メモ書き

****

デフレの原因は「末尾8円」説

198円、1,980円、3,980円……。

低単価では1桁、それ以上では10桁が8になる値付け。
それを「末尾8円」と呼称して話をします。

これって、よく見る値付けですね。
でも、2004年4月から総額表示が義務化されているので、税抜きで「末尾8円」は……となるはずでしたが、増税が予定されていたので「条件付きで税抜き価格の表示も認める特別措置法が施行」⇒「しばらく放置」⇒「消費税率を10%に引き上げてから1年半が経過した3月末で失効」となりました。

総額表示」とは、消費者に商品の販売やサービスの提供を行う課税事業者が、値札やチラシなどにおいて、あらかじめその取引価格を表示する際に、消費税額(地方消費税額を含みます。)を含めた価格を表示することをいいます。

www.nta.go.jp

でも、まだ見ますよね、税抜き価格での「末尾8円」を。
特にスーパー。

スーパーで買うものは税率8%が多いので、10%の商品とは比較しづらいですが、計算が面倒なのは変わらない。

そもそも、200円、2,000円……って書くより、2円安く&20円安くして、198円&1,980円とした方が、気持ち的に「安い!」となって売れる。
だから、普及したんだと思います。

ただ、この末尾替えのために、かえって損をしていないか。
ふと、そう考えたという話です。

価格において、「安く見える」を追求した結果、やたらと小銭が必要になって、会計時の時間ロスが生まれた……かも。
会計に時間がかかると、「混んでるな。買うのやめよう」と思う人も出るわけです。これは機会損失。

財布を小銭でパンパンにしたくないので、それで買い物を避けるケースも、少しは増えたかもしれません。これも機会損失。

小銭を渡す手間という労力面でのコストアップ。これは回転率の低下にも繋がります。

何より、この「安さ」の追求によって、「安くあらねば」「安く買わねば」のデフレスパイラルが開始。

「少しでも安く」が数円&数十円単位の値付け合戦となり、コストカットが激化して、その意識は従業員の給与にも向かう……。

『一銭を笑う者は一銭に泣く』

少額でも粗末にしてはいけないという言葉もありますが、『時は金なり』という言葉もある。
数円のために、二度と戻らない時間を使う価値が、本当にあるのか……。
ケチった金が巡り巡って、世間の金まわりを悪くしないか……。

* * *

それを考えると、電子マネーやクレジットカードの優位性は、便利さ以外にも見えてきます。
大金を持ち歩かなくていいとか、気軽に借金をしやすいので単価が上がるとか、色々とあるでしょうが、先にあげたデメリットを打ち消すのも大きい。

ですが、別のデメリットが発生するでしょう。
使えない人にとっては関係ない。
決済方法を増やす手間、覚える手間、手数料……。

そして、メリットとなるはずの付与ポイントです。

「末尾8円」コンボの末に、あと数円足りないばかりに、四捨五入されてポイントが付かない分。
これが積み重なれば、得してるのか、損をしてるのか、もはや微妙。

それなら、いっそ「末尾8円」ではなく、「スッキリ価格」にして、「スッキリ会計」を売りにしたら、どうなんでしょう?

1,980円で売るより、2,000円以上お買い上げで、ポイントサービス!

……みたいな?

* * *

そういうことを思ったというだけのメモです。