メモ書き

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「足が速いとモテる」を進化という視点で考える

小学生のころ、「男子は足が速いとモテた」という話をよく聞きます。

それが、成長するにしたがって「ルックスが良いとモテる」とか、「頭がいいとモテる」とか、「面白い奴がモテる」になっていき、結婚を前に「お金」に行き着く……。

この異性に求める要素の変化を、人類の進化と照らし合わせてみました。

狩猟採取時代 → 農業革命 → 産業革命……といった流れを、小学生 →中・高校生 → 大学生・社会人と重ね合わせた感じです。
まぁ、無理矢理ですけどね。


足の速さを求める理由を考えた際に、最初に思い浮かんだのは、今も狩猟や採取で生活しているXX族のインタビューです(名前を忘れたのでXXにしてます)。
日本の男性芸能人の顔写真を見せられ、誰がタイプか訊いたものでしたが、選んだ後の理由が「狩りが、うまそう」でした。

そりゃ、それで生活しているわけですから、そこで判断しますよね。
貨幣経済じゃないので、お金の有無とか気にしないでしょうし、職業という判断基準もピンと来ないでしょう。それ以前に、紙幣と食糧を交換するのを見たら、正気を疑われるかも。
紙幣の価値は、多くの人がある思うことで成り立っているので。

いやまぁ、もしかしたら動物の皮と食糧などを交換しているのかもしれないので、その場合には皮を貨幣と考えることもできるでしょうが。


貨幣の話は置いておくとして、彼らのことを思い出したのは、私の中で「足の速さ」と「狩り」が結びついたからです。
素早い方が獲物を捕まえられたのではないか。

そう思ったのですが、狩りの際には道具を使っているでしょうから、うまく道具を使えるかが重要。
そう考えると、狩猟採取時代における足の速さの利点は、「逃げる」ことにあるのではないでしょうか。

何かあった際に走って逃げる。
速く走れるほど、逃げ切りやすくなり、生存率が上がる。
例えば、子を宿して身動きが取りづらいときに、狩りでへまをして逃げ切れず、帰ってこないようなのに用は無い。そんなところ。

この場合の足の速さは、短距離になります。
長距離での速さじゃないのは、とっさの「逃げ」が重要だからですかね。

人間は他の動物に比べ、排熱に優れているので、長距離が得意なんてことも聞きます。
それを活かして、獲物を追い続けて仕留めるという点で見れば、長距離にだって分がありそうですが、「長距離が得意な人が好き」というのは あまり聞かない。

それは、生存率には関係ないから。
追い続けて仕留められる獲物は、自分の命を脅かす存在じゃないから追える。その事実が、安全なことは誰でもできるみたいな認識に繋がるから……かな?
逆に、勇気と無謀をはき違えて、危ないことにチャレンジし、それを見てもらおうとする精神は、命を脅かす存在でさえ狩って食料にできるというアピールの名残かも。

ついでに、やたらと高いところに登ろうとする奴がいるのは、「足は速くないけど、高いところに登ることで逃げられる」というアピールの名残かも。
どっちにしろ、生存率の話。

小学生レベルと言えば、「好きな子をいじめる」というのも よく聞きます。
自分が抱いた好意の表現方法を知らないとも言えますが、こちらも生存率の視点から考えてみたいと思います。

いじめるというか、ちょっかいを出して確かめているのは、外敵への対処方法かもしれません。
言い換えれば、ストレス耐性の確認。

自分がいない間に、他の異性に手を出されるだろう。そのときに拒めるか。
もしくは、群れの中で敵対者が現れた際に、うまく対処できるのかを見て、相手を見定めようとしている……。

断っておきますが、そういう傾向があるようなことを聞くので、その理由を人類の進化に見出そうとしているだけで、行為そのものを肯定しているわけではありません。


この足の速さ至上主義時代を経て、頭のよさやルックス、面白さが重視され始めます。
ただ、ルックスに関して言えば、人は生まれたときからシンメトリーを好むらしいので、「バランスの良い顔(ルックスの良さ)」を求める度合いが強まる感じなのかも。

具合が悪いと顔に出るように、体の良し悪しがルックスに出ている。だから、そんな判断基準が本能に刷り込まれているみたいな話ですかね。

それが第二次性徴で色濃く出るから、ルックスの良さからモテはじめる人が出る的な。
赤ちゃんの頃は、目が顔のバランスからすると大きいですが、大人は顔の部品がバランス良く配置され、顔半分より下に集まっている……。
その移行過程で、ルックス重視派が勢力を伸ばすのです。


農業革命が起こり、獲物を求めて放浪する生活をやめ、定住するようになった人類は、留まることによって、様々な病気が蔓延したと言います。
定住するということは、住んでいる場所の近くに排せつ物が蓄積し、衛生環境が悪くなる可能性が高くなること。移動しないので、病気が流行りやすいし、感染しやすいことも考えられます。

それなら、抵抗力があった方が、生存率は上がるというもの。
病気の人は顔色が悪い。だから、病気の人は避けようと、見た目で判断する能力を磨く……。その延長線上にある感じでしょうか。

また、「あの植物は、この病気に効く」とか、気候の変動や数量の計測に関する知識が大事になり、「頭のよさ」が生存率に繋がるようになる。

知識を伝えるには言語がベストなので、口が達者であることも大切だったかもしれません。
多くの人を協力させるには、人をのせられる話術が重要。その辺が、話の面白い奴がモテる原点だったのかも。
知識も話術も、第二次性徴のあたりから、より差が大きくなり始めたような気がします。


協力体制を築くことで、生存率を上げる……。

しかし、余剰生産が可能になると、その交換で得をする者と、そうでない者が出てきたことでしょう。
物々交換では、欲しい物品と交換してくれる人を探すのは一苦労。そこで貨幣の登場。
硬貨では重いので紙幣に……中略。

そして、時代は進んでいき、「r>g」に。

資本を持つ者はより持つようになり、持たない物はそのまま。
経済格差は広がる一方。

ということで、「お金」に行き着く。
それが一番、生存率を上げられそうだから……。

こういう風に無理矢理繋げてみると、好みの変遷も違った見方になってきます。
というだけの話。