メモ書き

****

「ミャンマー民主化の内側で アウンサンスーチーの真実」の感想

www6.nhk.or.jp

BS世界のドキュメンタリー」で放送された番組の感想です。

デンマークの取材班による2019年の制作なので、ちょっと前までの内容ですが、今 起こっていることを理解するうえでも、よい番組に思えました。

内容を時系列で並べなおすと……

まず、ミャンマービルマ)は色んな部族とか、宗教が混じった地域であること。
そこが、イギリスから独立するため、人々をまとめあげたのが、アウンサンスーチーの父親であり、国父にして軍隊の創設者アウンサン将軍。
でもって、この独立戦争でイギリス側に付いたのが、ロヒンギャ……。

独立を果たすものの、アウンサンスーチーの父親は暗殺。
軍事政権へ……。

長く続く彼女の軟禁生活が始まるわけですが、軍部にとって不都合な存在でありながら、殺害されない理由には「国父の娘」というのが大きいでしょう。

で、軍事政権は国際社会から批判され、そこから抜け出すためには民主化が必要ということに。
そういう外圧に応えるために、彼女の軟禁状態を解き、選挙を実施。

その選挙で彼女が率いる党が圧勝し、流れが変わっていくわけですが、この選挙の日取りは占星術師の占いで決めてるんですよね。

軍部「軍部が圧勝する日付を教えよ」
占い師「この日です」

これに限らず、よく出てくるんですよね、占いが……。この国の政治に。

ただ、彼女の党が勝ったとはいえ、憲法に「家族に外国籍がいる場合、大統領になれない」とあるので、彼女はトップに立てない。息子が、イギリス国籍なんで。
そういう布石を打ったうえで、軍部は選挙を実施しているわけです。

この憲法に対し、彼女の弁護士は法律の穴を探すわけです。
で、大統領になれなくても、その上に顧問を用意できるとなり、今の地位に。
大統領は、彼女の意見に従う従順な人を選出すればいいんでね。

問題は、この提案をした弁護士が殺害されたこと。
さらには、この人がイスラム系だということ。
ロヒンギャは、イスラム系です。

国民感情としては、独立戦争の遺恨もあり、許し難い存在なんでしょう。
そんな状況を強めるかのように、ロヒンギャ絡みのテロが起こるわけです。

このテロは軍部が制圧。
顧問は軍部に対して何の権限もないので、何も言わないし、軍部は勝手に動く。
その結果の民族浄化的なそれに……。

こうしてロヒンギャは隣のバングラデシュへ。

この軍部の行動を批判してほしいと願う国際社会(仮想)は、ロヒンギャを庇おうとしない彼女に憤るわけですが、彼女は彼女で国全体と今後を考えれば、軍部との衝突は避けたいし、当選するためにはロヒンギャを嫌う国民の票を失うわけにはいかない。

……といった感じですかね、大雑把にまとめれば。

* * *

感想としては、テロは軍部が偽装したんじゃないかとか……。
占い師に金を渡せば乗っ取れる国なんじゃないかとか……。
そもそも、20年も軟禁されたら、世の流れから感覚がズレすぎて、有効な一手は打てないんじゃないかとか……。

あれこれ思いましたが、取りあえず読むのを忘れていた下記の記事を見ました。

「日本人はスーチーさんを誤解」 ミャンマー取材27年の記者が読むクーデター

globe.asahi.com

なんか、読みづらいな。
やっぱり、途中で飽きる。

なんか、もっと現地の人の言葉を紹介する感じの内容のほうが良かったですね。
「私が見たミャンマー」が多いと、主観が強い印象。

タン・シュエを知らない」を見て思い出したのは、番組内で出てくる軍部の人名の覚えづらさ。
どれも語感が似ていて、さっぱり頭に入ってこない。

あと、彼女は日本に留学したのにアレで、コレで……というのを聞いたのを思い出しました。

* * *

えっと、何か結論があるわけじゃなく、こんなんだったというメモです。