メモ書き

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間違いを指摘されない恐ろしさ

「自分の過ちに気づけないこと」に関するメモ。

日々文章を書いている中で、自分の捉え違いや知識不足の可能性を考えます。

でも、別の視点に立って、自分の見方を分析するのは、なかなかに難しい。

例えるなら、さっきまで「こいつは名作だ」と言っていたものを「駄作だ」という見方をする……。
言うなれば、信者からアンチへの転換。
その転換が目線だけだとしても、精神的には数分前の自分を否定することになるので、一貫性至上主義みたいな人じゃなくても、辛い行為のような気がします。

『君子豹変す』

逆に言えば、豹変は君子だから可能なこと。
愚者が、自分の意見を用意に変えるのは難しい。
そういう意味で、様々な意見を自分の中に内包させられる人は、それ自体が才能と言えなくもないなと……。

* * *

こんなことを改めて思ったのは、動画のコメント欄を受けて配信者が訂正したり、補足したりする様子を見て、インタラクティブだなと思ったから。

人間、誰しも知識の穴はあるし、他者より全知識で上回っていることはない。
なぜなら、その人の人生は、その人が一番詳しい時点で、その人自身という知識ジャンルでトップだから……。

という屁理屈はさておき、より完成度の高いコンテンツを目指すとしたら、利用者からの突っ込みはデバッグ作業に似ています。
コンテンツとしての不具合を見つけ、修正し、完成度を上げていく行為として……。

そんな建設的な意見を求め、自分のサイトに投稿フォームなんかを設置するわけですが、メールを送ってくる人って、変な人が多いんですよね。
件数で見れば、最多は自動配信系の営業メールです。

利用者が多いWordPressを使い、プラグインで Contact Form を使うと、それ用に開発されたプログラムに狙われ、アクセス数が少ないサイトでも送ってくる……。

それ以外の「変な人」に関して言えば、共通点が名乗らないこと。
「私が相手を知っている」とでも思っているのか、いきなり要件を書いてくる。それも、命令口調で。

「あれしろ」「これに答えろ」という感じ。

あなたは誰なのか、どこで何をして何を困っているのか、そういった情報を抜きに、ただただ要求だけしてくる。
多いのは、サイト内容を見て、特定の分野に詳しいと判断したのか、「これは何だ、答えろ」みたいな?

質疑応答のボランティアは してないんだけど……。

というか、そういう人って、判断に必要な情報すら書かないんだよね。
もちろん、自分の名前も書かない。

たまに、「あれをよこせ」みたいな物乞いも現れます。
ナスを育てている写真を撮ってアップしていると、「食べたいからよこせ」みたいな?
しかも、何年も前の写真に対して。もう、ないっての。

どういう精神構造してるんでしょうね……。
見ず知らずの人間に、いきなり物をよこせとメールしてくるなんて。

* * *

話が変な方向に行き始めた。

書きたかったのは、自分が望むような知恵者は、なかなか絡んでこないということ。
お前のコンテンツが低能ホイホイだと言われれば それまでですが、根本的な理由として「知恵者は、他者のコンテンツへの干渉に費やす時間はもったいない」と思っているのかも。

当然と言えば当然のことなんですが、私ですら「質疑応答のボランティア」と思うくらいなので、その知識によって対価を得てきた知恵者が、赤の他人である その辺のコンテンツ提供者に有益な情報を流すとは考えにくい。
別に、指摘したところで利益にならないしね。

そう考えると、知恵者の意見を得ようとしている自分も、同じ穴の狢と思わなくもない。
ただ、一方的に物乞いをしてくる人との差は、既にリターンを与えていること。
コンテンツの提供者として、何らかの利益が受け手にある。その見返りとして……。

なので、質疑応答に対する報酬でもぶら下げてももらえば、答えなくもないわけです。

それ以外の返答可能性を考えると、そうですね……。
動画サイトのように多くの人がアクセスしている状況がわかれば、「誤情報の発信は、自分が関わる分野にとって有害だ」と判断し、訂正を求めるケースもあるでしょうか。
あるいは、影響力が大きそうな人に絡むことで、その影響力の恩恵を受ける。平たく言えば、知名度アップ。

と、思ったところで、インタラクティブインタラクティブ……。

「リモコンのボタンで、双方向性なんたら」と言っていたテレビは、視聴者からのフィードバックを どう考えているんだろう。
そう思いました。


* * *

真っ当な指摘を受けたところで、「素直に受け入れられるか」という問題もありました。

指摘の仕方にもよるけど、なかなか自分の非は認めづらいもの。
指摘されて逆ギレする人もいるくらいに……。

そりゃ、誰も何も指摘しなくなるね。

『君子危うきに近寄らず』

豹変するうえに、近づかない。

なぜか、「見ざる言わざる聞かざる」が脳裏に浮かぶ。