メモ書き

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EVはブランド時計化する? 作る資源と価格の話

ただの調べものです。

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日産の主力EVであるリーフは、車両価格はこれまでの370万9200円~480万5900円から、408万1000円~583万4400円(オーテック除く)へと値上がりした。値上げ幅は、およそ37万円から103万円だ。

web.motormagazine.co.jp

あっちこっちで作れば、同じ材料が消費され、その材料の需要が増すのは、わかりきったこと。
EVの車体原価の3分の1が蓄電池なら、値上げの理由もその辺でしょう。
蓄電池の原材料には、リチウムやコバルトがある模様。

電気自動車(EV)は、バッテリーに電気を貯めて、モーターで走行します。このバッテリーは、一般的にリチウムイオンやニッケル水素混合の蓄電池を使用しますが、原材料となるリチウムやコバルトが不足しています。
<中略>
車載バッテリーは、7~10年使用すれば蓄電容量が低下し、交換が必要になります。2019年に走っている自動車であれば、2030年前後にバッテリー交換時期にさしかかります。そのときまでにリサイクル&リユース体制の構築が求められます。

www.keyence.co.jp

コバルトの価格は、チェックした時点で平均価格 2,420円。
1年前は、2,067円。
次の4月には1,556円まで下がってるね、これ。どう見たらいいのやら……。

kakaku.com

続いてリチウム。
5年くらいのスパンで見ると、2020年代が一番低くて43436……いや、カーソル合わせづらい。直近の高値は、603102くらい。桁が違う。

jp.tradingeconomics.com


別に、値上げしても車の買取価格が高いなら いいんでしょうけど……。

車の状態や売り先にもよるでしょうが、取り敢えずの参考として個人の体験談から。

「Honda e」走行距離2,500km 買取価格430万円 補助金最大80万?
1年前の動画 買取先のURLあり

youtu.be

 

「e-NV200」走行距離48,000km 
買取価格 A社130万円、B社100万円、C社120万円

youtu.be

相場観がないジャンルなので、どう評価したものか……。
というか、1年前って半導体不足で新車の入荷待ちが言われていたころか。こりゃ、参考値としては微妙かも。

高値の買い取り額を示された人も、別の動画では難点を話していました。
まぁ、だから売ろうと思たのかもしれないけど。


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それはそれとしても、資源は欲しい分だけ無限に手に入るわけじゃない。
採掘技術や生産量という視点で見る“年間いくら”という数値のほかにも、埋蔵量というMAX値の議論もある。
まぁ、宇宙船地球号にある分しか、素材はないわけなので。

なもんで、資源にありがちな「枯渇する・しない論争」は今回もある上に、環境破壊懸念もあるという……。

toyokeizai.net

枯渇論争を見ると、どっちサイドか……と邪推したくなるのは、なぜなんでしょうね。
限りがあると見せた方が、希少性が増して値段が下がらないと思うから?

環境破壊に関しては、前にも触れたような気がする。
でもって、人権意識が希薄な国に鉱物があるのは、まるで その意識の低さを利用しろと、宇宙船地球号が言っているかのよう……。

att3200.hatenablog.com

 

att3200.hatenablog.com

Spaceship Earth
地球上の人類が共存か共滅かという共同体的な宿命をもつにいたったことを示す隠喩として,アメリカの経済学者,システム論研究家 K.ボールディングらによって使われはじめた言葉。

kotobank.jp

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資源という制約があれば、生産数にも制約がある。

2021年の世界全体の四輪車生産台数は、前年より3.1%増加して8,014万6千台となりました。

www.jama.or.jp

 

自動車に搭載されるリチウムイオン電池は、ノートパソコン用の約100倍のリチウムを必要とし、 もし現在地球上に存在する10億台の自動車がすべてリチウムイオン電池の電気自動車に置き換わるとしたら、 たちまち現在の石油同様、枯渇の不安と背中合わせの”希少資源“となってしまいます。
そこで注目されているのが、海水からリチウムを抽出する方法です。 海水中には約2300億トンものリチウムが溶けていると推測されており、 日本、韓国などで効率よく海水をろ過する技術開発が進められています。 

www.shimadzu.co.jp

ここで、新たな資源獲得方法に投資するのは賢明なのか?
それとも、勝負から降りるポイントと見るか……。

あるいは、来るべき日に備えて『バッテリーのリサイクル&リユースの会社』に投資するか。

投資という視点で見ると、そういう感じ。

仮に「これからはEVだ」と言って、大きなミニ四駆を作る会社に資金を投じたところで、参入障壁が低くて色んな家電メーカーが作るようになったら、その分だけ競争過多になって利益も微妙に。

であれば、優位性を持ったところを見つけ出したいもの。
まぁ、そういうのを見つけたところで、私は自分を信じれずに行動しないけどね。

半導体も、需要が大きいのはどこなのかを見失い、最先端を追い求めて「高いから、要らないよね」ってなった後は怖いので、どっちにしろ必要なシリコンウエハーの製造メーカーあたりをチェックしておくようなノリ。
ゴールドラッシュでツルハシを売るような感覚。

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と、ここまで書いたところで、話は一転。
ガソリン車を販売しないようにするとなれば、終の棲家のごとく、最後の一台として長く使える車を選ぶんじゃないかと。

だって、その方がコスパいいでしょ?
数年後には、バッテリーを替えなきゃダメな車を買うより。

そうなると、どこが選ばれるのか……。

carview.yahoo.co.jp

日本車を倒そうという予定だったはずなのに、最後のガソリン車&ハイブリッド車を求めてしまうんじゃないか……。
電気代も高いし……。

そういう可能性もあるわけで。

何というか、液晶から有機ELへと言われても、技術的に成熟して安い液晶を買うよね、みたいな? それに近いところも。

xtech.nikkei.com


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環境、環境、環境……言ったところで、困れば定義を代えてくる。

 

www.bbc.com

自分の不都合さには目を向けず、他者の批判に終始するじゃない?
で、律義に続けてるのは日本だけという状態に。

image.itmedia.co.jp

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変革期には問題点は出るもの。
みんなで克服していくターンという認識をしたところで、問題自体が消えるわけじゃない。

消費者が買わなければ、そこで試合終了。

「車離れ」とか言ってる時点で、投資先としては微妙さが漂う。
若い人たちは、今まで以上に自分が交通事故を起こすリスクを懸念し、乗らずに済む生活を送りたいんじゃないか……という理由を否定するデータでもあれば、話は変わるけど、小さな失敗すら嫌う傾向を見かけるほどに、マインドとしてアレかなと。

この離れ具合を見て思い出したのが「ブランド時計」だったので、タイトルに入れた次第。

スマホあるから、時計は要らないよね」
「ブランド品って要る?」

それと同じように車も見られる。
車社会の田舎はさておき、いや車社会だから「出ていく」のだと気づかされる時期かもね。

でもって、ETA社のムーブメントですよ。

www.komehyo.co.jp

カルティエの時計、素敵」
「やっぱ、オメガの正確性は……」
「シャネルの動きが……」

言うたところで、機械部分は同じ。
ガワだけ違う。

車のメーカー名でああだこうだ言っても、最終的には「どのバッテリーメーカーが、一番まともか」みたいな結論になり、ETA社みたいな存在が決まってしまう。

それでも、デザインの美しさがどうとか、駆動系がどうとか、一体成形だから修理しづらいボディがどうとか、そういうのに価値を見出して、謎のレア感だけが後世に伝えられ、アンティークのブランド時計のように……。

そんなことを思ったというメモでした。

36kr.jp