『スマホで広告を見たら、利用料金がタダに』という未来妄想です。
格付け大手S&Pグローバル・レーティングは26日、楽天グループの長期発行体格付けを「トリプルBマイナス」から、投機的水準とされる「ダブルBプラス」に1段階引き下げたと発表した。
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格付けを下げられ、売りに繋がるのは よくある話。
その逆もあります。
指数に組み込まれて上がるとか、外れて下がるみたいな“誰が買っているのか”&“売っているのか”わかりやすい類ではないですが、割とある感じの展開ですよね。
で、下げられた主要因は携帯事業。
まぁ、なんというか……。
多くの人が「うまくいってないだろうな」と思ってる案件じゃないでしょうか。
単純に、繋がりにくいという意味でも。
既に規模が大きい3大キャリアが存在し、そこに対抗すべく“安さ”で挑もうとしたところに、3大キャリアの値下げ発表。
ahamo、povo、LINEMO……。
おまけに、元ソフトバンク社員にアレコレに、基地局整備の遅れ。
そりゃ、資金も足りなくなる。
ので、「テンセント(騰訊控股)」から出資を受けたら、外為法でつつかれる始末。
踏んだり蹴ったりって、思っていても不思議じゃない。
電波を割り当てられて、値下げ圧力として担がれていたのに、梯子を外された感じだもの……。
* * *
ただ、どんな勝算があって参入したのかが、気になるところ。
デカい企業がシェアを占める中、後発で入っていくからには、確かな勝算はあったはず……。
携帯料金って、収入としては理想的な形をしているので、携わりたい気持ちはわかります。
第一に、毎月の収入が予想しやすい。
月々の料金プランに応じて収入が決まるのは、売り上げの上下が激しい小売業にはないメリット。
「毎月、これくらいが見込めます」というのは、安定した基盤に繋げやすい要素。
何より、仕入れや在庫管理が要らない。
在庫を持たない業種は、利益率が高くなりやすいもの……。
電波絡みの維持費は要るでしょうけど。
でもって、競合は「電波が割り当てられた業者」になるので、参入障壁が高い。
つまり、ライバルが増えすぎて困ることがない分、自分も入りにくい。
そう簡単には解約しないのであれば、損益分岐点を上回る利用者を獲得すれば、企業の安定に繋がる。言うなれば、出来高制にはない、固定給のような魅力。
いろんな事業に手を出していたとしても、この収入の違いは魅力的でしょう。
でも、どうやって3大キャリアを倒すつもりだったんだろう?
単純な値下げだけで、「イケる」と思ったのか。
それとも、経済圏の力を信じていたか……。
信じていたのなら、もっとポイントがたまる何かをモバイルで展開した方が……。
そう考えたところで、3大キャリアに挑めるポイントにはなりそうに思えない。
* * *
安さで戦える状況では、なくなってしまった。
だからと言って、品質では及ばない。割り当てられた電波じゃ、勝ち目薄。
残るは安さを凌駕する「無料」と、付加価値しかない。
「無料」は条件付きで既に実施されたので、あまりスマホを使わないけど、電話番号を保存しておきたい人には、うってつけのキャリアになりました。
とはいえ、たくさん使う人の選択肢には入らないでしょう。
かといって、価格を上げれば乗り換える理由はなくなる……。
ってことは、「無料」で勝負するほかないわけです。
それじゃ稼げない?
だったら、携帯で稼ぐのを諦めるのがベター。
別に、撤退しろって話ではなく、生存戦略を変えるという話。
通信インフラとしてではなく、広告媒体としてのスマホに価値を置くわけです。
スマホを起動すれば、いろんな企業の広告が表示される。
その広告が目に付く代わりに、利用料金がタダになる。
スマホの利用料で稼げない分は、広告主からの広告料で補うモデル。
利用者は、タダで使えてハッピー。
広告主は、必ず広告が目に付くのでハッピー。
まぁ、都合よくいけば、そんな感じ。
問題は、タダのスマホを使う層は、おそらく金銭的に余裕がないってこと。
それって、広告を出したところで、購買に繋がりにくいという……。
そういう問題点もあるけど、「バイトの募集」とか、お金に余裕がない層への「政府広報」であるなら、これ以上ない費用対効果を見込めるかも。
ってなことは、前にも書いた気がするけど、微妙に違ったかな?
下記の記事とか、少し似ている気もするけど。
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それとも、正攻法に「普及を信じて」続けていくのか……。
例えば、サイバーエージェントのように、赤字続きのAbemaをゲームで補填する感じで、ほかの事業でカバーするようにして、いつか花開く日を待ち続けると。
楽天の場合、カバーに回るのは金融事業でしょうね。
楽天証券とカード。この辺。
でも、足りないかな。
もしかしたら、「光免疫療法」が……。
DMMみたいに「うちのポイントがゲーム内で使えます」と、プラットフォーム化を宣言。
「楽天ポイント利用可能」で、ゲーム内の条件を満たせば「楽天ポイントが貯まる」とかやれば……。
無課金のユーザーも、ポイントが貯まる店で買い物をするようになり、ゲーム内で消費。
あるいは、ゲームで活躍して貯めた人が、せっかくだからと店舗で利用し、常連客となっていくかも?
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ひょっとして、「TSUTAYAゲーム」って、そういう狙い?
ポイントが貯まった気がするし……。やってないけど。
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【追記】
こっちだった。