メモ書き

****

「エンタメ業界は薄給でいい」理由を考える

「あの業界は、安月給で大変だ!」

……というのをよく聞きます。
同時に、「大変な仕事なのに」とか、「大切な仕事なのに」みたいな言葉もセットで。

そう言いたい気持ちも わからなくはないけど、給与と仕事の大変さは比例しません。
それどころか、反比例するケースも少なくないというのが、個人的な実感。

「給与が安い」⇒「人が集まらない」⇒「人手不足で、仕事が山積み」⇒「大変な仕事」

理由の一つは、これ。

「大切な仕事」⇒「責任が重い」⇒「リスク回避で、人が集まらない」⇒「人手不足で、仕事が山積み」⇒「募集広告に金を使って、何とか人員を確保」⇒「募集で金を費やし、給与まで金が行かない」⇒「給与が安い」

でもって、これ。
大雑把な流れと、一つの可能性を誇張すると、上の通り。

* * *

それは、それとして……。

物事には良い面と悪い面があるという観点から、「薄給の良さ」を無理やり考えてみました。
主に、エンタメ業界におけるそれを。


とはいえ、高いところは高いし、貰っている人は貰っているでしょう。
一方で、「売れないXXは、白米にポン酢をかけて食っている」みたいな話も聞くわけです

そういった金のなさ、給与の安さを肯定するなら、何があるのか。
思考実験としては、なかなかに難しい課題……かな? 頭の体操としては、微妙かも。

でもまぁ、エンタメに関して言えば、放っておいても人が集まるので、給与が良ければ さらに人が集まって大変ってことになりますよね。

人が集まれば、競争が激化して、その業界における技術やら何やらが磨かれる。
それは業界にとっては繁栄といえるポジティブな面もある……。

逆に、割を食うのは人気が無い業界。
ただでさえ目立つエンタメ業界に人材を取られ、人を育てられずに業界が衰退していく……。
これを防いでいるという点で見れば、薄給の良さが見えてくる。あくまで、他業種から見た場合の話。
当事者にとっては、金の少なさは嫌でしかないでしょう。

いや、どうだろう?

お金が多くなるメリットもあるんじゃないか……。
当事者の金銭的余裕や将来設計以外にも。
そう、他業界的な見地からも。

それが、プロパガンダ対策。

エンタメ業界にいる人は、一般人よりも知名度があるわけです。
知名度があれば、その知名度分だけ信用があると勘違いし、有難がる人もいる……。

「テレビに出ている人が言うなら、間違いない」

こんな感じの根拠がアレな信頼が……。
妥当性の低い信頼が……。

この知名度を利用したい人がいて、知名度の割に稼いでいない人がいた場合、プロパガンダ利用が待っているわけです。

「私の主義主張を拡散して! 君の知名度なら可能だ」

この展開を防ぐには、ある程度の金銭的余裕が必要。
そういう意味では、他業界的な見地から見た高給メリットがあるかも。

まぁ、高い金をもらうようになったら なったで、自分を神の如く勘違いして調子に乗り、バカなことをしだすのかもしれないけどね。
なんせ、目立つのが苦じゃないどころか、承認欲求のモンスターが多いだろうから。

でなきゃ、自分の顔が街にあふれても、平気な顔してないって。
その辺の人のメンタルだと、街中に自分が溢れていたら、「うわぁ~」ってなるんじゃないの?

街中に、自分の顔が印刷されたポスターなんかが溢れて、精神的に平気なのは芸能人と政治家くらいってのが個人的な考え。

* * *

以上で、頭の体操は終わり。

子どもの頃から親しんでいる娯楽を自分でもと思うのは、動機として不思議はない。
ただ、社会生活の維持に不可欠という意味では、電気・ガス・水道・通信・輸送・医療あたりの方が、重要性は高い。

そういった職業の重要性をを若いうちに知り……というか、知るキッカケを増やすべきじゃないのかと、たまに思うんですよね。
そこそこ歳をとってしまうと、やり直しが難しい日本社会ですし。生活水準維持を考えると、注力すべき業界というか、目に留まりやすい業界に変化をというか。

それこそ、そういう職業にスポットライトを当てたエンタメ作品を……。

* * *

こういう職業の給与って、議論になっていたような。

number.bunshun.jp

プロ野球選手の給与が上がって、日本は良くなりました? という感じの話になってしまうかな、この流れで話題にすると。

【追記】
問題点は、プロ野球選手よりも、プロ野球選手になれなかった人にあるんだよな……。