メモ書き

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「イラクの失われた世代 ISの子どもたちは今」の感想

www.nhk.jp

フランスのドキュメンタリーの感想です。

内容は、IS関係者の「その後」といったもの。
特に、子ども。

親がISだったために嫌われている、自身がISに参加していたので収容されている……。
色々なケースはあるけど、共通しているのは未来が無いこと。

ISの子どもだと地域社会から弾かれるし、学校にも通えないので、読み書きも怪しい。
彼らの故郷が彼らを受け入れたくないので、国外のキャンプ地なんかにいる。

ISに参加していた場合は、似たような境遇の子が雑魚寝するような場所に監禁。マシな施設も作られているようだけど、映像内では隔離して終わりな感じでした。

でもって、収容して再教育するわけでもないので、そこから出たら何をするんだろうねという嫌な予感しかしない。
カウンセリングを受けている子もいたけど、描く絵は銃器。
他に興味があるのはゲームだけど、やってるのはスマホFPS
将来の希望は、軍への所属。
戦った経験を持ってしまうと、それをキャリアと捉えている模様。どうにも好きなんだと。

「ISに洗脳されていた」と言っていた子もいたけど、それはマシな方。

難民キャンプで暮らすIS関係者の女性などは、今でもISを信じている……。

そういう世界に生きた人は、そういう考え方から逃れられない。
暴力を身近に感じて育つと、暴力を当たり前に使う。この時点で、許容できる人に限りが出る……。

* * *

こういったのを見て、火種でしかないと思ったのが正直なところ。

人道支援」を叫ぶ事情は わかるけど、現実問題として「彼らは救えない」でしょう。
彼らの救いは「戦い」によって「聖なる死」を遂げることだもの。
それは、他者にとっての破壊。
破壊の許容? 暴力の肯定? できるわけないじゃん。

彼らに新たな価値観を植え付けるのをゴールとするのが人道支援だというなら、植物状態の人間を活かし続けることも批判すべきではない。
そのくらいの境地に立たされる何かがある……。

仮に、ISという過去を否定できたとして、ずっとくすぶり続けるんですよ。
その記憶が。
で、何かの際にふっと蘇るわけです。戦いと言う濃い時間を過ごしたことで得た高揚感のようなものを。
それで、また繰り返す……。

なんでね、彼らに必要なのは教育ではなく、考えない時間じゃないかと。
人間、考える時間があると、余計なことを考えて、ダメな方に向かうもの。
特に、状況が悪い時に暇な時間だけあると、偏った方向に思想を持っていかれがち。

それを防ぐため、とにかく体を動かす。
しゃにむに働く。

ということで、シンプルな肉体労働を提供し、何らかの報酬を与え、労働を学ばせるのが第一。
教育は、その後でいい。

仕事に必要だってなったら、学ぶ気も段違いでしょ?

* * *

まずは、がれきの撤去と仕分け。
そこから土木を学ぶ。

「国を持たない最大の民族」あたりは、むしろ土木や建築で生きていく方向で考えた方が、丸く収まるのかもよ?

建築人材というか、土方は需要の波が激しいから、仕事がある国を渡り歩くスタイルを取った方が、効率がいいかもしれない。
それなら、土地へのこだわりも薄くなるし、何より今後の人材不足のカバーも。

とまぁ、そういうことを見て考えた次第。

 

トルコとシリアの国境にまたがる場所に国を築きたいと考えるクルド人組織

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