子どものころ、新聞で最初に見るのは「テレビの番組欄」でした。
一人暮らしを始めたころ、番組欄のために新聞を購読する気にはなれず、ザテレビジョンとかTVガイドみたいなテレビ情報誌を買うように……。
そのうち、テレビを見なくなっていき、再び見るようになった頃には、リモコンに「番組表」のボタンがありました。
電子番組ガイドです。
この流れでいけば、新聞のテレビ欄以外も、配信は可能じゃないか……。
その可能性を考えたメモです。
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電子番組表(EPG)データの取得は、機種にもよるでしょうが、早朝設定なら早朝に更新されています。
この時間帯に、当日から1週間分くらいのデータが更新されている……。
もちろん、テレビなどの機器に負荷をかけ過ぎないよう、配慮はされているでしょう。
具体的には、データ量の配慮。
とはいえ、衛星放送なんかは局数も増えているので、やろうと思えば量は増やせそうなもの。
2000年12月、BS放送が地上放送に先駆けてデジタル化され、番組表の情報をデータとして放送波(映像・音声・データ放送)に多重できるようになり、リモコンの番組表ボタンを押すだけでテレビ画面に番組表が表示されるのが当たり前となりました。この放送波に多重された番組タイトルや放送予定時刻などの番組配列情報をSI(Service Information)と呼んでおり、各家庭のテレビではこのSIを受信して番組表の画面を作成しています。
SIの配信方法について、地上放送とBS放送で仕組みが違うのをご存じでしょうか。まず地上放送ですが、各放送局が自局のSIを自局の放送波に多重して配信しています。この配信の仕方を各局SI方式と呼んでいます。
もし、この電子番組表の機能を拡張する形で、テレビに新聞の内容を送り付けることができるのなら、紙の新聞を購読する人は減るかもしれません。
「どうしても紙面で残したいものがある」という人のために、プリンタを繋げれば印刷可能にすれば、その辺もカバーできるわけです。
問題は、プリンターのドライバーの更新?
紙の新聞を大幅に減らせれば、古紙回収の費用を削減できます。
古紙の紙・板紙別消費量 <2020>
新聞・古紙 55.9%
再利用をしている云々を言う前に、「配達する」「家で整理する」「回収する」「集金する」人たちの手間を減らせる……。
これは、人的リソースの確保に繋がるかもしれない。
読めば捨てるだけの情報紙面は、データで済む。
この転換が、人に余裕を生む。
まぁ、そんな話。
新聞の収入源は広告だとして、その費用対効果は不明のまま。
「広告を載せたから、売り上げにつながった」「イメージアップに繋がった」という効果測定が取りづらい以上、両方が可能なネット広告の前に朽ちていく可能性は高いわけです。
ネット広告であれば、どんな人が目にしたのか。
どの広告がクリックされ、その飛び先でモノが売れたのかわかる……。
アンケートも集めやすい。
それに対する ささやかな反抗として、電子番組ガイド新聞を開始するなら……。
テレビのリモコンの「4色ボタンで投票」ではないですが、「参考になった記事」の投票くらいはできるはず。
それなら、どんな読者層に響いたのかは わかるかもしれません。
効果測定として……。
記事の中に「割引キーワード」を入れ、それを購入時に言ってもらうことで、効果測定をする方法もあるでしょう。
まぁ、今はネットで「キーワード」の拡散が容易なので、これは微妙な手でしょうけどね。
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タダで配信するわけですから、既存の新聞社がやるメリットは無い。
でも、記事内に広告を載せられるのなら、ワンチャンスあるかも?
何せ、テレビ局と新聞社の資本は同じですから、相互作用を狙うことも……。
ここで、広告とは無縁の局が1つ。
CMが流れないNHKです。
公共放送ですからね……。
第3章 日本放送協会
《第15条》《目的》
協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送を行うとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことを目的とする。
www.nhk.or.jp
『放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い……』
らしいので、進歩発達のために「電子番組ガイド新聞」を実験してみるのは、どうかなぁ~と。
でもって、「電子番組ガイド新聞」の広告業としての可能性を探るため、広告展開にもチャレンジする。
そこで得た収益は局の運営予算に加え、加えた分だけ徴収するのをやめる……。
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お金の話は別としても、各省庁のサイトの新着情報あたりを日々流していれば、メディアが“手心”を加えた二次情報ではなく、一次情報を見やすくなると思うんだけどね。
テレビしかない人でも。