メモ書き

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投げ銭しながら、貧困の中心で「富の再分配」を叫ぶ

生活に余裕がなさそうな人が、スパチャしている投稿を見ます。

※ スーパーチャット:YouTube投げ銭機能

ありふれた光景になってきていますが、よくよく考えると「おや?」というケースも少なくありません。
自分より資産がありそうな相手に、資産の無い者が お金を渡しているんですよ?

何でって、思うじゃないですか……。

富のある者に、自ら富を渡す。
それでいて、他の投稿では「金持ちを優遇するな」と言っていたり……。

https://dic.nicovideo.jp/oekaki/407867.png

もしかしたら、相手が自分より資産が無いと思っているのでしょうか?
いや、羽振りを見ていれば、わかりそうなもの。

相手に自分を認識してもらう方法が「投げ銭」しかなく、その額によって効果が変わるので、身銭を切るのでしょう。
「わずかな資産の維持」<「相手に良い恰好を見せる」

恐ろしい……。
好奇心は猫を殺す、承認欲求は理性を殺す。

「楽しませてくれたお礼」の投げ銭なら、「コメントがスルーされた」なんて、どうでもいいこと。やはり、見てほしいのでしょう。

 

それでも、なけなしの金を使って得られた「あの人に見てもらえた」という満足感が、その人を一時的にでも幸せにするのなら、それはそれで生き方と呼ぶべきものなのかも。

言ってしまえば、多幸感至上主義。
いや、支配的多幸感追求。

こういう話を書いていて思い出すのは、アイドルの追っかけをした人の後日談。
……というか、反省文ですかね。
「何も残らなかった」というアレ。

そういう視点で見ると、複雑な心境になります。
なんか、貢ぎまくった相手に捨てられた後、「あんな男(女)!」というシーンを見た後のよう。

投げ銭される側は、濡れ手に粟かもしれませんが、誰もが その立場になれるわけじゃないので、そっちはそっちで色々あるんでしょうけど。

* * *

投げ銭する一方で、「富の再分配」も叫ばれています。

「儲かっているんだから、社会貢献しろ」
「たくさんあるなら、俺にもくれよ」
「もっと、お金配りしてください」

何でしょうね、これは……。
再分配を望むのなら、まずは自らが「富の集中」を避けるべき。
いくら「富の再分配」を叫んでも、自分が「富の再々分配」をし、「富を集中」させていたら救いがない。

搾取されるシステムに、適応し過ぎじゃないですか?

* * *

いやいや、これは搾取ではなく、別の何かだ……。
そう捉えると、生活に余裕のない人の方が、他者への贈り物が多いという話が脳裏をよぎります。

nlab.itmedia.co.jp

「他者への贈り物」という文化は、狩猟生活している頃から見られたそうです。
貴重な物を分け与えることで友好の意思を示し、争いを避ける。
その方が、お互いにとって良かったのかもしれませんし、何かを与える行為自体に満足感があるのかも……。

ほら、孫に何でも買い与える祖父母とか、いるじゃないですか。
誰かに何かしてあげることで、喜びを得る。

そこには承認欲求とは違う感情があるでしょう。

ただ、その感情を利用した金稼ぎが、投げ銭だとしたら……。
何ていうか、心理学がマーケティングに使われるようになってから、人の心理に付け込んだビジネスが増えた気がしないでもない。

* * *

結局のところ、富の集中は避けられないのかもしれません。
多く持つ者が、より多くを手にする。

珍しさで言えば、「多く持つ者」>「多く持たない者」

この時点で、稀少価値は「多く持つ者」にある。
稀少性の高い話を聞きたいなら、「多く持つ者」の近くに行けばいい。
どっちになりたいのかと言えば、「多く持つ者」だから需要もある。
結果、より多くが集まる……。

これを打開するには、「多く持つ者」が「多く持たない者」に付加価値を付け、貴重性と需要を増さなくてはいけない。

そういう意味では、必要なのは「富の再分配」ではなく、貴重性の創出ではないか。

* * *

そんなことを思ったところで、お金集めの原理は変わらない。
政治が金集めの集大成だと思えば、タレントやスポーツ選手の政界入りも納得がいく。
政治に詳しい無名よりも、お金を集めやすいからだ。
あぁ、そうだよなぁ……。

news.livedoor.com
よくもまぁ これだけ、政治家に投げ銭できる……。
見方を変えれば、そんな感想にもなる。

きっと、誰かを応援できるのは、欠点を気にしないから。
ずっと、そう思ってきた。

「あの政党を支持する」
「え~、あそこって、XXじゃん」

ダメ出しすると、応援なんかできやしない。
基本、人間には欠点があるように、政策にも欠点があるし、良い点もある。

たぶん、すべてが応援できる政党などない。
でも、幾つかある中からどれかを選ばなければ、自分にとっての最悪が選ばれるかもしれない。

だから、欠点を気にして誰かを応援しないよりも、それを踏まえたうえで一票を投じる必要がある。
そんなことを言っている人を見て、「あぁ、なるほどな。自分にはなかった発想だ」と、少し感動しました。

私は、ゼロかイチで物事を判断する傾向がある。
そのとき、そう思ったものです。

だからって、投票しませんけどね。

* * *

話を投げ銭に戻します。
コロナ過において、キャバクラで動画配信。
投げ銭をもらう……。

元々が投げ銭みたいなシステムっぽいので、相性はいいんでしょうね。

「〇〇ちゃん、欲しいって言ってたバッグを買ったよ」

コレ。
太客になるため、身内には買ったこともなさそうな物をポンポン渡す……。

www.fnn.jp

ホストクラブだったら……

「今月はXXの誕生日だから、私が一位にしてあげる」

コレ。

そんな世界が潰れたら、そのフィールドをネット上に変え、強敵として君臨するのかも。
ただ、キャバクラやホストクラブでだと、店のサイトで顔を確認できるので、何かあったら特定班が出動し……以下略。

そういや、ああいうところで感染者が出たら、店の在籍リストあたりを見て、「コイツじゃね?」とか、噂されるんだろうか……。