例えば、感染者が最も多かった本年8月中旬での東京の潜在的な感染率は0・9%と推計されたため、PCRの感度が70%、特異度は99・9%とすると、PCR陽性者のうち約13・6%は偽陽性、PCR陰性者のうち約0・27%は偽陰性と言うことになります。真の感染者数が少ない場合は偽陽性率はこれよりも高い数字となります。
感染してなくても陽性反応が出る人が一定の割合でいる。
感染しているのに陰性反応が出る人が一定の割合でいる。
なのに、大規模PCR検査をして「ゼロ」を目指す……。
これは、確率的には終わらないことを意味しているのでは?
難しい話じゃない。
感染していなくても陽性反応が出るなら、決してゼロにならないのだ。
数人レベルの検査であれば、運よく“きちんと検査”できて、ゼロが達成できる確率も高い。
しかし、大規模な検査となれば偽陽性は避けられない。サイコロを何回もふれば、出目の確率が均等になっていくように、検査の母数が増えれば偽陽性の確率も増す……。
偽陽性が出るなら、実質的な感染者がゼロでも、検査結果における数値はゼロにはならない。
だから、陽性が疑われる人にだけ実施していた過去がある。日本ではね。
習近平(シーチンピン)国家主席の指示によるとみられる今回の新たな命令は、高圧的な感染抑止策を支持する内容だ。大規模PCR検査、強制隔離、都市全体のロックダウンなどがこれに該当する。
もっと小規模な検査でのゼロコロナなら、「終わり」も見えやすいけど、母数を大きくするほど、確率的に「終わり」は遠ざかる。
しかし、このゼロコロナを続けたまま、収束する方法がひとつある。
それは、数値の改ざん。
「発熱しているのに平熱と表示される」
前に中国産の非接触型体温計が問題になったけど、あれと同じことをすれば「中国のコロナ対策」は終わりを迎えられる。
ぶっちゃけ、この手の改ざんは得意分野だろう、中国は。
なぜに、真面目に検査しているのか?
適当に誤魔化した方が、丸く収まるというのに……。
ここでいう“丸く”は、上層部の意向に逆らわずに、民衆の意に沿うという意味で。
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サプライチェーンが乱れると、世界に影響が及ぶ……。
それを危惧しているんだけど、物が足りなくなって高騰する可能性と同時に、消費マインドの低迷や制裁絡みの規制で、物が溢れて暴落する可能性も商品によっては存在する。
それが怖い。
一方で、こんだけ乱れても世の中が回っていくなら、ロシアの支援に乗り出した中国を外すハードルも低く感じそう。
影響が大きすぎて、対中制裁は厳しい。その予想に反して。