『でも、日本よりはマシ』
他国の悪い点を指摘する文章に対し、そうコメントしている人をたまに見かける。
何をもってして「日本よりはマシ」なのか、その根拠は語られていないので、おそらくは条件反射的に書いているのでしょう。
例えば、中国の景気悪化に対して日本よりはマシと書いたとして、日本人が目にしやすい中国だけを切り取って比較している時点で、だいぶ的外れなのだ。
「中国では6億人の月収が千元(1万5000円)」中国首相発言にネット沸く
今は亡き李克強の言葉だが、この億単位の中国人よりマシじゃないと?
中国の全人口が一三億人として、農村の人口が七億三千万人、都市の人口が五億七千万人。
農村戸籍の人は都市戸籍の人の七分の一しか収入がない。https://www.hi.u-tokyo.ac.jp/personal/kazuto/shohyou/b%20china.html
目にしてるのは都市戸籍の中国人ばかりで、農村戸籍の人は見てないでしょ?
そのくせ、彼らがやらかしたときだけ“一部の中国人”を強調する。
問題は小さく見せ、成果は大きく見せる。
針小棒大、大言壮語。頭のメーターがイカれている。
だから、物事のサイズを測り間違える。
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経済に限らず、他国を持ち上げて自国を下げる例は他にもある。
国際学力調査PISAでフィンランドが上位になったとき、現地の小さい子を取材して宿題ないのにスゴーイとか、勉強時間が少ないに~とかやってたけど、そのテストで良い成績だった子たちは前の世代で、普通に勉強していたというオチ。
勉強時間が少なくなった世代がテストを受けるようになると、しっかり下がったと。
国際学力調査PISA 2019年 日本の順位
算数・数学 小学校:5位&中学校4位
理科 小学校:4位&中学校3位
フィンランドは、日本より下にいる。
日本って、終わってるかな?
失われた何年とか言ってるけど、普通に生活とか改善してるでしょ?
失われるって、レバノン級の衰退に使う言葉じゃないの?
昔、中東のパリって言われていたそうだよ。中世のパリじゃないからね。
https://jp.wsj.com/articles/SB12405312647470683842704581143523316549328
いや、パリも汚そうだけど。
昔からの垂れ流し下水道なら、ああなるよね。
まぁ、何というか、汚れに寛大な国民性なのかもね。
この失われた何年にあっても、周産期死亡率は世界でも最も低い水準だし、殺人の認知件数が年々下がっている。
真のオワコンは、何も改善されないもんよ?
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例ばかりで話が逸れたけど、『でも、日本よりはマシ』の背景にあるのは、そうじゃないと『マシな社会で、失敗人生を送る自分は何なんだ?』となるからじゃないのかと推測。
それがタイトルの「日本下げ勢は、自分の失敗人生を国のせいにしたい」というわけ。
まぁ、私が勝手にそう思ったというだけで、これといって根拠はないのだけれど、いわゆる“なろう”の流行りを見て、読者層と日本下げ勢が合致するなら、そうなんじゃないかなってね。
最近だと「追放系」という実力があるのに認められず、不遇な人生を送ってるけど、自分に冷たくした連中が没落していくのを見て楽しむ内容がウケているとか。
それが自己投影だとしたら、自分を成功させなかった日本という社会を恨み、その“下げ”を期待していてもおかしくはない。
言うなれば、国に対するシャーデンフロイデだ。
この厄介な心理状況の人たちが、海外のスパイあるいは扇動屋にのせられ、アホなことをしているのだとしたら目も当てられない。
別の可能性としては、意地でも自分側を褒めない系。
例えば、家族が褒められたら謙遜して貶しだす人みたいな?
その延長線上で、人の振り見て我が振り直せ的に、自国にもダメな個所があるでしょと言わないと気が済まない。
片方に何らかのウェイトがかかったら、もう片方にもウェイトをかけてバランスを取るのが至上命題だと思っているタイプ。
本人は中立を気取っているけど、問題点を見ようとしていないだけで、やっていることに意味はなく、何の改善にも繋がらない人……。
どちらにせよ、彼らから新たな情報を渡されることはなく、お気持ち表明に過ぎないのだから、その辺のコメントは読み飛ばす箇所になるのは変わらないのだけども。
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片親で不採用、出身地で不採用。
ふと、昔の圧迫面接の動画を思い出したので、メモ。
ほら、そんな時代に生まれなくてよかったじゃないの。
失われても、改善はある。
プロ野球珍プレー・好プレー大賞って番組で「星野監督の鉄拳制裁」をやっていたと記憶しているんだけど、ああいうのを現代の子が見たら、どう思うんだろうね。
ザ・昭和のパワハラとして映るのかな?
それをパワハラとしてではなく、必要な指導というか監督の個性みたいに放送していた番組に対して……いや、やめておこう。
あれを許容していた中日新聞社を含め、オールドメディアの面の皮の厚さ。
でもって、自分の好きなスポーツへの批判は許さない勢による論理を吹き飛ばした回答。
そんなことに言及してもね。