メモ書き

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「ザ・ボーイズ」の感想|一般人VSクズヒーロー

Amazonのオリジナル・ドラマ「ザ・ボーイズ」の感想です。

アメコミヒーロー的なものに興味がないけど、一般人がヒーローに復讐すると聞き、弱者が強者を倒す物語として期待。
で、視聴。

復讐のキッカケは、彼女を殺されたからなんですが、その殺人シーンがエグい。
最速の男が駆け抜けたら、彼女が肉塊に……。
こりゃ、R18指定にもなるわ。

でもって、そのときの感覚を後で話すわけですよ。
彼女の歯が口に入って不快だった、と。

でもねぇ、その最速の男を始末できるチャンスがあるのに、しないのよ。
そこが不満。
正直、テンポよくヒーロー狩りしてほしい気分でした。

そういう意味じゃ、序盤の透明野郎を感電させ、内部から爆破したときがピーク。
「外は頑丈でも、中身は自分たちと同じ」だから、ケツの穴からプラスチック爆薬を……という感じ。

透明になるのは炭素が云々……。それは伝導率がどうたらで、感電がどうのと言っていたときは、アイデアでヒーローを葬っていく流れを予想してました。
それが、違ったんですよね……。

そんなこんなで一人目を始末したまでは良かったです。
ヒーローの弱点を探ったり、ヒーローが薬で人工的に作られているのを突き止めたり、そういった点はいい。
ただ、なんかもう能力バトルみたいなノリを期待して見ちゃったせいか、何の力もない一般人が工夫し、圧倒的強者であるヒーローを始末する。それだけを期待しちゃうと、消化不良に。
だって、「次」がないんだもの。
復讐に対する葛藤とか、そういうのはいい。見ても、楽しくないから。
だから、迷わずやってほしい。それだけ。
クズなヒーローを見せられた後に葛藤されても、悪代官を懲らしめない時代劇を見て嫌になる感じですよ。

あと、このシーンって、要るのかな? と思うことも。

まぁ、まだシーズン1しかないので、描き切れていない箇所もあるんでしょう。後々、語られるという意味で。
レズしてた彼女たちの関係性とか、ブラックでノワールな黒いヒーローの正体とか、キミコ絡みとかね……。

ディープに関しては、出てきたときが絶頂期。後は落ちていくだけ。
途中から、また出てきたけど、コイツのパートっている? もう本筋に絡まないんじゃない? というくらいに存在感が希薄に。もはや、お笑い要員でしょうか。
最初の嫌な奴っぷりを忘れるくらい、哀れな落ちぶれキャラになり、癒しの雰囲気すら醸し出してる。
イルカやロブスターとの会話とか、もはや ぬいぐるみと話す人のよう……。

一方、ホームランダーに関しては、生い立ちが描かれている分、単なるクズと割り切れない視点で見ることになるのが、ちょっと嫌な感じ。
あまり深く考えずに、敵役として見たかったので。

* * *

かなりのネタバレになりますが、最後のシーンで「奥さんを殺されて復讐」から、「思い込みでした」に変わるので、ここは賛否両論 分かれそうだなと思いました。
話しとしても、尻切れトンボですし。

個人的には、あの母乳で育てることにこだわっていた女性の子供も、実はヒーローで凄い力を秘めているんじゃないか。
そういう風に見ていたので、あの爆弾チョッキを着せて、三人で話すシーンは「いつ、赤ん坊が参戦するのか。能力を出すか」という別の期待をしていました。
なのに、あんな展開に……。

頭を空っぽにして、痛快娯楽復讐劇を期待して見ると、「なんか違うな」となってしまうので、最初から偽りのヒーローたちがいる世界の物語として受け取り、復讐はオマケくらいに思っていた方がいいかも。