メモ書き

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ブスが美人と一緒にいる理由

「ブスとか、美人とか、人を容姿で判断するのは云々……」

と言いたい人もいるでしょうが、容姿に優劣があるのは事実なので、劣る側をブスと呼称し、恵まれている側を美人とします。

タイトルの結論を先に言えば、ブスが美人と一緒にいる理由は、美人に寄ってきた男を食うためでした。

過去形なのは、学生時代の実体験を書いているからです。

ブスは、美人と一緒にいました。
接点が薄そうな二人を結び付けたのは、共通の趣味だったと記憶しています。

一方で、彼女たちと同じ趣味を持つグループは他にもいて、どちらかと言うと異性受けしないタイプが多かったです。
こちらのグループにも、ブスは顔を出しましたが、美人は接触しませんでした。

彼女たちの中で、最初に彼氏ができたのはブスです。
美人に惹かれて寄ってきた男たちに声をかけ、その中にいた気が弱そうなのをゲットしていました。
もしかしたら、私が知らないだけで、他の子が付き合っていた可能性もあるでしょう。
ただまぁ、そういう話が好きな知人によれば、ブスだったらしいのです。

でも、互いに惹かれあったのなら、いいじゃない?
それを、「美人に寄ってきた男を食うため」だなんて……

そんな声も聞こえてきそうですが、その男たちの中に美人を誘導したのはブスで、がめつさが半端なかったので、こんな風に書いています。
どのくらい半端なかったのかと言うと、思い出したくないくらい。なので、書きません。思い出したくないので……。

これと似たようなことは、イケメンと冴えない男にも見られました。
イケメンに、二人の女性が寄ってきたとします。

すると、冴えない男は自分が好みの方を「あの子、かわいいよね」と言います。
先に言ったもん勝ちです。
「好みだから、協力しろよ」というプレッシャーが、人が良いイケメンにかかりました。
イケメンも同じ子が好みだったのに、なんだか引いた感じに……。

こうして、冴えない男は好みの子と付き合いました。
イケメンが、好みの子を自分のもとに誘導してくれたことで。

なんで、こんなことを書いたのかと言いますと、「おとり効果」の話を読んだ際に、思い出してしまったからです。
たぶん、耳にしたことがある人も多いでしょう。以下の内容の話です。


エコノミストの広告》
・ウェブ版の購読 59USドル
・印刷版の購読 125USドル
・印刷版とウェブ版のセット購読 125USドル

という広告がありました。
見ればわかりますが、印刷版だけを選ぶ理由はありません。セットの方がお得だからです。
問題は、2番目の選択肢があることで起きる意思決定の違いになります。

この広告をマサチューセッツ工科大学 スローン経営大学院の院生100人に選ばせたところ、
・ウェブ版の購読 16人
・印刷版の購読 0人
・印刷版とウェブ版のセット購読 84人

という結果になりました。
次に、選択肢を減らして、

・ウェブ版の購読 59USドル
・印刷版とウェブ版のセット購読 125USドル

にしたところ、

・ウェブ版の購読 68人
・印刷版とウェブ版のセット購読 32人

という結果に。
誰も選ばなかった選択肢が消えたことで、セット購読者が減り、ウェブ版のみが増えたのです。
これは、他と比べて“お得”と感じる相対性が働いていると言われています。

松竹梅に分かれていると、竹を選びやすいとか、そういう話です。

これを見て、「ブスが美人と一緒にいる理由」を思い出してしまったのは、そこに合コンをするなら「自分に似ていて、少し容姿が劣る人」がいれば、相対性が働いて有利になるとあったから。

それでは、容姿に優れないものは、容姿に優れたものの引き立て役にしかなれない。
故に、自分よりも劣るのを探し求める戦略のみ。

ここで「いや、待てよ」と思ったのです。

容姿が劣るからと、自分より劣るメンツを揃えたら、寄ってくる獲物も減るんじゃないのかと。
あの異性受けしないグループを思い出し、あそこに美人が一人いれば、彼女たちの交際経験も変わったかもしれない。
目玉商品ひとつで、パッとしなかったショップが認知され、他の商品も売れていくように、ブスには美人を利用する戦術もあるだろう。

そんな風に思い、こんなことを書いたのです。

まぁ、異性受けしないグループに関して言えば、別に異性との付き合いなんて、望んでいる感じじゃなかったんだけどね。