メモ書き

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減点方式と加点方式、性悪説と性善説

性悪説性善説

  • 人間の本性は善。
  • 人の本性は悪で、努力で善にする。

減点方式と加点方式

  • スタート時が0点で、良ければ加点していく
  • スタート時が100点で、悪ければ減点していく

「海外は加点方式だから、人が育つ」みたいな意見をチラホラ。
一方で、「日本人は、人を信じるのが前提」という声も。

この2つは関係ないようで、非常に近い話。

人を信じているから、100点スタートなのだとしたら……。
人を信じていないから、0点スタートで加点するのだとしたら……。

その在り様は大きく異なってくるし、何より「海外が、こうだから」で変更するのは、難しい気がしてくる。

 

日本人は人を信用し過ぎ。もっとセキュリティ面で警戒を……。
そう言ったところで、信用が前提の社会で生活してきた人間には、もしかしたら難しい課題なのかも。
一方で、相手を疑う前提の社会で生活してきた人間には、疑い疲れがあって、信用を数値化したら便利と、芝麻信用に注目するのかも。

 

そんな視点抜きで、減点方式と加点方式の優劣を捉えてもいいのかな、と。

例えば、加点方式の作業員が誰かの荷物を渡され、「荷主の飛行機に運んでおいて」と言われたら、荷物を投げて入れるかもしれない。
「運ぶ」という仕事を果たせば加点されるからだ。加点分、報酬が貰えるなら、100点は目指さない。

対して、減点方式の作業員が誰かの荷物を渡され、「荷主の飛行機に運んでおいて」と言われたら、荷物を投げる真似はしないだろう。
投げた時点で、減点されるからだ。
ずっと、100点を続けてきた人ほど、その点数を維持したくなるもの。

そんな心理は、ないだろうか?

ちなみに、ロストバゲージに関するデータは下記の通り。

 

    1. Kansai
    2. Tokyo Narita
    3. Tokyo Haneda
    4. Centrair Nagoya
    5. Seoul Incheon
    6. Zurich
    7. Taiwan Taoyuan
    8. Munich
    9. Singapore Changi
    10. Copenhagen

    引用元:World’s Best Baggage Delivery 2019

ただ、その日本人も「自分の判断」には自信がないのか、選ぶ側になると「加点方式」が大好きになる。

『〇〇賞、受賞!』
『〇〇賞、ノミネート作品』
『あの▲▲が絶賛!』
『◇◇が選んだ2020年のベスト・◆◆』
全米が泣いた
『全米震撼』
『リピーター満足度99%(満足してるからリピートしてる)』

こういった文言が山盛りの品を選ぶ……。
無条件で相手を信じるから、疑って選択するのが苦痛なんだろう。だから、無条件で誰かの評価を信用する。
結果、誰かが「加点」した跡を必死で探し、加点マシマシ&減点抜きの販促素材を見て「これだ」と安心する。

ちょうど、ホットエントリに「楽天の通販ページがゴチャゴチャ」と「日本人が好む映画のポスター」の話題がある。

実は、同じ内容ではないだろうか。

まぁ、楽天のゴチャゴチャは、すべてじゃない。
各ショップが、RMSという編集機能を使い、自店のページを編集しているので、ショップによっては結構違う。
解説を見るまでもない日用品などの商品ページは、簡素なことが多い。
楽天が89億円で買収した爽快ドラッグとか、そんなページが多かったはず。


ゴチャゴチャした縦長レイアウトが得意なのは、そのページ内で商品価値を上げないとダメなオリジナル食品に多い。
ただし、楽天側のコンサルトが、ショップに“アレ”を要求するケースもあるかも。

こういったことを踏まえると、海外ドラマで よく聞く「俺を信じて」というセリフの意味も違ってくる。ただの加点要求だ。
そして、ログインボーナスが途切れたからゲームをやめるとか、アイテムをコンプできないからやめるという心理も、わかりやすくなる。減点に耐えられない完ぺき主義者なのだ。