メモ書き

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エンタメと不謹慎

 

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震災を扱えば、被災者が……。
事件を扱えば、被害者が……。
そのときのことを思い出して云々。

殺人事件を題材に、交通事故を題材に、戦争を題材にと、あらゆる死や不幸を題材にしてきた創作の世界。

世界大戦が終わった1945年。
それから数年後、GHQの検閲が廃止になった1950年代には、戦争を題材にした作品が次々に出ている。
その事実に向き合うと、震災からの10年間の動きに“おとなしさ”を感じてしまう。

それを「配慮」と言うこともできるし、「時代の違い」とも言い換えできる。
いや、意識の「変化」と呼ぶべきなのかもしれない。

ただ、どうしても震災当時に使われた「不謹慎」という言葉を思い出してしまう。
大変な想いをした人がいるのに、自分が平気だからと遊びに行くのは不謹慎というアレ。

「不謹慎」という思想が様々な娯楽を敵対視し、それで生計を立てる人を追い立てた空気感。
自粛、自粛で、流すCMがなくなって、テレビは「ぽぽぽぽーん」していた。

普通に暮らせる人は、普通に暮らした方がいい。
でないと、その普通を維持するために用意されたサービスやモノに需要がなくなり、それに携わる人共々消えてしまいかねない。
そんなこと、誰が望むというんだ……。

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それでも、不謹慎だから?

そういう指摘があるとするなら、良い不謹慎・悪い不謹慎を区分けして、不謹慎のメリットでも語りたくなる。

例えば、そう……子供のごっこ遊び。
戦争ごっこを含め、暴力を遊びに落とし込んだり、悲劇的な何かを落とし込むことで、それを乗り越えていく力が、不謹慎さには あるんじゃないのか?


「津波ごっこ/地震ごっこ」とは一体何か?

不幸を物語化し、客観視することで、過去の体験に押し込められる。
そんな儀式めいた作用が、エンタメにはあるかもしれない。

だとすれば、腫れ物に触るように、タブーを増やし続ける「ダメ出し」は、誰のためにもならないんじゃないのか?

それでも、何も聞かされずに過去のトラウマに触れさせられると……という指摘は、わからないでもない。
それを踏まえ、「津波のシーンがあります」みたいな警告文を入れ、免罪符のようにするのも理解できなくはない。
一方で、そういうのを入れられる作品と、そうじゃない作品がある気がする。
警告文が、いわゆるネタバレになってしまい、想定された驚きが消え失せる場合があるからだ。

まぁ、それでも「警告文を入れて」みたいな“わかりやすい要求”がなされる場合は、まだいい。
問題は、理不尽な理由で叩く場合。端的に言えば、気に入らないから叩くケース。

得てして、そういう叩きをする人は、対象をきちんと見ていない。
ゲームをしない親が、子どもがしているゲームを批判するのは、その典型的な例。

興味がない上に、知らないから、心ゆくまで叩けるのだ。
知らないから、それが持つメリットも知らないし、情報の精度も低い。理解不足な時点で、まともな評価など下せるわけがない。

だから、自分の知らないエンタメの影響で、何かやらかした人物の行動だけを見る。
何かやらかす奴は、いつか何かやらかすもの。Aという作品に出合わなければ、その辺にいる変人Bの影響でも受けて、何かやらかす……。そういうもの。

変な影響を受けないよう、指導できればいいんだろうけど、何をしようとも一定の割合で、おかしな行動をする人が出てくるもの。
それを何かのせいにし、叩く対象を決めようとするのは、自分が「いじめ」の対象にならないために、誰かをいじめるようだ。

中には、別の目的が匂ってくることも……。
端的に言えば、「表現に規制を!」と叫ぶ人が、その規制役として利権を貪る。コレ。
検閲の権利を獲得し、そこを通さないと世に出せなくなれば、そこが業界内の権力を持つのは目に見えている。

そういう連中が背後にいる「ダメ出し」は、やはり気味が悪い。
楽器を男性器のメタファーと言うくらいに気持ち悪い。

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ちなみに、「すずめの戸締まり」 は見ていないので、内容には言及できない。

最近になって、その内容を知ったくらいの周回遅れぶり。
アマプラあたりにでも入ったら、見ようと思う。

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しかし、なんだ……。
規制なしで殺人事件とか描いているのに、最大の規制が入るのがセックスっていうのは、法的にどうなんだろう。
それとも、規制しなきゃいいけないほど、セックスにトラウマある人が多いの?

あそこにモザイクかける意味って、何だろう?

そこに関しては「海外では~」の人は何も言わないし。

「海外では~」で思い出したけど、海外じゃ日本の古典なんか重要視されないじゃない?
「海外では~」の人は、古典撲滅運動とかしないの?