Amazon.co.jp: ザ・フード -アメリカ巨大食品メーカーを観る | Prime Video
「アメリカの食品メーカー史」とでも言うべきドキュメンタリーの感想です。
産業革命によって「都市」が生まれ、大勢の人が狭い場所で暮らすようになり、食糧生産の場から離れた生活に変わった……。
そこで起こる食の問題。
買って食べるまでは、安全かどうかもわからない。
でも、買うしかない。
そんな状況の中で、腐った肉を誤魔化して売ったり、着色料で白くした薄めた牛乳が出回ったり……。
劣悪な環境の中だからこそ、中身の安全性を示すため、透明な瓶にケチャップを詰めて売ったハインツ。
他は、中身を誤魔化すために色つきの瓶を使っていたのに……。
といった感じの話が、各メーカーごとにある感じですね。
ハインツは、その前に逮捕されたり、詐欺師呼ばわりされたりと、それ以前のドラマもなかなか。
ほかには、コカ・コーラを生み出したペンバートン。
シリアルのケロッグと、それをパクッて拡大したポスト。
ポストが亡くなった後、引き継いで事業を拡大した娘。
その娘のお陰で成功した冷凍食品のバーズアイ。
あと、ミルクチョコで稼ぐと決めたら、そのレシピを作る前に、チョコレート工場を含めた街づくりから始めるハーシー……。
「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」で見たやり取りもありましたし、知らなかった流れも確認しました。
知らなかったのは、マクドナルド兄弟が効率化されたキッチンのノウハウを有料で教えていた際、バーガーキングとタコベルの創業者が来ていたこと。
どの食品メーカーも、元を辿ればライバルは近いところにいるんですよね。
酷いのは、ケロッグとポストの関係。
レシピを盗んでますから……。
ケロッグは、グラノーラを考案した診療所経営する医師が始まり。
と言っても、会社としてのケロッグは医師の弟のもの。
この兄弟の葛藤もなかなかですが、今もある怪しげな健康療法ビジネスの先駆者は、このケロッグ兄貴かも……。
そんな診療所で出されていた飯がグラノーラで、そこに行くほど病んでいたのがポスト。
ハーシーのライバルとしては、マースが出てきます。
こちらは、原料としてチョコレートを提供していたハーシーと、その提供を受けて大ヒット商品ミルキーウェイを作ったマースという関係。
マースでは、親子の葛藤が見られます。
ケンタッキーのカーネル・サンダースも出てきますが、知っている内容が多かったので、個人的な注目ポイントは銃撃戦でした。
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お腹が空いているときに見るのは避けた方が良さそうなドキュメンタリーですが、経済成長と求められる食の変化を知るには、いい作品かも。