メモ書き

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2031年、親のSNSを探す旅

2031年――

A「なんか最近、親のSNS探し流行ってるよね」

B「あれって、精子バンク利用者の子が、提供者を探すようなもんだよな」

A「どんな親か気になるって意味では、そうだな。違いは、他人の親の投稿を見つけるのも簡単ってとこ。知り合いが、親の投稿をネタに叩かれてて、気の毒なんだわ」

B「あるよな、そういうの。バカ親たちは、なんで そういうのを誰でも見られるネット上に残したんだろうな。過去の鍵アカウントとか、今じゃ意味ないのにさ。落ち目のSNSなんて、ガバガバもいいところだし」

A「こうなるって想像してなかったんだろう、老害だもの。まぁ、当時は若かったんだけど」

B「若気の至りとでも言えばいいのか? 子供が成長した後、育児が原因で両親が対立してるのを知った子の気持ちとか、想像できないくらいの若気の至りか……」

A「想像力の乏しさに、年齢は関係ないな。単純に足りないだけ。自分の賛同者でも欲しかったか、身近なネタで注目を集めて、承認欲求でも満たしたかったんだろう」

B「親の願望実現のために、赤ん坊のときの裸が晒されてるのもいると思うと、悲しくなるよな。本人が意図せずに、ファーストヌードだろ? あれ。ああいう親って、何を考えているんだか……」

A「あの手の親は、何も考えてないんじゃない? たまにさ、子育ての大変さとか語ったり、子育てエピソードを自慢げに語ったりしてるのを見るんだけど、その子の成長を追っていったら殺人犯になってやんの」

B「何なんだろうな、ああいうの。やたらと人に配慮を求める奴に限って、問題を起こすのを育てて、被害者ぶってんだよ。多くの人の手を借りた上に、結果がそれかってね。嫌になるよ」

A「まったく、10年くらい前に投稿してる連中は、将来のこととか考えてなかったんだろうか?」