足元がくすぐったい。
最初の感触は、そんなところ。
これは、蟻が足を上ってくるゾワゾワ感だなと、そう思って足を見たら、実際にそうだったので、そこまで驚かない。
数日前にも、似たようなことがあったし……。
何より、外壁の隙間に蟻が密集していたのを見たばかり。
そこにスミチオン乳剤を家族が使った跡も見た。
でも、他にもいないか探して絶句する。
大量にいた。
大量に、部屋に侵入していた……。
久々に、ゾッとする。
面倒なことになったと思いながら、掃除機で吸い上げて終了……とは、いかない。
侵入経路が不明なうちは、安心できない。
蟻がいた位置を考えるに、壁際なのは間違いない。
コンセントがあるので、その辺か?
エアコンの管とか?
あれこれ考えたけど、奴らは床にいる。
壁を上っていないし、壁際を歩いている奴ばかり……。
結論、壁と床の隙間から侵入している。
壁と床の境目を「巾木・幅木(はばき)」と呼ぶらしいけど、その部分が床よりも浮いている箇所があったので、そこを塞ぐことを思いつく。
ガムテープで塞ぐ?
跡が残って大変そう……。
とりあえず、蟻に上られた足を拭こうと、ウェットティッシュを取り、サッと拭いて考える。
このアルコール臭のするティッシュで塞げば、匂い的にダメージがあるかも。
そう思ってティッシュを壁の隙間に押し当て、それを押しとどめるのに最適なものを探す……。
机の下に敷いている「透明なフロアシート(チェアマット)」があるじゃないか。
で、気づくのです。
壁の隙間って、このシートがぶつかるところに出来ているなと……。
* * *
このシートを壁に押し当て続けて隙間ができた。
そして、そのシートを手前に引いたら、隙間から侵入され始めた……。
なるほど、だとすれば原因を作ったのは私だ。
謎は、解けた。
ということで、少し安心したので、蟻の調査は終了。
念のため、ネズミ捕り用の粘着剤を仕掛け、作業を終えました。
* * *
あれこれした後、蟻のことを調べたら、奴らは「蟻酸(ぎさん)」という匂い成分を用いて、マーキングしていると知りました。
だから、仲間が同じ経路で入ってくるわけです。
あれこれした後、蟻のことを調べたら、奴らはマーキングしているようですね。
「蟻酸(ぎさん)」という匂い成分を用いて。
だから、仲間が同じ経路で入ってくる。
そういう意味では、アルコールで匂い消しは妥当でしょうか。
なんか、酢やゴムの匂いが苦手という情報もありました。
あと、蟻が入ってくるなら、甘いものの匂いに誘われて……と思いがちですが、雨の日に入ってくるんですよね。たぶん、逃げ場を求めて。
* * *
そういや、働かない蟻の話はよく聞きますが、実際にはブラついてあちこち動き回ることで餌を見つけ、仲間に知らせている点を考慮すれば、彼らは偵察部隊みたいなもので、働いていない訳じゃないように思うんですよね。