メモ書き

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「中国共産党100年 “紅い遺伝子”の継承」の感想

BS1スペシャルの感想です。
割と前に見たものを、今更のメモ。

www.nhk.jp

対照的な「村」を比較しながら、100周年を迎えた中国共産党を見ていく感じのドキュメンタリーです。

地方行政は、省級、地級、県級、郷級の4つの階層があり、省 → 市 → 県 → 村といった感じなので、日本とは市と県の規模が逆。
そういった意味での規模を持った「村」の話。

方や、観光地化が成功した場所。
もう一方は、観光地として鳴かず飛ばずで、地場産業も弱い村。

観光地と言っても、昔から「景色がいい土地」とか、「海の幸が豊富な土地」とか、そういう観光地じゃなりません。
歴史的な意味での観光地。
最近、人工的に作り上げられた博物館的観光地……。

歴史を持ち出すと、文化大革命による旧文化の破壊の話になりそうですが、ここでいう歴史は中国共産党オンリーの歴史。

つまりは、蒋介石 率いる中国国民党軍との戦いにおいて、中国共産党にとって都合がよい場所。
あるいは、何らかのエピソードがある場所。

観光地化が成功した沙州村の武器は「半分の布団」です。

1934年11月、紅軍の女性兵士3人が沙州村に来て徐解秀さんの家に泊まりました。村を離れる前に3人は持っていた唯一の布団を切って、その半分を徐さんに残しました。徐さんは「共産党とは何なのか。一枚しかない布団でも半分を民衆に残す人たちなのです」と感慨深く言ったそうです。
引用元:

japanese.cri.cn

このエピソードをもとに資料館みたいなのを作り、演劇も上映。
さらには、インフルエンサーを用いて、商品化した「半分の布団」をネットで売る商魂の逞しさ。

エピソードに絡んでいる家系の人は出世したり、資料館のガイド役になったり……。
収入が倍増して、調子に乗っている話もありました。
わかりやすい成金っぷり。


対して、「一枚の借用書」というエピソードで収益化を目指したのが官亨村。
こちらは、村に来た紅軍に物資を渡し、あとで返すと借用書を書いてもらった。ただ、それだけ。
話としては、圧倒的につまらない……。

借用書が見つかった後、それが本物だとなり、対価が支払う儀式が行われます。
で、大金を手にした借用書の発見者は村に一部を寄付し、それで学校が建設。

その後、こちらも博物館的なものを作るのですが、誰も訪れない……。
なんでも、道が整備されていないんだとか。

小高い山の上にパンダ望遠鏡を設置しても、客が来ないんで使われない。
収入が無く、事務所の電気代も払えない……。

地場産業としては、ショウガの生産。
とはいえ、感染症で需要が激減し、安く買いたたかれて……。

アフリカ向けのリュックも作ってるけど、十分な稼ぎにはなっていない……。

なもんで、起死回生を狙って演劇大会に出て、「一枚の借用書」で賞を目論むも最下位。

追い詰められていく過疎の村を見せつけられます。

* * *

この観光地化合戦を見ていると、1億円を自治体に配った「ふるさと創生事業」を思い出しますが、行政にも「競争」がある点は「らしい」と思うし、悪い点ではないようにも……。

ただ、「共産党の指示」が随所にみられるので、逆らえない上司の無理難題に苦しむサラリーマンを見るような気持にも。

でもまぁ、強烈な違和感を覚えさせるのは、幼児に手りゅう弾の玩具を持たせて、敵に投げさせる訓練あたりでしょうね。

タイトルの「赤い遺伝子」は、共産党のこと。
習近平は教科書にも載るようになり、台湾進攻に武力を使う可能性を示唆しているニュースがありました。

www.fnn.jp

過去を掘り起こして、都合の良い箇所だけ見て、未来の行動指針にする……。
それに対するモヤモヤの中、保育士の紅軍コスプレを見た際、ある種の“センスのなさ”を感じました。

この時代を生きる“センスのなさ”ですかね。


* * *

前半と後半ではマスクをしている人の数が違うとか、突貫工事の建物とか、ほかにも書きたいことあったけど、いざ書こうと思うと言葉が出てこない……。

www.cnn.co.jp