みながら、同時に後ろには進めない。
進めるのは一方向だけ。
それなら、振り子のように揺れながら、「あの辺が、ちょうど良かったね」と言える地点を探す。
そっちの方が、目指すべきシステムではないか……。
* * *
双方に配慮し、中立を心掛けるのは難しい。
自分の意見があればこそ、難しいと思う。
中立になるには、自分の意見の喪失と、利益を手放さないとダメだろう。
容易く中立を装う方法は、無関心しかない。
ってなことを考えながら、書きました。
特にオチもなく、役にも立たない文章ですね。いつものことですけど。