そういう情報があったので、原住民がいるところに、エルナン・コルテスでも来るのかなと思って視聴。
で、思うわけです。
「こりゃ、違うな」と。
そんな感想になります。
以下、ネタバレ含みます。
* * *
一言で言えば、グロいアクション映画です。
何というか、「襲われて捕まったけど、逃げ出して家族のもとに戻った」というだけ。
襲撃アクション、逃亡アクション……。
武器が原始的なだけで、持っているのを銃に置き換えたら、よくある流れですね。
始まりは、狩猟生活をしている集団の描写から。
先祖代々、同じことをして暮らしてきた人々がいて、自分たちの森に罠を仕掛け、野生動物を協力して仕留め、それを分かちあっているわけです。
そんな彼らが出くわしたのは、同じような格好をした海の民。
魚を持っていたので、たぶん、そう。
で、彼らは「逃げてきた」と言うのです。
この辺が、伏線。
* * *
森の民は、自分たちの集落に戻り、それぞれの家庭に帰っていく。
そこへ、襲撃者。
襲撃者と言っても、銃を持った西洋人ではなく、彼らと同じような人々です。
彼らは、マヤ文明と聞いて思い浮かべるであろうピラミッドがある地域の人たち。
森の民も反抗しますが、ボコボコにされて拘束。
殺害、凌辱、めちゃくちゃに……。
主人公の家族だけ、深い穴の中に隠れるのですが、穴から出るためのロープは切断されてしまう……
「あぁ、どうなるんだろう?」って感じには、なりませんでした。
* * *
捕らえられた森の民は、ピラミッドがある地域に連れていかれ、そこで女性は奴隷としてオークションに。
男性は生贄として、祭壇まで連れていかれます。
心臓を抜き取り、天に捧げる的な儀式ですね。
グロさ的には、この辺がキツいかな?
主人公がハートキャッチされる番になり、「まさか、主人公なのに……」という空気を出しますが、急に展開がスローになって、皆既日食。
祈りは天に届いた。
生贄の儀式、終了。
主人公、生存。
* * *
王に「生贄は殺せ」と言われたので、逃がすフリをして、後ろから射て楽しむ流れに。
誰もが予想する通り、主人公だけ逃げてしまうという……。
その際、主人公がボスの息子を殺すものだから、ムキになって追っかけてくるわけですよ。
あとは、山あり谷あり、滝に飛び込み、ジャガーに追われるというアクション三昧。
大蛇まで出てきます。
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何だかんだで自分の森に到達した主人公は、ランボー無双を開始。
蜂の巣を使い、カエルの毒を使い、冒頭の獣用の罠を使い……。
この敵を各個撃破していく爽快感が、おそらくは一番の見どころ。
残り2人となり、海辺で決戦かと思いきや、「なんか、デカい船がきちゃってるよ」で戦闘終了。
西洋の船に近づいていく敵2人。
逆に離れる主人公。
もう映画の残り時間は ありません。
穴の中にいる家族を救い出し、冒頭の海の民同様、「新しく始める」と、森へと入っていって終了。
* * *
こうして改めて思い返してみると、文献もロクにない原住民視点で描くと、こんな感じなのかなと……。
わかってるのは、ピラミッド付近で行われていた儀式とか、そういった西洋の文献に記述がありそうなものだけだもの。
西洋人の出番を増やすと、どうしても彼らがメインになってしまう……。
で、既存の作品と内容が似てくるでしょう。
となれば、出番も あの程度になるんでしょう。
それより、穴に逃がした後に雨が降り、水が溜まっていくというのは、なかなかのアイデアだったと思います。
シンプルでわかりやすく、時代的にもマッチしている……。
まぁ、あまり効果的に危機感を演出できていなかった気はするけど。
構成としても、海の民との遭遇、途中で出てくる感染症の子どもの予言など、凝っている感じはありますが、なんか退屈。
ピラミッド地域の人々を主人公にして、西洋人にどう対処するか、フィクション全開で挑んだ方が、個人的には好みだったかも。
その場合、アクションは減るでしょうね。
ということで、野性味あふれるアクション映画を見たい人は、どうぞ。