「あんたが女だと思ったから」帝京大教授の性差別発言が波紋 名前で女性と勘違い…性別が男性と分かると態度を一変
こういうニュースって、一昔前だとニュースになるルートが無かったよねってメモ。
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大学の教授に何かされても、証拠と呼べるものも確保しづらく、何より大学生に発信力が無かった。事件が事件になりにくかった。
警察発表、取材、行政の公式発表、そういったニュースのルートしかなかった……。
タレコミなんて、いちいち相手にしてないだろうし。
ミートホープの内部告発みたいに。
なので、メディアが取り上げたらニュースとなり、そうじゃない情報は巷に溢れる噂どまり。だからか、「俺がニュースを決めるんだ」という態度で、取材の申し込みをしてきたと……。
それが個人が情報を発信しやすいインターネットの登場で、変わってきた。変わってしまった。
自ら加害者アピールする変な投稿も出てきて、バカッターと呼ばれる始末。
一方で、思想的な当たり屋みたいな人も出てきた。ネット黎明期で言うところの「荒らし」の進化系的位置づけでしょうか。
そういった一連の流れの中であっても、ここのところ話題の例の件には異質な部分がある。
それが「個人の調査」という一点。
気づいているだろうか?
インターネットによって、格段に情報を集めやすくなったし、調べやすくもなった。それを公表しやすくもなった。
有象無象の情報に飲まれている人には、胡散臭いネット話な印象かもしれないけど、公的な機関に集められた法的根拠を伴う情報も、アクセスしやすくなった情報の中に含まれている……。
個人的に縁があるのは、上場企業の決算資料あたりだけど、他にも多々あるでしょう。
そういった調べものが、公式発表のコピペ、ミスリード、知識不足のまま書かれる専門記事に不満を抱く人々、何より今まで存在を気づかれていなかった需要層に受け入れられたら、新たな調査系メディアが……という可能性も。
ここまで書いて、「デモクラシー・ナウ!」の宣伝ドキュメンタリーを思い出したけど、なんで反政府的な人ばかりが記者になりたがるのかという感想を……。
所属している組織、あるいは人自身で是非を判断するのではなく、行動1つ1つで見るべきだと思うんだけど、どうにも「政府=悪」と決めつけた感じのノリが多いよねって意味で。
行動1つ1つで見るべきな例に関しては、慈善事業をしている人が犯罪を犯した後に、「慈善事業をする良い人なのに、悪く言わないで」みたいなことを言う人が思い浮かんでしまう。
誰であろうと、軽蔑されるべき行動は軽蔑されるべきなのに、好きな人や都合の良い人の醜い部分を認められないのか、頑なに良い部分だけをアピールする……。
良さは良さで存在し、悪さも並行するとか、思わないものなの? そういう人は。
これって認知バイアスの問題?
似たような例に、どっち側が勝利したかに躍起になるタイプもあるかな。
「まんだらけ」にアダルト商品販売停止処分 「不可解」と会社側
学校がある場所の近くにラブホテルは建てられないといった法的な話であっても、俺たちの大好きな「まんだらけ」が負けた……という展開に持っていく感じの論理的なおかしさも、認知バイアスの問題?
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話がズレ始めた気がするけど、こういう炎上系に付きものなのは逆張り。
その目的は目立つこと。
池袋暴走事故の遺族SNSで中傷…侮辱罪で在宅起訴の22歳男 単独取材に「炎上目当て 流石にやり過ぎた」
こういうのも、ある意味でそうなのかな。
この手の輩が混ざっただけで「賛否両論」とか書いちゃう人もいるけど、そんな安直な意見の分類に価値が無いのに、結論ありきの分析も お約束のように付きまとう。
斜め読みした程度の見識で、両方の汚点をあげつらい、「どっちもどっち」で片づけるアレ。
詳しくないのに「くだらない」で一蹴するソレ。
後者に関しては、私も興味が無いニュースでやりがちだけど、これは反省すべき点。
バタフライエフェクトのように、その「くだらない」情報が大きな波を起こすこともあるのだから。
例えばそう、たまたま自分と同じ国籍の人が、国際的なスポーツで活躍したという“個人レベルでは無関係”なニュースであっても、情報の受け手が何らかのアクションを起こすのなら、“社会レベルでも無関係”には ならない的な。
「あのスポーツがブームです」
これ。単純に消費の拡大を意味している。
「海外セレブの動向」「アイドルの去就」「王室ゴシップ」「芸能人の人間関係」といった個人的には「くだらない」ネタであっても、それに群がる人の影響までは「くだらない」で一蹴できない。
もう忘れているかもしれないけど、トイレットペーパー不足とかね。
ある時点では「くだらない」ものでも、それで動く人によって「くだらない」じゃ済まされないケースってあるって話。
SNSがきっかけとなったトイレットペーパー騒動
そういや、同時期に不足したマスクのことも忘れて、チャイナ・リスク否定派は元気だったよね。その頃。
