この時期になると、当たり前のように第二次世界大戦の話をし、同じような内容の番組を放送し、同じようなイベントが行われ、同じようなことを言う……。
それって、意味あるの?
タブーとされがちだけど、敢えて切り込むなら、そうなる。
こういう言い方をすると、「お前は平和が大事じゃないのかよ」と言う人が出てくるでしょう。
私が「大事じゃない」とは一言も言っていなくても、【自分の行為は平和そのもので、それを否定する者は敵だ】という認識なら、そうなるという推測の話。
で、実際のところ、誰も検証していないわけ。効果の有無を。
そういうのをやるべきだっていう社会通念があって、他国の反応も……あるかぁ?
どっかの報道機関が“敏感な海外勢”を焚きつけなければ、スルーして終わりじゃないの?
平和への祈りにしても、祈りだけで何とかなるなら、チベットは中国に侵略されていないでしょう。
だから、軍備が必要だという話になるし、それによって“侵略しにくい国”としての側面を持ち、結果として平和に繋がっている面もある。
それを無視して、在日米軍に出て行けと言ったり、自衛隊を否定したりして、その理由が平和っていう活動家たちの言う平和は、誰のための何の平和なのか。
侵略したい どっかの国のために、日本を侵略しやすくする効果を狙ってのものかと邪推したくなる。
まぁ、そういう国から金をもらっているから、スパイ防止法は反対だし、どっかの友好議員連盟に入ってて、向こうの大使館にお呼ばれされたらウキウキして出かけていく……以下略。
こういうのって、外交手段としては普通だからね。
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ぶっちゃけ、戦後の談話なんか話したところで、というか記念式典で首相がどうだったかとか、その辺に意識が向くかい?
仮に首相が企業の経営者だとしたら、株主から「何の稼ぎにもならなそうなものにリソースを割くな」と言われそうなもの。
例えが悪いので、「首相は企業の経営者じゃないから」というベタな反論が想定できるけど、他に注力してもらった方がいいだろという話。
やる気のある無能は仕事をさせない方が良いというケースを考えない場合ね。
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それでも、長年にわたって形成された“お盆”の空気感というやつが、この「戦後カウント」をやめられないものにしているのでしょう。
やめたらやめたで、反省していないだの、軽視しているだの言われる。
それを恐れて続けた先に待つのは「誰も生まれていなかった時代の戦争を振り返る」だ。
少なくとも、あと20年もすれば「あの戦争があったとき、私は5歳で……」とかが、唯一の生き証人のインタビューになっている可能性がある。
戦争の経験を語り継ぐにしても、時間の経過とともに記憶が不確かになり、あとから入ってきた情報によって、誰かの思想が混じった誇張された語りになっても不思議はない。
特に子供の頃の記憶など、映画とごっちゃになっている可能性もあるし、誤認識で事実と異なることを話していたら、自分でそれを信じ込んでしまう脳のバグもあるでしょう。
つまりは、ソースとしての信憑性が薄れる側面があるってこと。
一方で、戦争の経験を語ってもらうには、最適な人々が海外にいる。
リアルタイムで経験している人たちだ。なぜ、彼らではいけないのか?
日本の戦争じゃないとダメなのか? 平和の尊さを語るなら、国は関係ないのでは?
と書いたところで、同じ言語の同じ民族だから届きやすいとか、じゃないと意義がないとか、そんな言葉が想像できる。
でもって、語り部としての需要というか、生業にしている人の存在もあるか。
何なら、平和教育をエサに、学びに来た人に自分の思想を植え付けようとする……という人もいると聞く。
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じゃ、どうすればいいのか?
まず、祈りはコストパフォーマンスが悪いから、祈るくらいなら行動をした方がいい。
平和を維持したいのであれば、どんな被害があったのかを繰り返すのではなく、なぜ戦いが始まったのかに焦点を当てないといけないし、いかにして終わったのかも注目すべきだろう。
ということで、他国の侵略を振り返る番組を放送する。
侵略国から文句を言われるだろうし、取材拒否の原因になるだろうけど、報道機関ってそういうもんでしょ?
文句を言わないで自由な物言いを保証している国内の役人とか政治家ばかり批判していても仕方ない。
それじゃ、存在意義がないってもんでしょう。
実際、もう無い感じだけど。
“自分らが悪い”という不都合な事実がSNSで拡散されると、SNSが悪い論を展開するだけで、何が問題なのかを論じない。とにかく、炎上したらSNSが悪いに終始する。
戦時中は戦争を煽っていた側だけに、相変わらず知る権利に答えずに、自分らのために仕事をしている。
情報の受け手を洗脳し、自分らの都合の感じに……。
そんな新聞に煽られた戦中組が、今も新聞やテレビを信じ切っている姿には、人は学ばないのだと悲しくなる。
見るなとは言わないけど、情報は疑ってみてくれよと、使ったこともないネットを危険に呼ばわりする老人を見て思う。
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侵略国を知るのは、ウイルスを防ぐためにウイルスを研究するようなもの。
問題を分析しないと、防ぎようがない。
世の中には軍事研究は潰す系の人もいるけど、相手の軍事を研究するには、それが必要だと知らないんだろうか。
武器も持たずに「平和」を唱えていれば平和になると? それって、何も考えていないだけ。
軍事利用がどうの言うなら、小便だって火薬の原料にできなくもない。
人間の排泄も規制するの?
デュアルユース技術?
ゲーム機のコントローラーで戦ってる時代に何言ってんの?
平和を尊ぶなら、侵略してる国に行って叫んで来いよ。
言論の自由がある日本で叫ぶのはダサい。
叫ぶ必要がないんだもの。
ってなことを思ったというメモ。