メモ書き

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「スマホに消されていくモノ」を見て、「GDP」の意味を考える

GDP、それは……
国内で、1年間に新しく生みだされた生産物やサービスの金額の合計。

『Gross Domestic Product : 国内総生産


“国内”で?
じゃ、海外展開している企業が、“国外”で生み出した生産物やサービスは加算しないのかよ。
それって、グローバル化した社会の指標として、どうなのさ。
「GNI」で語れよ。 『Gross National Income : 国民総所得』で。

……といった話は脇に置いて、モノの変化について書いていきます。

* * *

平成初期の生活であれば……

起床は、目覚まし時計で。
道に迷ったら地図を見て。
支払いは、財布から現金、またはクレカ。
暇つぶし用に、本や携帯ゲーム機、ポータブルオーディオプレーヤーを持ち歩く。
健康のために、万歩計で歩数を測定。
家に帰ったらテレビを見たり、深夜にラジオを聞いたり……。

といったことが、今はスマホで済む。

起床は、スマホのアラーム機能で。
道に迷ったら地図アプリを見て。
支払いは、スマホで電子決済。
暇つぶし用に、電子書籍やゲームアプリ、音楽配信サービスを利用。
健康のために、万歩計アプリで歩数を測定。
家に帰ったらスマホで動画配信を見たり、ネットラジオを聞いたり……。

やっていることは、大体同じ。
なのに、生活に必要な家電は、減っていませんか?

GDPは、1年間に新しく生みだされた生産物やサービスの金額の合計です。
生活に必要な家電が減れば、生み出される生産物も……。

まぁ、その分サービスが増えればいいのですが、「無料アプリ」で済んでしまうことが少なくありません。
これをもって「不況の原因は、スマホだ」とか、「いやいや、GDPがオワコン指標になっただけ」とか、そういう方向性で話を進めることもできるでしょう。
でも、ここから先は別視点で展開します。

* * *

逆に、スマホの普及で需要が増したものもあるわけです。

・モバイルバッテリー
記憶媒体
・イヤホン、ヘッドホンの類
スマホケース
スマホリング
・液晶フィルム
・プロジェクター
VRゴーグル
・無線のキーボード
・急速充電器

スマホの普及が、高度経済成長期に起こった「生活スタイルの洋風化」並みに、大きなスタイル変化だったとしたら……。
その割には「経済効果が微妙」という指摘がしたくなります。

微妙な理由は、先に書いた無料サービスの多さと、スマホ関連グッズを買う層が限られている点でしょうか。
らくらくスマートフォン」を使っている層が、スマホリングを付けているのを見たことがない。VRゴーグルを利用するとは思えない。
これって、市場の「伸びしろ」に影響してるんじゃ……。

そんな風に考えると、たかがスマホ関連グッズの1つや2つ、単価としては1万円も超えない低単価商材と、軽んじていいのかなとか思ったり。
もしも、その市場が今よりも拡大する速度が早く、規模が大きかったのなら、違う結果が待っていたのではないか……。

すべては憶測であって、妄想に過ぎないのですが、可能性を探っていくと、新しい商品を思いつきそうで、「楽しいかな」と思い至り、こうして文章にした次第。

そして、文章にして改めて思ったのは、「あまり、モノは要らないな。ゴミを出すのも有料だし、買わずに済むに越したことはない」ということ。
何かを買うと、「開封する」「使い方を覚える」「置き場所を確保する」「管理する」「適切に捨てる」といった作業が発生します。
であれば、買わずに済むのがベターなんですよ。
「お買い得」なんて滅多にない。大半は「買わず得」であり、「消費損」があるだけ。

かつて、「あの映画を見たいな」と思えば、レンタルビデオ屋に行って借りたわけです。
「店に移動」「探す」「借りる」「見る」「巻き戻す」「店に移動」「返す」「帰宅」と、この作業が必要でした。
今は、「あの映画を見たいな」と思えば、「アマプラで検索」「再生」で終わりです。

これと同じくらいの作業工程の省略が、各分野で起こっているんじゃないか……。
だとすれば、作業工程を増やすモノの購入は、廃れていく要素じゃないかと思うわけです。

モノの価値が、作業工程の増減で決まる。

その作業工程を楽しめるものは別として、別に楽しくもない工程であれば、消えていくのが「発展」というもの。
やがて人は、「何もしたくない」に近づいていく……。

う~ん、考えすぎかな。

* * *

GDPは国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額。 “国内”のため、日本企業が海外支店等で生産したモノやサービスの付加価値は含まない。
一方GNPは“国民”のため、国内に限らず、日本企業の海外支店等の所得も含んでいる

www.esri.cao.go.jp

 
* * *

まぁ、モノが要らなくなれば、生産を基準にした指標の存在感は薄れるでしょう。
サービスにしても、「使わずに済む」ようになった方が、ベターなものもありますからね。
「移動しないで済む」とかね。

そうなったら、どんな指標を用いるのが、生活の向上を知るうえで適切なのか。
なかなか、難しいところですね。

深く考えずに案を出せば、生活調査アンケート……。
ズバリ、聞いてしまうというもの。

満足度調査とか、怪しい限りですけどね。
誘導を前提とした質問とか、「良い」と「悪くない」しかない感じの質問とか……。

リピーターに満足度を聞く通販サイトみたいになったら、嫌ですね。
満足してる人しかリピートしないのに、その数値を誇らしげに掲げるとか、やり方が……。

アレコレ書いたけど、物欲がなくなればGDPは上がらない。
国民が煩悩を打ち消したら、経済は回らない。
そういう意味では、宵越しの銭は持たぬ人が増えた方が、数値を高めるには有利かもね。

あるいは、モノを買わないとダメな人を増やすとか。
あぁ、そうだ。
親と同居している人をディスって、一人暮らし推進キャンペーンを展開し、引っ越しさせれば「新たな家具」「新たな家電」という消費が生まれ……という流れで、「こどおじ」に繋がっていたら、嫌ですね。

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最後に書くのもなんですが、これを書いている人間は月に一度くらいしかスマホを使わないので、「こんな使い方をしている人もいるだろう」というイメージで書いています。