北朝鮮のミサイルを例に、「モンタージュ技法的ニュースの見方」を書いたメモです。
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「なぜ、北朝鮮はミサイルを打ち続けるのか？」
「そんな金があったら、人民に施しを……」
それが、模範解答でしょうかね、一般市民の。
求められる読書感想文があるように、「こう思え」という感じで報道された結果、そんな考えに至る人が多いんじゃないでしょうか。
で、実際は どうなのか？
もちろん、発射を指示している本人に 腹を割って話してもらうほか、「正解」を聞き出す術はありませんが、今回は模範解答以外の視点で想像してみます。
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「武器輸出国としてみれば、製品の宣伝は当たり前」
「ミサイルで外貨を稼ぐのは、人民のため」
◆武器輸出は利益を生んでいるか
私は1980年代後半、「火星3号」というスカッドミサイルのイラン輸出に関わった銀行担当者から、1基当たり300万米ドルで輸出されたと言う話を聞いたことがある。
だが、7割以上の資材を輸入して制作するので生産コストが高く純利益が少ないので、首領が指示した核開発をはじめ、ICBM等の新兵器開発資金はもとより、量産のための外貨資金はほとんど残らないと嘆いていた。
1発346,270,500円（1ドル115.43円換算）と、3億はします。
利益率は悪いようですが、数少ない外貨を稼げる商売となれば、いずれは量産化して収入源としたいところ……。
でもって、量産となれば在庫は増えていくでしょうから、その管理費用もかかるのは容易に想像できます。
つまりですよ、在庫処分も行わないと、置き場所に困るって話。
廃棄するよりだったら、飛ばしてデータを取った方がいいですし、近くの国の海に落としてニュースになった方が、「きちんと飛ぶ宣伝」になるでしょう。
それで買い手が増えるかは別ですが。
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「武器が無いと、いつ攻め込まれてもおかしくない。人民のために、武装強化だ」
短い期間だがウクライナは世界３位の核保有国だった。ウクライナは旧ソ連から引き継いだ数千の核弾頭を破棄。その見返りに取り付けたのが、ウクライナに対し軍事力を行使したり武力で威嚇したりしないとする米国やロシアとの約束だ。だがロシアのプーチン大統領は４日、この約束をほごにした。
大国の約束なんて、そんなもの。
だから北朝鮮は核を諦めないし、飛ばせますアピールも怠らない。
モスクワから離れているとはいえ、ウラジオストク方面でロシアと国境が接してるし、ウクライナは他人事には……。
ロシアは同じ赤の陣営と言えなくもないけど、それは対アメリカで一致しているとか、共産主義云々とか、そういった共通項からくるものであって、心の底では信用してないでしょう。交流もなさそうだし。
そもそも、トップに居座るために政敵を殺してきた人間が、他国の同類を信用するわけがない……。
自分がしてきたように、いつかアイツもオレに刃を向ける。
犯罪者が他人も犯罪を犯すと思うように、そんな思考に陥っていても不思議はありません。
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モンタージュ
映画技法で、複数の映像の断片を組み合わせてひとつの連続したシーンを作る方法。
先に、ミサイルを発射の映像を見せる。
次に、飢餓のニュースを見せる。
それで抱く想いは最初の模範解答。
飢餓から救おうと寄附を考え、それがミサイル開発の資金源となる可能性もあるでしょう。
寄附金が本来の目的で使われないのは、珍しくない……。
というか、それを扱う権限を持っている人が取るだけ取って、搾りかすを渡すくらいかもね。
援助されている国々の腐敗って、こんなもんでしょう。
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逆に、ミサイルを発射の映像の後に、武器輸出のニュースを見せる。
この流れで抱く想いは模範解答とは違うでしょう。
でもって、武器輸出ではなく、核放棄のニュースだったら……。
そう考えていくと、情報を伝える側の“狙い”が見え、どっちの立場にいる人の報道なのかわかり、それを踏まえたうえで受け取れるようになるかも。そんな話。
言うなれば、報道する側の演出意図をくみ取る重要性を語ってみた的な？
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例の馬に乗って走る映像を見た後、次のような解説を聞かせられれば、そういう事情なのかと納得するでしょう。
英雄伝説にあやかり、英雄視を狙っているんだなと。
朝鮮半島が日本の植民地だった1920年代、「キム・イルソン将軍」の英雄伝説が朝鮮民衆の間に広まった。英雄キム・イルソン将軍は朝鮮の独立を目指し、白頭山を根拠地として、白馬にまたがり東奔西走し、日本軍と戦っていると民衆は信じていた。
※ 芦毛（葦毛）は、後になって毛が白くなる馬のこと。厳密には、最初から白い白馬とは違う。
ところが、その事情を伝えられない状態で、別の映像を見せられる。
すると、このドラマの影響を受けたに違いない。
きっと、ファンだと誤認するかも。
さて、ここで考えたいのは、私の目的。
なぜ、こんな「モンタージュ技法的ニュースの見方」を書いたのか。
「報道する側の演出意図をくみ取る重要性」を考えるように、書き手の意図をくみ取ってみてほしい。
もしも、「東映時代劇YouTube」チャンネルで第一話が見られるのを知って、誰かに伝えたくなっただけと思えたのなら、あなたは最高に私をわかっていることになる。
