‘認知’とは、その人自身の物事の捉え方や考え方を意味します。いつも自分を精神的に追い詰めてしまったり、些細なことで落ち込んだり、すぐに悪い方向に考えてしんどくなったりしてしまう考え方のパターンのことを心理学用語で「認知の歪み(ゆがみ)」といいます。
https://www.kawata-cl.jp/mentalcare/html/information.cgi
認知行動療法を提唱したアメリカの精神科医アーロン・ベックが、10パターンを挙げて……云々。
1.全か無か思想
「科学では解明できない占いがあるッ!」
……と、ろくに科学を学んでないのに言う。
また、科学的なアプローチを知らない。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00AYRWB60/
2.一般化しすぎ
「今日の星座占いが当たった。明日も当たるッ!」
確率は収束する……。
サイコロを振って、6が出た。それを占いで当てられる確率は1/6。
6回に1回は当たるケースにおいて、最初の1回が来ただけで騒ぐ?
3.心のフィルター
「私がハッピーじゃないのは、本物の占い師に会えていないせいだッ! だから、めぐり合うまで探し続ける」
無駄な浪費するから、ハッピーじゃない説。
4.マイナス化思考
「うまくいかないのは、私の信仰心が足りないから。うまくいったのは、占いを信じたから」
信じ続けて失敗してるなら、そういうことだよ。
5.結論の飛躍
「これは、悪い霊の仕業に違いない」
まず、存在を証明してからだよね。
6.拡大解釈・過小評価
これは「マイナス化思考」と……。
7.感情的決めつけ
「あなたの占いに対する言葉に、傷つけられましたッ! 謝罪してください」
怒鳴られた側の方が傷つくよね。ただ、説明しただけなのに。
8.すべき思考
「あなたは除霊すべき。あの人に見てもらうべき」
もはや脅迫。
9.レッテル貼り
「あなたの顔、〇〇の相! クズに違いないっ!」
ケガをしたから、変わったんだけど……。
10.個人化
これも、マイナス化思考じゃない?
* * *
「あの人は本物」
「私欲で占っちゃいけないの」
いろんな設定があるけど、実際に「力」として存在するなら、人類に貢献した歴史でも出てくるでしょう。
後世の人が誇張した伝説以外に……。
それがないなら そういうことだし、「世に、大きな影響を及ぼしたら云々」言うなら、その設定時点で役に立たないって話。
特定の環境下で、人はこう行動するという心理実験のようなもの。そんな環境が自然発生しないなら、研究したところで役には立たない。実生活とは無縁だもの。
まぁ、百歩譲って影響を及ぼせるとしたら、権力者がオカルトを信仰してしまい、操れるようになった場合。
* * *
「占いを信じる」
その動機の底にあるのは、「自分で判断したくない」という怠惰さ。
あるいは「誰かと話したい」とか「聞いてもらいたい」というカウンセリング願望。
そして、金と時間をかけたものに価値があると思い込むサンクコスト的感情。
たぶん、それだけ。
そういう意味では、朝のテレビで占いコーナーがあるのは、よくない習慣を身に着ける危険性を高めている気がしないでもない。
言うなれば、オカルトブームとオウムみたいなもの。
同じ論点でいくなら、フィクションにおけるオカルトも、取り扱い注意な断り書きのひとつも、そのうち必要になるかもね。
* * *
認知が歪むと、自分の都合に合わせて、現実を見てしまう。
「兵器が無ければ、平和になる」という信念を持った人が、兵器によって侵略を防ぐと、現状を正しく認識できずに、「兵器が無ければ、そもそも侵略は……」とか言い出す。
そこで「じゃ、チベットは?」といった事例を出すと、今度は侵攻した側の言い分を丸呑みして、「問題ない」というトンデモ見解を出してしまう。
物事には良い面も悪い面もある。
包丁で人を刺せるけど、本来は料理で使う。その順番さえ、認知が歪むと変になる。
認知が歪んでしまうと、見えている世界が違うから、いくら言葉を重ねても分かり合えない可能性が高い。
いや、そもそも会話にはセンスが要るし、理解し合うには関係の構築が重要。言葉は万能じゃないし、祖語は生まれるもの。
認知が歪んでなくても難しいのに、歪んでしまった相手と対話するのは厳しすぎる。
だからそう、なるべく関わらない方がベターなことがある。
歪みに触れるほど、頑なになるから、そっとしておいて、いつでも認知を戻せるように、道を用意しておいた方がいい。
と思ったというメモ。
* * *
「でも、あの人のことが知りたいの!」
相手のことが知りたかったら、興信所にでも頼めばいい。