【石黒版】銀河英雄伝説の感想です。
石黒版と書いたのは、リメイク版があるから……。
そっちも見ているので、あとで少しだけ触れています。
今回見たのは、以下のタイトル。
銀河英雄伝説 本伝シーズン1~4
https://www.amazon.co.jp/dp/B08BC6T63Q/
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銀河英雄伝説 わが征くは星の大海(映画)
https://www.amazon.co.jp/dp/B08BY3YVB5/
銀河英雄伝説 新たなる戦いの序曲(映画)
https://www.amazon.co.jp/dp/B08CSWN1SZ/
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銀河英雄伝説 外伝 螺旋迷宮
https://www.amazon.co.jp/dp/B08LZYF2QB/
銀河英雄伝説 外伝 白銀の谷
https://www.amazon.co.jp/dp/B08KPPMTZN/
銀河英雄伝説 外伝 叛乱者
https://www.amazon.co.jp/dp/B08L8GBLMK/
銀河英雄伝説 外伝 決闘者
https://www.amazon.co.jp/dp/B08L8H366B/
銀河英雄伝説 外伝 奪還者
https://www.amazon.co.jp/dp/B08L8H82FY/
銀河英雄伝説 外伝 朝の夢、夜の歌
https://www.amazon.co.jp/dp/B08KPMXVQ1/
銀河英雄伝説 外伝 千億の星、千億の光
https://www.amazon.co.jp/dp/B08KPL5LZ5/
銀河英雄伝説 外伝 第三次ティアマト会戦
https://www.amazon.co.jp/dp/B08KL33772/
銀河英雄伝説 外伝 汚名
https://www.amazon.co.jp/dp/B08KPMKKXT/
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えっとまぁ、旧作の「黄金の翼」以外ってところ。
もし、これから見るのでしたら、映画「銀河英雄伝説 わが征くは星の大海」を最初に見て、そのあとに本伝。
あるいは、映画「銀河英雄伝説 新たなる戦いの序曲」の順だと、時系列的に見やすいでしょう。
時系列的には外伝が最初になりますが、本伝で活躍するキャラの過去話なので、本伝でキャラを知った後の方が楽しめると思います。
見る順番は、リストアップした順で……。
ただ、「外伝 螺旋迷宮」は、最後でもいいです。
理由は「外伝 螺旋迷宮」は同盟側、それ以外は帝国側と区分けできそうな内容だからです。
とはいえ、各外伝の最終話予告で続きが示されており、「外伝 汚名」の続きが「本伝 シーズン1」なので、公式が薦める順番は先の通り。たぶん。
公式が薦める順番と書きましたが、外伝は時系列順にリリースされていなかったはず。
なもんで、アマプラでの公開も時系列順ではなく、リリース順だったような……。
ここ数ヵ月、本伝 シーズン1が公開され、次にシーズン2……。
それから外伝という感じに、月に2クール分くらい追加されていました。
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で、感想です。
数十年前に通してみているので、内容は既に知っています。
もちろん、覚えていないこともありました。
それはそれで、いいんですけどね。新鮮な気持ちで見られるので……。
前に見たときは学生だったので、登場人物が30歳になるのを嫌がるのを見てピンときませんでしたが、今となっては違う感想を抱いてしまいます。その辺が一番悲しい。
学生当時は、艦隊戦で古代の兵法を学ぶような面白み、政治体制や思想の違いから社会を考える楽しみを味わったような……気がします。
他の作品に比べ、宇宙での戦いをリアルに感じたものです。
歳を食ってから見て思ったのは、「企業名が出てこない」ということ。
螺旋迷宮でビールの銘柄は出てきますし、フェザーン商人という単語は頻繁に出てきます。
でも、もっと大きな企業なんかが、色々と絡んでいても……。
そう思えてしまうのは、会社員として働いたからなのかも。
長く専制政治を行えば、すべてが国営になってしまい、同盟側も……。
そういう発想もできますが、なんか釈然としない。
膨大な数の艦艇は誰がつくり、その資材はどこから調達しているのか……。
被害数を見るたび、資源惑星が何個も消えているんじゃないかと思えてきます。
もしかしたら、原作では何か書かれているのかもしれませんが、小説版は1~2冊くらいしか読んだ記憶がない。
それも友人宅で急いで読んだ感じだったような……。
著者自ら「大嘘」と書いてあったので記憶に残っているのは、ウラシマ効果が無いこと。
確か、それがあると物語が破綻するからと、あとがきに書いてあったはず。
そういう意味では、これを見る前に「トップをねらえ」なんかを見ると、楽しめなくなるかも……。
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リアルに感じた戦闘も、宇宙空間なのに平面的な戦闘だなとか、船の形は戦闘をするのにベストなのか、なぜ実弾兵器が無いのか……。
そういうことが気になってしまい、面白い点だけを見ていられた頃を懐かしむ始末。
まぁ、何もかもが設定であり、そういう世界観での話。
といった解釈で見るのが、視聴者としてはベターですかね。
そう思いつつも、「被弾した船の破片が、船内で司令官を突き刺すシーン」の多さは、何というか……。
どういう設計思想で、あの船をと思わずには、いられない。
細かい点と言えば、人口における男女比ですかね。
帝国は女性が戦場に出ない。
つまり、人口比が歪になっているはず……。
こういう風に考えていくと、百年以上も戦っている弊害は、各所にあるような気がしてきます。
してきますが、女性が余っていると思えば、ポプランやシェーンコップの自慢が、大したことがないようにも……。
※ 同盟は女性も前線に出てますけども。
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同盟側の歴史は、200年くらいだったでしょうか。
あの逃げてきた面子の知識と資材で、あの発展を遂げたのは凄い。
素直に捉えれば、そうなりますが、現実的かと言われれば……。
より現実的に考えるなら、同盟の成立にフェザーンの出資があったみたいな?
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ここでリメイク版の話を少ししますが、新しいキャラデザインではメガネの人がいるんですよね。同盟側ですが。
劣悪遺伝子排除法で……。
そう書けば、わかる人はわかるでしょう。
それが同盟側であったとしても、先祖は帝国の人です。
何百年と排除しても、その名残は……。
そういう解釈も入ってしまうくらい、世界観が独特なんですよね。
そういや、前は「朝の夢、夜の歌」で、色盲に関する注釈として「劣悪遺伝子排除法を施行した帝国を打倒する話であって、差別を助長する内容ではない」という字幕があったような……。
しかし、最終的に帝国が勝つわけなので、その勝因は「劣悪遺伝子排除法」によって、「優秀な人材がそろった」と解釈されたら、それはそれで……。
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細かいところでは、そんな感じのことを思いました。
本編としては、シーズン3くらいになると、ヤン側の行動が微妙な気も。
民主主義の守護者として……。
そんな理解もできますが、「伊達と酔狂」で戦い、味方の誰かが腸ブチまけていたら、世話無いですよ。
ラインハルトにしても、「叛乱者」あたりでは下士官を助けるために命を懸けていたのに、後半は「戦って倒す」美学に取りつかれ、無駄に戦火を……。
いやまぁ、登場人物が聖者である必要はないですし、権力を握るほどに人は変わっていくもの。
権力者としては、ヴェスターラントを引きずっているだけ、まだマシなのかも。
そういう見方もできますが、別の見方もしてしまいます。
「彼らが戦わないと、物語として面白くない」
これが真理。
そう、彼らは戦うために物語に登場したが故に「その宿命」から逃れられない。
作中では、宿命という言葉を否定していますが。
何にせよ、物語を通して「戦争」や「政治」を考えられる良い作品のひとつではないでしょうか。