高村 薫の同名小説をドラマ化したものの感想です。
原作者の小説は、前にチラ見した記憶がありますが、文体が硬い印象を持ったような……。
当時は読みやすいものを求めていたので、それでスルーしました。
とはいえ、タイトルは知っていましたし、少し興味があったので、ドラマならと見てみることに。
WOWOWのドラマを続けて見ていたら、オススメに出てきたことが大きいんですけどね。
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作品紹介に「グリコ・森永事件」から着想を得たとある通り、異物混入&社長誘拐のセット技。
未解決事件という点まで……以下略。
てか、調べたら、随分となぞってるのね。あの事件を。
被差別部落、テープ(本作ではCR-R)、アベック襲撃、株価操作、焼身自殺、無線……。
グリコ・森永事件を調べれば、あらすじがわかるという……。
言い換えれば、実際にあった事件を創作物にすれば、こうなるとも言えますね。
それゆえ、ノンフィクション寄りなストーリー展開になり、「事件発生」→「解決してハッピーエンド」という定番展開は遥か彼方。
気持ち的にはスッキリしないまま、いろんな問題が浮かび上がって終わる。そんな印象ですね。
まぁ、登場人物が多いし、犯人も多いので、捕まえきれないのは、目に見えていますよね。
その過程を丁寧に全部を描くほど、尺が無いもの。
「こりゃ、解決しないんだろうな」
そう思いつつも、犯人側に感情移入して「どうなるんだう?」と思ってみたり、誘拐された社長目線でアレコレ気にかけたり……。
何だかんだで、次が気になる構成だったと思います。
嫌な見方をすれば、完全犯罪マニュアル・ドラマ。
事件もの幕の内弁当。色々と詰まっています。
なんか、わかりづらないぁ~という人は、軽めの人物相関図とか書くと楽しいかも。
ビール会社の社長を中心に書くと、多すぎる登場人物でさえ、「六次の隔たり」ですべて繋がりそうなんで。
六次の隔たり
世界中の人間は、「知り合いの知り合い」といった関係をたどっていくと、5人の仲介者を経て、6人目でつながるという考え。
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と、ここまでは率直な感想。
以降は、視点を変えた感想です。
「ロクな女が出てこない」
兄貴の部下&旦那の同僚と不倫する女
自殺を繰り返す重度のメンヘラ
ベッドを燃やすレディ
結婚相手の戸籍を調べなかったと親をなじる娘
妻のいる上司を慕い続けて、退職日に休む秘書
本人に罪はないとか、仕方がない状況とか、擁護ポイントもありますが、女というジョーカーの引き合い。
ジョーカーを手放せば、金が手に入るシステム。
嘘、嘘。
トラック運転手がダンボールを開け、運ぶシーンを見て、そう思えただけ。
原作では、どう描写してるんだろう?
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あと、BGM。
ガンダムUCの起動シーンで流れていた曲に似たのが、盛り上がる一歩手前で終わるのが気になりました。