これも認知の歪みか何かで、不都合な情報は入ってこないのかも。
マスク不足が続いている。その背景には、中国で製造されたマスクが中国側の「規制」によって日本に供給されないことを一因とする見方が有力だ。
もしかしたら、中国に移住してビジネスしている立場があるので、チャイナ・リスクを認めると「自分がダメな選択肢を選んだ」となるから、否定したい心境の人がいるのかも。
ゼロ・コロナ政策を批判した海外メディアに対し、フェイクニュースだと言っていた動画投稿者を見て思ったことだけど。
何にだってリスクはあるし、物事はメリット・デメリットを併せ持つもの。
片方だけピックアップしても、ね。
人口の多い市場で挑戦できたというメリットと、パクられて終わったという資産的なデメリットも、並行して発生したものだし。
ということで、薄い理解で「俺様はわかっている、お前らはくだらない」とか、「もっと考えるべきことがある」と言いつつ、その考えるべきことの知識に乏しく、単に話題を逸らしたいだけの人もいるけど、微妙だよね。
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グダグダと書いているけど、個人の調査で事実追及が可能だというのが根本かな。
考えてみれば、スポンサー企業の宣伝をしている既存メディアに対し、忖度なしにレビューできる個人の強みに近い気も。
相手が組織である以上、組織を運営するルールを逸脱した箇所は責められるし、対個人よりも組織の大きさの分だけ、的が広いからね。
とはいえ、こういったネット上の炎上に対し、どう接していくべきかという課題もある。
燃えているんだから、近づけば火傷するのは予想の範囲。
せいぜい、暖を取れる程度の距離くらいにとどめておくべき。
先に「行動1つ1つで見るべき」と書いたように、自分の意見に近い存在がいたとしても、まったくもって賛同できる言動ばかりじゃないだろうし、燃えている以上は燃える性質を伴っているわけだから、遠くで見ている分には良い人が多いのかもしれない。
なので、近づかない方が無難ってことになる。
特に政治絡みは、何においても「自分が正しい」と思ってるのが湧くので、近寄らない方がいい。
ただまぁ、視聴スタイルは人それぞれ。
タダ見じゃ我慢できない人もいるだろうし、デメリットの多い仲間意識を持ちたいとか、そういう……いや、何でもない。
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炎上の結末は色々あるけど、基本的には観客が覚めると終わる。
池袋の件は、加害者が謝罪をした辺りで収束し始めた気がする。
事故をメーカーのせいにする上級国民というレッテルが使えなくなったから?
あるいは、ネット民の溜飲が下がったから……。
何にせよ、ネットで騒がれていたものが、公共の電波に乗った瞬間に陳腐化していくケースもあるし、小学生のブームのように気づけば終わってることもある。
そういう意味では、インディーズからのメジャー化ステップ的に、大手メディアが扱い始めた瞬間に、ちょっとしたターニングポイントを迎える可能性もある。
放っておいても、誰かが追及し、メディアが取り上げるなら、ネットで騒がなくてもいいや、みたいな?
“みなし公務員”の規定が絡む見慣れない情報が混ざった不正とか、大手メディアの好物である嫌いな政党の政治汚職とか、そういうので盛り上がる人は決まっているのとは違って……。
違うから、比較対象にするのは変でしょ。
【独自解説】組織委元理事が“みなし公務員”の規定「知らないはずがない」特捜の強気捜査は「内通者により物証抑えている」五輪汚職問題の今後を弁護士が解説
ターニングポイントになるか否かは、その取り上げ方が偏っているかどうかにかかっている。
事実に反し、特定のサイドを盛り上げるのなら、騒動は加速度的に盛り上がっていくし、逆なら離脱していく人もいるでしょう。
いや、裁判みたいな長丁場だと、誰もが飽きそう……。
ネタが小出しに続くなら別だけど。
何にせよ、炎上における最悪の結末は、当事者の死。
自殺あたりが最悪の幕切れ。
死んだ人を悪く言うなと、悪人であってもサンクチュアリ化するので。
「容疑者自殺」で検索して最初に出たのが次の。
女性殺害の容疑者自殺、署員が私物点検せず虚偽の記録も 大阪府警
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まとまりなく終わるけど、テレビの報道とネットの炎上ニュースは、ライブ配信と録画くらい違うよね。
あと、バタフライエフェクトという単語を出したついでに、番組の話も。
「ナチハンター 忘却との闘い」
ナチスの収容所で、ユダヤ人の殺害に関与した人物を探し当て、裁判で罰する活動を見ていて、自称:親露派な陰謀論者も似たようなポジションでは……と。
囚人に服を渡していた人も、裁判にかけられていたしね。
あの国こそ、ネオナチの本場なのに、ロシアは攻めないよね。
ガスまで売っちゃってさ、元首相をガス会社の重役にしようとしたりさ。
「ナチズムの再来 ドイツ 極右の実態」
おまけ、最近のミスリード例。