メモ書き

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「潜入10年 北朝鮮・武器ビジネスの闇」の感想

www.nhk.jp

北朝鮮相手にスパイ活動をしたデンマーク人のドキュメンタリーの感想です。

活動期間は10年。
家族にも内緒で、スペインに本拠地をもつ北朝鮮との文化交流団体KFAに潜入。

そこは西欧諸国の体制を批判し、共産主義に“夢を見ている人”の集まり。
でもって、生まれは貴族だが労働者だというアレハンドロというスペイン人の大物がいて、北朝鮮の武器ビジネスの仲介をしている……。

アレハンドロは、下記リンク先で顔写真が見られます。

ベノス朝鮮平和統一国際行進隊隊長に聞く、7月下旬に平壌−開城を行進

個人的な注目ポイントは、その手口でしょうか。
スパイの手口ではなく、武器ビジネスの手口のほう。

文化交流団体KFAは、表向きは単なる友好団体。
目につきやすい行動としては、北朝鮮に対する非難をかわすとか、そういうの。

一方で、北朝鮮への支援をアピールし、救援物資を届けたら、その帰りに別のものを運ぶ……。
この場合の別のものは、よろしくないもの。
まぁ、制裁を受けている時点で、そうじゃない品でもアウトなんですが……。

輸入といえば、石油も制裁でダメになっているので、その確保に動いていましたね。
でもって、北朝鮮と交流がある国にシリアがあるんですが、イスラミック・ステートが壊滅状態になってからは、武器の売り先に困っていると……。

そんな状況下で現れる謎の投資家ミスター・ジェームズ。
勿論、スパイ活動のために用意した偽の投資家。
彼に北朝鮮側は食いつくわけです。

この彼が武器を買いたいと言うと、北朝鮮でもてなされ、アフリカのウガンダに工場を建てようと提案してきます。

なんで、アフリカなのか……。

それは北朝鮮の周辺だとチェックが厳しいから、遠く離れた場所の島を買って、そこで製造するのがいいという理由。
既にノウハウがあるようで、武器の価格表はあるし、ウガンダ政府にも通じていると……。

で、ウガンダに行くと、買収予定の島の民に大歓迎されるわけです。
島民を立ち退かせるために、「病院を建てる」という嘘をついていたから……。

この島を買収後は、武器の製造工場や覚せい剤の工場を建設し、そのうえをホテルにしてカモフラージュ。
ホテルにすれば上空からのチェックも問題ないし、航空機が離着陸しても問題ないという計画性。
完成したら、技術者を送りこんで製造開始。

あと、北朝鮮に入港するたびに船の名前を変えるとか、直接向かわずに どこかを経由するとか、三角貿易の話も出ていましたね。

これを見て、数カ月で仕事を辞める人がいるのにスパイを10年って……。
その後遺症的なものがとか……。
最後の「スパイでした」と明かすシーンは、ドッキリっぽいなとか……。
あれこれ思いましたが、この手口はメモしておきたいなと思って、これを書いています。

でもって、「経済制裁をする」⇒「解除する」⇒「経済制裁をする」⇒「解除する」を気まぐれに繰り返すか、あらかじめ主要な国でサイクルを決めておいて実施すれば、そっちのほうが混乱するんじゃないかと思ったり。。。
ほら、かの国と仲が良いところほど困るし、かの国も関係の修復と解消を繰り返すわけですからね。


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以下は、番組関連のリンクです。

www.bbc.com

www.nhk.or.jp